意外と知らない「秋の七草」って何?今年の秋は子どもと楽しみたい!
季節が秋へと変わり、過ごしやすく、お出かけにはぴったりの陽気になりましたね。
さて皆さんは、「秋の七草」をご存じですか?
「春の七草」は七草粥などで広く知られていますが、この「秋の七草」も今の時期だからこその楽しみ方があるんです。
そこで今回、意外と知らない「秋の七草」について料理教室講師の露崎奈津子さんに教えてもらいます。
露崎奈津子
料理教室講師
料理教室サイト 家庭料理教室 なつやすみ
東京都小平市にて料理教室を開講中。親子・子供向けのレッスンや、四季を感じられる和食をはじめとした家庭料理全般のグループレッスン、個人レッスンを行っている。自身も1・3・5歳の3児の母。
秋の七草とは?それぞれの特徴と花言葉
1月7日に「七草粥」を食べたり、名前を覚える歌があったりする「春の七草」と比べて、ほとんど馴染みのない「秋の七草」。一体どんな草花があり、どのような意味があるのでしょうか。
秋の七草の由来
無病息災を祈願する「春の七草」に対して、美しさを楽しむために選ばれたのが「秋の七草」です。7種の植物は、万葉集の2つの歌に由来しています
秋の七草の特徴と食べ方
では、それぞれの植物について1つずつ見ていきましょう。
1. 女郎花(オミナエシ=をみなへし)
根と全草に解毒、痛み止め、利尿作用などがあります。
2. 尾花(オバナ)
すすきのこと。お月見には欠かせない飾りの一つです。
3. 桔梗(キキョウ)
根を乾燥させ粉末にしたものは痰や咳の薬として用いられますが、自生の株数が減り、現在では絶滅危惧種となっています。
4. 撫子(ナデシコ)
今では日本女性を表す代名詞。むくみや高血圧に効くとして薬用にも用いられました。
5. 藤袴(フジバカマ)
乾燥させると桜餅の桜葉と同じ良い香りがし、食用はできませんが洗髪剤や香水に用いられることがあります。
6. 葛(クズ)
葛湯・葛切り・葛根などとして食べられるだけでなく、「葛根(かっこん)として風邪や胃腸不良などの際にも使われます。
7. 萩(ハギ)
秋の十五夜に供えたり、お彼岸にお供えする「おはぎ」の名の由来としても有名です。昔の元服の儀式では、ハギの枝に出した団子を食べるのが風習でした。
秋の七草の楽しみ方
秋の七草は、その美しさを楽しむことがメインです。実際にその植物の姿を見ると、秋という季節にも関わらず鮮やかな彩りと華やかな見た目をしているものが多く、肌寒くなってちょっとしんみりしてしまいそうな気持ちを温かくしてくれます。
ただし、鑑賞用として選ばれた「秋の七草」は歌が詠まれた当時は一般的に知られる草花たちでしたが、現代では藤袴や桔梗は絶滅危惧種に登録されており、自然に見ることが難しくなっています。ちょっと残念ですね。
また、春の七草のように一般的に食用されているわけではないですが、昔から民間薬や漢方薬として用いられているものがあります。
例えば、ススキの根は解熱や利尿作用、なでしこはむくみ防止や血圧低下、フジバカマはお風呂に入れてかゆみ取り、ハギやキキョウの根は咳止め、葛は風邪薬など、それぞれ聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?
他にも、お月見やお彼岸にお供えするススキやおはぎを眺めながら、秋の七草を感じることもできますね。
親子で探そう♪オススメ鑑賞スポット
そんな貴重な「秋の七草」ですが、鑑賞できる場所もあります。鑑賞の時期は、9月中旬ごろから11月初旬ごろ。ここでは、小さなお子様連れでも行ける、オススメスポットをいくつかご紹介します。
1.【東京都】向島百花園
スカイツリーを眺めながら自然が楽しめるというアクセスの良さ。江戸時代から秋の七草の名所として人々に親しまれ、国指定名勝及び史跡に指定されている公園です。
なかでも全長約30mの萩のトンネルが有名です。
2.【神奈川県】仙石原ススキ草原
「かながわの景勝50選」「かながわの花100選」の一つ。秋の見頃を迎えた期間中(土・日・祝)には「仙石すすきバス」が特別運行されている名所で、アクセスの良さもオススメです。