【専門家に聞く】「フェムテックアイテム」の上手な活用方法って?

妊活を意識しだすと、自分の体にも関心が向かうようになります。
これを機に、自分に合ったフェムテックアイテムで快適な毎日を過ごしませんか?
最新のNEWSや気になるアイテムを編集部がセレクトしました。
今回は、「フェムテック」最新のNEWSをご紹介します。産婦人科医・柴田綾子先生に聞きました。
妊活にも頼れるミカタ「フェムテックアイテム」 #1
※参考:「妊活たまごクラブ 2022-2023年版」
フェムテックの広がりで女性特有の悩みが社会的関心に
――フェムテックって何ですか?
●柴田綾子先生(以下柴田先生)「Femtech(フェムテック)は、Female(フィメール)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語で、女性の健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービス全般のことです。2013年ごろから提唱され始め、急速に市場が広がっています。」
――フェムテックが登場し始めたとき、産婦人科医としてどう感じましたか?
●柴田先生「生理や妊娠、更年期の症状は女性特有の悩みであるため、女性間だけで完結しがちでした。フェムテックが誕生したことで、男性にも関心を持ってもらえ、女性特有の問題が社会的に認知されるようになりました。多くの人が関心を持ってくれるようになったのはありがたいですね。」
――フェムテックを取り入れると、どのようなメリットがありますか?
●柴田先生「たとえば、生理管理アプリを使うと、生理・排卵・女性ホルモンの状態がより細かくわかりますよね。異常を早く知ることで、病気の早期発見ができたり、仕事を休まずに治療ができる可能性に気づけるのがフェムテックの良いところだと思います。セルフチェックができる環境になり、自宅で簡単な検査や診察が受けられるサービスも登場していますよ。」
フェムテックを取り入れると生活しやすくなるはず!
――産婦人科の現場でもフェムテックは広がっていますか。
●柴田先生「自身の生理周期やPMSをアプリで管理する女性が増えました。生理は妊娠・出産と密に関わりますから、蓄積されたデータがあると医師は診察しやすいです。それに排卵日予測機能も搭載されているので、タイミングをとりやすくなったのではないでしょうか。自身で管理できるアプリの影響か「自分で理解して決めたい」と関心の高い20〜30代女性が増えたように感じます。ただ、誤った情報を信じてしまう人も。不妊治療も高度になると、産婦人科医と相談する必要があります。ネットの情報を鵜呑みにせず、信頼できるかかりつけ医もつくってほしいですね。」
――妊活におすすめのフェムテックのアイテムは?
●柴田先生「妊活が長くなるとストレスが溜まりやすくなります。パートナーと生理の症状を共有できるアプリでコミュニケーションするのはいかがでしょうか。不妊治療中の方は、これまでの検査データを管理し、専門家からアドバイスやカウンセリングを受けられるサービスを活用して欲しいですね。妊娠しやすい体には、十分な睡眠や健康的な食事、適度な運動も大切。規則正しい生活ができているか、ウェアラブルデバイスやアプリなどでチェックするのもいいですね。多彩なアイテムがあるので、難しく考えず、いろいろ試して使いやすさや快適さで選んでください。フェムテックをうまく活用すれば女性特有の症状を理解しやすく、年齢やライフステージごとの健康問題も乗り越えやすくなるはずです。」
女性に一生寄り添うフェムテック
女性の初潮から閉経後まで、気になるアイテムを編集部がセレクトしました。
【10代】体の変化を実感する大きなイベント初潮を迎える
胸がふくらみ始め、恥毛やわき毛が生え、少しずつ丸みを帯びて女性らしい体形になります。多くの女性が14歳頃までに初潮を迎え、不安定な周期が数年続きます。体の中も外も急激に変化するため、戸惑うのもこの時期の特徴です。(柴田先生)
はじめての生理に寄り添うギフトボックス
ナプキン、布ライナー、デリケートゾーンウォッシュ、生理にまつわるブックレットなど、初潮を迎えた女の子に必要なアイテムがセットに。
【20代】性成熟期に突入し妊娠・出産の準備が整う
女性ホルモンの分泌が順調になり、生理の周期は安定し、妊娠・出産ができる準備が整います。一方でホルモン分泌が盛んなため、女性ホルモンであるエストロゲンの作用を受けて子宮内膜症などになりやすい年代でもあります。また、過剰なダイエットによる低体重や仕事などでのストレスでホルモンバランスを崩す20代が増え、生理不順に悩む人も増えています。さらに15〜49歳の女性のうち、約97%が生理のつらい症状を経験し、18〜49歳までの働く女性の約94%が生理に関連して仕事のパフォーマンスに影響が出ると回答した調査結果(※1)も。
生理周期を把握し、妊娠に気づけ、病気の早期発見のためにも毎朝基礎体温を測ったり、生理管理アプリを使うのがおすすめです。(柴田先生)
※1 令和2年度産業経済研究委託事業 働き方、暮らし方の変化のあり方が将来の日本に与える効果と課題に関する調査 報告書
天然素材にこだわったオーガニック綿タンポン
吸収体に最上ランクのオーガニックコットン100%を使用。アプリケーターが細く、挿入しやすい。最長8時間吸収で、2日目にも。
【30代】性成熟度がピークになる一方PMSが重くなる女性も
30代は女性ホルモンのエストロゲン分泌量がピークになり、性成熟度もピークを迎えます。
30代での第一子出産も増加し、35歳以上の高齢出産の割合は21・1%(※2)となっています。
30代で多くの人が悩まされるのがPMS。乳房のはりや腹痛、頭痛、むくみなどの体の症状に加え、情緒不安定、注意力散漫、攻撃的になるなど、心の症状も顕著になります。仕事もプライベートも忙しい時期で、ストレスがかかりやすく、それらが症状を重くしているかもしれません。さらに子宮筋腫や子宮内膜症を発症しやすい年代でもあります。生理不順から病気を発見することもあるので、PMSのつらさや生理での異変を感じたら早めに婦人科を受
診しましょう。(柴田先生)
※2 厚生労働省の平成30年「人口動態調査」(第4表)
食欲が増す時期にはヘルシーなスイーツを
ホルモンバランスによる女性特有の悩みに応じたスイーツを展開。
オンライン問診を受けると、悩みに合うスイーツBOXを提示。卵や乳製品などの動物性食品不使用。
【40代】女性ホルモンが減少し始め閉経に向かうプレ更年期
閉経の前後5年ほどの10年間を指す更年期は、40代半ば頃から始まるとされています。日本人女性の平均閉経年齢は50・5歳頃で、少しずつ生理周期が短くなり、しばらくすると周期が長くなって生理の回数が減っていきます。出血量や日数も不安定になり、生理日ではない日に不正出血することも。最後の生理から1年間来なかった場合、閉経といわれます。(柴田先生)
生理が不規則になったら吸水ショーツが便利!
プレ更年期などで月経過多になりやすい40代。
普通のショーツ感覚ではける吸水ショーツを。最大20mlの吸水が可能で、レース部分が腹部をサポート。
【50代】更年期の症状が本格化心身に不調が表れる人も
更年期になると心身のバランスが崩れがちに。ホットフラッシュや頭痛などの身体面の不定愁訴だけでなく、介護、子どもの将来、自身の老後などの問題から不安感や不眠、憂鬱などの精神症状が強く出る人も。
家族にも協力してもらい、症状が強い時は、産婦人科で漢方やホルモン補充療法などの治療を相談してください。(柴田先生)
閉経後の様々な悩みをオンラインで解決!
閉経後のみならず、家庭などの問題も解決できるオンラインプログラム。
月額2,178円で月最大5回のテキスト+WEBカウンセリングの提供、仲間がいるコミュニティに参加が可能。
ここでもあそこでもフェムテックが大盛り上がり!
女性だけの問題と秘密にしている時代は終わり!
大規模なイベント開催や施設・媒体とフェムテックが広がりを見せています。
【女性の健康をサポートするアイテムがずらり】第1回 Femtech Tokyo
★たまひよも公式メディアパートナーとして出展予定!
生理、妊活、妊娠・出産、更年期などの女性のライフステージに応じた様々な課題を解決できるフェムテックの製品やサービス。
それらを扱い、女性の健康と活躍を支援する約200社(※)の企業が一堂に出展する日本最大規模のイベント。最終日は一般参加も可能で、その場で購入・体験ができる。未知のフェムテックアイテムに出合えるかも!?(2022年10月開催予定)
※出展契約企業に加え、共同出展するグループ企業・パートナー企業数も含む。
第1回 Femtech Tokyo
[会期]2022年10月20日(木)~22日(土)
※最終日は一般の方も来場可能会場/東京ビッグサイト
[主催]RX Japan(株)
【心斎橋PARCOに誕生!】医療ウェルネスモール Welpa
★ショッピング感覚で気軽に行ける医療モール
病気になったときに行く場所ではなく、毎日を快適に過ごすために自分をケアする場所として誕生した、新しいコンセプトの医療モール。
クリニックのほか、調剤薬局、フェムテック専門店、カフェなどが集まるおしゃれな空間で、気軽に訪れやすいのが◎。
Welpa(ウェルパ)
[住所]住大阪府大阪市中央区心斎橋筋 1-8-3 心斎橋 PARCO10F
[営業時間]10:00~21:00
※行政からの要請により、営業時間が変更になる場合があります
[休業日]無休
【フェムテックを知る!買う!】フェムテック・ウェルネスメディア WOMB LABO
★フェムテックの知識を深めてから購入できる
私たちの体の中にあるテクノロジーと向き合うことこそがフェムテックの原点と考える、植物療法士の森田敦子さんが主宰するフェムテック・ウェルネスメディア。
フェムテック製品を実際に使う人がまだ少ない状況を受け、オンラインストアのほか知識を発信するメディアサイトを展開。
国内の産婦人科医や植物療法の本場であるフランスの産婦人科医・性医学者といったスペシャリストによる最新の情報を知ることができる。
森田敦子さん
デリケートゾーンケアブランド「アンティーム オーガニック」も手がける森田敦子さん。
2022年3月30日(水)~4月12日(火)まで、新宿伊勢丹6階ベビー子供服フロアにてフェムテックイベントを開催。
WOMB LABO(ウーム ラボ)
■監修/柴田綾子 先生
●撮影/草間大輔
●構成・文/津島千佳
※記事内容、日付、監修者の肩書、年齢などは掲載当時のものです。