「管理入院が必要?」「出産は何週になるの?」双子妊娠ならではの不安・気がかりQ&A【専門医】
双胎妊娠のママは、切迫早産による管理入院や、帝王切開出産の可能性が高くなります。出産前後の気がかりに関して、多くの多胎ママたちを診てきた東京かつしか赤十字母子医療センターの林 瑞成先生(第一産科部長)と鈴木佳恵さん(助産師)に、アドバイスをいただきました。
管理入院の気がかり
一絨毛膜性双胎(いちじゅうもうまくせいそうたい)の人は、妊娠28週ごろから、二絨毛膜性双胎(にじゅうもうまくせいそうたい)の人は、妊娠34週ごろから管理入院になる可能性が高くなります。入院準備や出産準備は、早めに行いましょう。
Q. 上の子がいます。入院せずに自宅安静でもいい?
A. 横になって休む必要があります
安静が必要だということは、トイレ・入浴以外は「子宮口に重力がかからないように、体を横たえていてほしい」という状態です。だから、自宅安静になったとしても、上の子のお世話はできません。
ママもお子さんもつらいでしょうが、上の子のお世話を頼めるサポーターを探しましょう。
Q. 切迫早産で管理入院。どんな治療をするの?
A. 基本は安静です。薬を投与することも
子宮頸管が短くて切迫早産と診断された場合は、横になって安静にするしかありません。子宮収縮がある場合は、子宮収縮抑制薬を点滴することがありますが、やはり安静が必要です。
出産の気がかり
双子の出産は、帝王切開による出産になる確率が高いです。妊娠経過が順調な場合でも、帝王切開手術について予習しておきまましょう。また、退院後、すぐに始まる子育て生活についても、だれにどんなサポートをお願いできるか、早めに見通しを立てておきましょう。
双子の育児は大変です。産後6カ月間くらいのサポート体制を整えておきましょう。
Q. 里帰り出産や退院後の里帰りはOK?
A. 里帰り先の病院に相談しましょう
里帰り出産が可能かどうかは、里帰り先の病院の判断によります。希望する場合は、できるだけ早く確認しましょう。また、退院後の里帰りは、実家が遠方の場合は、最低でも1カ月健診を終えてからにしましょう。
Q. 出産は何週ごろになるの?
A. 出産は37週ごろが理想です
妊娠経過が順調であれば、多胎の出産は、妊娠37週が最もリスクが少なくなります。
Q. どんな赤ちゃんがNICU(新生児集中治療室)に入るの?
A. 36週未満の出産か、2300g未満が目安
妊娠36週未満に生まれた赤ちゃん、もしくは、体重が2300g未満で生まれた赤ちゃんは、体温調節などが未熟なので、NICUに置かれた保育器の中で、発育をサポートすることになります。
また、NICUには人工呼吸器なども完備されているので、なんらかの理由で呼吸のサポートが必要な赤ちゃんもNICUに入ります。
監修/林 瑞成先生、鈴木佳恵さん 取材・文/栗本和佳子、たまごクラブ編集部
双子のママは、妊娠38週までに出産することを想定して、早め早めの出産準備が必要です。また、生まれた赤ちゃんの入院が長引く可能性も考慮して、産後の見通しを立てておきましょう。
参考/『たまごクラブ』2021年4月号「ふたごCLUB」
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
林 瑞成先生
PROFILE
東京かつしか赤十字母子医療センター第一産科部長。高度医療を提供する周産期母子医療センタ-に長年勤務し、ハイリスク妊婦さんを多数診てきた頼れる先生。
鈴木佳恵さん
PROFILE
東京かつしか赤十字母子医療センター助産師。助産師になり、14年目。うち、ツインクラスの担当は9年目に突入。多胎妊娠&育児に精通した助産師さん。