40,359人のリアルママボイス。約2割の妊婦が「無痛分娩」を選択。自然分娩を選ぶ理由は?専門家に聞く
妊娠29週前後のママに「あなたは無痛分娩を希望している?」と、スマホアプリ「まいにちのたまひよ」の情報交換コーナー(※ルーム)で聞いてみました。すると約2割が「希望する」と回答しました。日本でも広まりつつある無痛分娩ですが、コメントを見ると陣痛がくるまで待つ産院と、計画的に分娩を行う産院と色々あるようです。総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務し、これまでに数千人の母子のケアに携わられた助産師の浜脇文子先生に、無痛分娩について伺いました。
※出産月が同じママが集まるコミュニティ。同じ状況のママ同士で情報交換やお悩み相談ができるコーナーです。
あなたは無痛分娩を希望していますか? 希望者はジワジワと増加中
2021年2月から定期的にアンケートを実施している中で、希望者は若干ながら増えています。「選べない・その他」に寄せられた声の中には「帝王切開」「近所に無痛分娩対応の病院がなかった」などの声がありました。
何事も経験、費用面であきらめた、など「希望しない」の声
「経産婦の姉からは無痛分娩を強く勧められましたが、『鼻からスイカ』の痛みも経験かなぁと。今のところ普通分娩です」
「希望しなかったのは費用面もあるけれど、初産だしどのくらい痛いのか、女性にしか体験できないしやってみよう! というチャレンジ精神もあります」
「8年待ちわびたわが子です。おそらく最後になるので、痛みも経験したいとポジティブに考えて普通分娩で臨みます」
「体験者の無痛分娩でも痛かった、いきみのタイミングを合わせるのが難しかったという声を聞き、麻酔もちょっと怖くて希望しませんでした」
「無痛費用が無料だったらなぁ。せめて半額だったら絶対にお願いするのにな」
計画的に出産できる、安心して出産に臨めるなど「希望している」の声
「絶対に無痛と決めていたので、無痛分娩対応のクリニックを選びました。両方の親から『麻酔? 無痛? 大丈夫なの?』という反応だったけど、産むのは私なので」
「理由は痛みに弱いから。麻酔で痛みが和らぐと思うと、安心して出産に臨めます」
「高いなぁとは思ったけど、自然分娩でも深夜や休日だと10万円前後追加料金とられるので、だったらと計画無痛分娩を希望しました」
「無痛分娩です! ホッとしたのもつかの間、病院から『初産はお産の進みが悪くなるので子宮口5㎝まで麻酔は使いません』と、言われて放心しております(笑) でも痛みに弱い人は3㎝で麻酔をかけてくれることもあるそうで、遠慮なく泣き叫ぼうと思ってます」
「里帰りせず産後はワンオペになりそうなので、身体の負担を考えて無痛を希望しました。でも麻酔をかける頃から切れるまでは、必ず一人付き添いが必要だそうで、夫が仕事で来られないときは普通分娩になりそうです」
普通分娩も体験しているけど、今回は無痛分娩を選んだと言う経産婦の声
「3人目で初めての無痛です。2人目のとき、上の子が精神的に不安定になってしまったので、計画的に入院できれば子どもたちの心の準備もしやすいかなと」
「4人目で初めての無痛分娩です。39歳と高齢なので産後の経過が良い方を選びました。上の子たちの学校や保育園など、みんなの予定を考えて日程を決めました」
「上の子は予定日超過で管理入院、促進剤4日使っても出てこず、本陣痛から2日かかり最後は吸引で、42週0日で産まれました。その経験から無痛一択です」
「3人目です。私は2人目から無痛一択です。一人目は普通分娩でした。難産で早く生まれて、この痛みはいつまで続くのか、帝王切開に切り替えてほしい、そんなことばかり考えて、必死な夫のフォローも気が利かないとイライラして、産まれた瞬間は感動よりも『ようやく終わった』として、子どもの体重を測っている横で意識とんで寝てました。産後は筋肉痛がひどいし会陰切開の傷も違和感あるしで、とにかく大変でした。
二人目は無痛にしたら天国!!!! リラックスしていたせいか会陰切開なしでスルリと産まれ、朝早い出産だったので上の子や夫に『早朝からごめん』なんて気配りできる余裕もあり。私個人的には麻酔なしの出産は考えられません」
計画無痛分娩もあれば陣痛を待つ無痛分娩があり、麻酔医がいる産院もあればいない産院もあり、無痛ではなく和痛だったり、料金も色々だったりと、無痛分娩でも色々とあるようです。現在の日本の無痛分娩について、助産師の浜脇文子先生に伺いました。
十分なインフォームドコンセントを受け、納得して産院を選びましょう
「フランスやアメリカでは無痛分娩の割合が多く、自然分娩を希望すると驚かれることも有ります。
その一方で、オランダやイタリア、ドイツなどでは普通分娩が主流で欧米でも国によって大きく異なるのが現状です。
そして現在の日本の無痛分娩は、黎明期と言っていいと思います。
今回のアンケートでの希望者2割という数字は、意外と少ないなぁというのが正直な感想です。
私の住む東京ではもっと多く増えている印象です。なので地方との差があるのかもしれません。
無痛分娩とは一般的な言われ方で、諸外国では『麻酔分娩』と言われ、硬膜外麻酔を使う事で、痛みを取り除く分娩方法です(広い意味では、帝王切開を含む)。
計画分娩では麻酔と共に陣痛促進剤を併用し、分娩を管理していきます。また一方である程度、子宮の入口が開くまでは自然に任せ、その後麻酔を使用するという方法をとる産院もあります。
その他にも、和痛分娩といい赤ちゃんが生まれる直前に部分的に局所麻酔を使用し痛みをとる方法もあります。
産院によって、麻酔医が麻酔を行う病院もあれば、産科医が行うところもあります。料金に関しても、産院により様々で迷う妊婦さんも多いでしょう。
ですから、情報収集は十分に行いましょう。メリット、デメリット含め、なるべく大勢のひとから話聞きましょう。
また、疑問や不安がある場合は医師にどんどん質問をしましょう。大切な命に関わることです、妥協はいりません。自分たちが納得するまで十分に考え選択することが大切と言えそうです」
お話/浜脇文子 文/和兎 尊美
※文中のコメントはアプリ「まいにちのたまひよ」内、同じ出産月のママ・妊婦さん同士で情報交換できるコーナー(ルーム)に寄せられた投稿を再編集したものです。
※アンケートの結果は「ルーム」にて以下の期間で実施した回答結果を合算したものです。(有効回答数:40,359)
・2021年2月1日~2021年2月28日実施/2021年4月生まれルーム
・2021年3月1日~2021年3月26日実施/2021年5月生まれルーム
・2021年4月5日~2021年4月12日実施/2021年6月生まれルーム
・2021年5月3日~2021年5月10日実施/2021年7月生まれルーム
・2021年5月31日~2021年6月7日実施/2021年8月生まれルーム
・2021年7月5日~2021年7月12日実施/2021年9月生まれルーム
・2021年8月2日~2021年8月9日実施/2021年10月生まれルーム
・2021年8月30日~2021年9月6日実施/2021年11月生まれルーム
・2021年10月4日~2021年10月11日実施/2021年12月生まれルーム
・2021年11月1日~2021年11月8日実施/2022年1月生まれルーム
・2021年12月6日~2021年12月13日実施/2022年2月生まれルーム
・2022年1月3日~2022年1月10日実施/2022年3月生まれルーム
・2022年1月31日~2022年2月7日実施/2022年4月生まれルーム
・2022年2月28日~2022年3月7日実施/2022年5月生まれルーム
・2022年4月4日~2022年4月11日実施/2022年6月生まれルーム
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