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妊娠中のこの症状、将来高血圧や糖尿病のリスクが高まる恐れが⁉【産婦人科医監修】

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petrunjela/gettyimages

妊娠すると、妊娠前とは違い体にさまざまな負担がかかります。それまで健康に過ごしていた人でも、思いがけず自身の体にトラブルが起こることもあります。

妊婦健診でその兆候がないかをチェックし、トラブルがわかったら適切な治療を行って、母子ともに深刻な状態にならないよう経過を見ながらお産に臨みますが、妊娠中に起こるトラブルに、将来のママの健康に影響を及ぼす病気があることを知っていますか?

産後に症状が治まったとしても、注意したい妊娠中のトラブルについて、どんな症状で、何に気をつければよいのかを佐野産婦人科院長 今野秀洋先生に聞きました。

妊娠高血圧症候群を発症すると、将来、高血圧になるリスクが

「妊娠高血圧症候群」とは、妊娠20週から産後12週にかけて高血圧になる、または高血圧にタンパク尿がともなう場合に診断される病気です。妊娠前から高血圧だった場合は「高血圧合併妊娠」と呼ばれます。

どちらの場合でも、重症化するとママが子癇(しかん)と呼ばれるけいれん発作や脳出血などを起こすことがあります。また、おなかの赤ちゃんが発育不全になる恐れもあります。

母子にとって危険な状況になる可能性が高いため、妊婦健診で血圧をチェックしています。また診断された場合でも血圧の管理をしっかり行うことで重症化を防ぎ安全なお産へとつなげます。

出産すると「妊娠高血圧症候群」の症状は治まり、リスクはなくなりますが、実は、その後も健康管理に注意が必要であることがわかっています。

高血圧を始めとする生活習慣病のリスクが

ある調査結果では、妊娠高血圧症候群を発症した人は、そうでない人と比べ、その後、高血圧や脂質代謝異常症の治療をしていることが多いとわかりました。

●妊娠高血圧症候群を発症している人は発症していない人と比べ

高血圧の治療をしている 4.28倍
脂質代謝異常症の治療をしている 3.20倍


※Watanabe K,et al,;associate with increase in the prevalence of cardiovascular disease risk factors in Japanese women;Menopause;22(6):659-9;2015 参照

妊娠高血圧症候群が発症する原因は明確になっていませんが、生まれ持った体質や遺伝的要因、肥満が関係していると考えられています。妊娠高血圧症候群を発症した人が将来的に高血圧になる可能性が高いのは、そのためとも考えられます。

妊娠高血圧症候群を発症した人は次回の妊娠も注意を

妊娠高血圧症候群の発症を高める要因には以下があります。

●妊娠前からあるリスク
□35才以上
□家族に高血圧の人がいる
母親だけでなく、父親、姉妹に高血圧がある場合も注意が必要
□妊娠前のBMIが25以上
しかし、日本ではBMIが25以下でも発症するケースもあります
□もともと糖尿病や腎臓病、自己免疫疾患など持病がある

●妊娠によるリスク
□初めての妊娠、出産
□前回の妊娠が5年以上前
□前回の妊娠時、妊娠高血圧症候群を発症した
□多胎妊娠


妊娠高血圧症候群を発症した人は、次回の妊娠も再度発症する可能性が高くなります。体質や遺伝的要因もありますが、妊娠を考える場合は、妊娠の間隔をあけないようにしたり、血流を促す薬を服用したりなど、リスクを下げる対策もあるので医師とよく相談をしましょう。

また、次の妊娠を考えていない場合でも、将来の高血圧のリスクを減らすため、食生活や太りすぎに気をつけましょう。

妊娠糖尿病を発症した人は、糖尿病予備軍と考えて

「妊娠高血圧症候群」以外にも、妊娠中だけの問題ではないトラブルに「妊娠糖尿病」があります。

「妊娠糖尿病」とは糖質がエネルギーとして使われる糖代謝に異常があり、慢性的に高血糖になる状態で、妊娠をきっかけに発症したものを指します。

妊娠糖尿病は母体やおなかの赤ちゃんにさまざまな影響を及ぼします。ママは妊娠高血圧症候群を発症する恐れがあり、おなかの赤ちゃんは4000g以上の巨大児、胎児機能不全、新生児低血糖などのリスクが高まります。

母子への影響が大きいトラブルであるため、妊婦健診で尿検査や血液検査、糖負荷検査をして兆候がないかをしっかりチェックします。妊娠糖尿病と診断された場合は、食事療法で血糖をコントロー
ルしながら、赤ちゃんの発育状況を見ていきます。ママの血糖値や赤ちゃんの大きさに問題がなければ、お産は変わりありません。

そして、ほとんどの場合、産後に血糖値は正常に戻りますが、その後、糖尿病を発症するリスクが高いといわれており、注意が必要です。

妊娠糖尿病の人が、産後5年で糖尿病に進展する割合は5人に1人

日本では、「妊娠糖尿病と診断された人が、産後5年の時点で糖尿病に進展しているケースが20%だった」というデータがあります。また「糖代謝が正常化しても、産後10年間に15%以上が糖尿病を発症する」というデータもあります。

妊娠糖尿病を発症した人は、産後も検査で血糖値の確認を

妊娠糖尿病を発症した人は高い確率で糖尿病になりやすく、また次回の妊娠を望んでいる場合は、影響を及ぼす恐れがあります。産後3カ月以内に内科を受診し、血糖値が戻っているかを確認しましょう。
そして、妊娠糖尿病の発症を高める要因には以下があります。

□妊娠前のBMIが25以上
□家族に糖尿病の人がいる
母親だけでなく、父親、姉妹が2型糖尿病である場合も注意が必要。とくに姉妹が糖尿病の場合はリスクが高くなります。
□35才以上
□多嚢胞性卵巣症候群
□多胎妊娠


さらに妊娠糖尿病の再発リスクを高める要因として
□BMI25以上
□前回の妊娠からの体重増加
□前回の妊娠からの間隔が短い

などがあげられます。

次の妊娠を考える人も、そうでない人も、定期的に健康診断を受け、食生活や標準体重を目標に太りすぎに注意することで、リスクを減らすことができます。

歯周病なども産後に影響

妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病以外に、歯周病なども産後に影響する可能性があるため、気をつけましょう。

妊娠中は、つわりなどで口内環境が変化し、歯や歯茎のトラブルが起こりやすいといえます。歯周病は早産の要因になるだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞をはじめとしてさまざまな病気を引き起こすリスクがあるといわれています。    
妊娠中のママの体の不調はそのままにせず、パートナーや家族、周囲の人たちにサポートしてもらいながら、整えていきましょう。

文/茂木奈穂子、たまごクラブ編集部

監修/今野秀洋先生 

妊娠中のトラブルに直面して、さらに将来の健康にも影響するとなったら、不安は大きいでしょう。生まれ持った要因で発症することもありますが、自分でより健康的な体にする手だてもあります。また、安全なお産のために最善を尽くしてくれる医師や専門家もいます。妊娠が、自分の体や赤ちゃん、家族の健康に目を向けるきっかけとなると前向きに考えてみませんか。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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