初産婦さん必見!時期ごとのママの体と赤ちゃんの発達
妊娠とわかったら、無理をせずに過ごしましょう
妊娠は病気ではありませんが、体の変調を起こしやすく、心身共に不安定になりがちです。
おなかの中で赤ちゃんがどう育ち、自分の体がどう変化していくのかを理解し、健康的な妊娠生活を過ごしていきましょう。
月経が遅れている、体が熱っぽくだるいと感じたら、早めに産科を受診しましょう。
妊娠初期、とくに妊娠10週ころまでは胎盤が未完成な状態で、流産が起こりやすいときです。激しい運動や重労働などは避け、無理をしないことが大切です。
また、妊娠3カ月ころには、食欲不振や吐きけなど、つわりがピークを迎えます。
つわりの間は、食べたいものを食べたいときに食べても大丈夫。「つわりは長くは続かない、少しの辛抱」と思って、楽な気持ちで過ごしましょう。
食べられなくても赤ちゃんは必要な栄養をお母さんから吸収して育っていきますので、心配いりません。
このころ、おなかの中の赤ちゃんは、頭、胴、足がはっきりし、「胎芽(たいが)」から「胎児」と呼ばれるようになります。妊娠4カ月ころになると、手足を頻繁に動かし、男女の区別がつくようになります。
妊娠中期から後期に気をつけたいこと
胎盤が完成するころになると、流産の心配が少なくなります。おなかが目立ちはじめ、週数が増すごとに、ますますおなかは大きくなっていきます。
つわりもおさまり、日に日に成長しているおなかの中の赤ちゃんを感じることができ、心身共に落ち着いて過ごせる時期ですね。妊娠6カ月になると、ほとんどの人が胎動を感じるようになりますから、おなかに手をあてて声をかけてみましょう。
へその緒を通じて母体から酸素や栄養をとり入れている赤ちゃんのために、栄養バランスのとれた食事を1日3食きちんととりましょう。ただし、食べすぎには注意。腰痛や便秘が起こりやすいときでもあるので、予防に努めるほか、積極的に体を動かしましょう。
妊娠8カ月、28週からが妊娠後期。いよいよ出産の準備に入っていく時期です。
子宮がさらに大きくなり、動悸(どうき)や息切れ、むくみ、足がつるなどの症状が起こりやすくなります。つらいときは無理をせず、体を横にして休みましょう。とくに妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)や早産には注意が必要です。
下腹部の痛みや出血、赤ちゃんの動きが鈍い、目の前がちかちかする、胃のあたりが重苦しいなど、いつもと違う症状がある、何か気になることがあるときはすぐに受診しましょう。
妊娠36週を過ぎると、おなかの中の赤ちゃんは、内臓も神経も機能が整い、子宮外で生活できる準備が完了します。子宮の位置が下がり、おなかが前に突き出てきて、おなかの張りを頻繁に感じるようになります。
出産準備はできるだけ早めに済ませ、いつでも入院できるようにしておきたいですね。予定日まであと少し。休養を十分にとり、落ち着いて分娩を待ちましょう。
市川香織 先生
文京学院大学保健医療技術学部看護学科准教授 一般社団法人産前産後ケア推進協会 代表理事 日本助産師会出版 取締役、助産師
大学病院、助産師学校教員、厚生労働省、日本助産師会事務局長等を経て、2014年4月より現職。大学での教育・研究活動のほか、産前・産後の女性のケアをはじめとした、女性の生涯の健康を支援する活動を行っています。
※この記事は「たまひよコラム」で過去に公開されたものです。