丸山桂里奈、出産を振り返る。長時間の出産を乗りきり、産道についた傷から感染症に!入院が長引き想定外の育児スタートにとまどいも
元サッカー日本女子代表でタレントの丸山桂里奈さん(40)と元サッカー日本代表で指導者の本並健治さん(58)との間に、2023年2月に第1子となる女の子が生まれました。産後は体調がよくなかったため、赤ちゃんと一緒に2週間ほどの入院となった丸山さん。産後の様子や新生児育児のことについて、丸山さんに話を聞きました。
本並さんに出産報告の電話をしたら、共演者からの祝福の声が
――出産前のインタビューでは、サッカーの試合と同じく90分で出産できたら、と話していました。
丸山さん(以下敬称略) 言ってましたよね〜。ところが90分なんてとんでもない!実際かかったのは48時間ですから・・・延長ロスタイムが何十時間もあって闘い続けた感じですね。たまったもんじゃなかった・・・。「振り返るとあっという間」と表現されることもありますけど、あの出産は今振り返っても長かったな、と思います。
出産後に、みんながそうとは言えないけど、アスリートのように体を鍛えている人は、産道の近くに筋肉がつくからなのか、難産になることが多いと聞きました。陣痛から出産までの時間が長いと、めちゃくちゃ体力を消耗しますよね。そして産後、あんなに体力を消耗している状態で育児をスタートするのはつらいですよね。無痛分娩で出産していたらダメージが少なかったのかな、育児を始めるときに全然違うだろうな、とも思いました。
実は私も無痛分娩を検討はしていたんです。年齢的にも大変だし、分娩時も産後の育児のことを考えても無痛分娩のほうがいいかな~と。自然分娩で進めて途中で無理そうなら切り替えようか、という話もありました。でも、私がいつも飲んでいたサプリメントを確認してもらったところ、サプリメントの成分に麻酔ができないというものがあったようで、結局自然分娩となりました。
――本並さんの出産への立ち会いはなかったそうですが、娘さんが生まれた直後の写真は、だれかに撮ってもらえましたか?
丸山 出産後すぐに助産師さんがインスタントカメラで写真を撮ってくれたみたいです。分娩室から部屋に戻って放心状態でいたら、しばらくして助産師さんが部屋に来て、娘の写真を何枚かくれました。
――本並さんにはどんなふうに出産を報告したのでしょうか?
丸山 本並さんには電話をしました。ちょうどロケ中だったんですけど電話に出てくれて、「生まれたんだ、おめでとう!」と言ってくれました。同時にその場にいた共演者やスタッフのみなさんから「わーっ!」と歓声が上がっているのが聞こえました。きっと本並さんが「もうすぐ生まれそう」と伝えていたんですね。本並さんは、いつ私から電話がくるか、そわそわして仕事していたみたいです。
電話の向こうから、みんなからの「おめでとうございます!」の祝福の声が聞こえて、こんなに喜んでもらえるんだ、と驚きました。体はへとへとだったけど、心はめちゃくちゃ元気が出ました。
産道に傷がつき、感染症に・・・。熱が出て体もつらかった
――丸山さんはインスタグラムなどで、産後に体調不良で入院が長引いたと報告していましたね。先生から症状についてどんな説明があったんでしょうか。
丸山 出産のときに産道についた傷から細菌が入ってしまい、感染症になってしまっていたようです。どの場所が感染しているのか、患部を見て診察することができないので、先生がエコーで検査して毎日洗浄してくれていました。
体内に炎症が起きるとCRP値という数値が上昇するらしいのですが、健康な人は0.3mg/dL以下くらいなのが、私は20mg/dLくらいになってしまっていました。炎症と闘っているから熱が出て体もとてもしんどくて、赤ちゃんのお世話ができる状態ではないほど。産院は母子同室にするかどうか選べるシステムだったので、初めは娘を預かってもらっていました。
数日かけて少しずつ体は回復してきて、赤ちゃんのお世話もできるようになってきたけれど、CRP値がなかなか正常値にならなかったので、入院期間が長くなり、結局産後19日で退院することに。でもその間に、助産師さんにお世話のやり方をいろいろと教えてもらったり、わからないことを相談したりとお世話になりました。
――本並さんが赤ちゃんに会ったときのことを教えてください。
丸山 本並さんは、PCR検査を受けて結果が陰性とわかったあと、出産の2日後に面会に来てくれました。最初に、私に「よく頑張ったね」と声をかけてくれました。そしてずっと私のおなかにいた娘に会えて、めちゃくちゃ喜んでいました。
私は本並さんと赤ちゃんが一緒にいるのを見て、なんだか不思議な気分でした。本当に家族が増えたんだなぁって。今まで味わったことがないような幸せな空間で、本当に産んでよかったなと思いました。
初めは「育児は楽しい」なんて言えないほど大変!
――出産からもうすぐ2カ月・・・初めての育児をどう感じていますか?
丸山 初めは体調もよくなかったし、お世話も慣れないし、正直言うと娘をかわいいと思う余裕はなかったんです。妊娠中には、娘が生まれたらきっと自分の時間も本並さんと過ごす時間もなくなって、娘が生活の中心になって、娘のためだけの時間が増える・・・と思っていて、どんな生活になるのか想像がつきませんでした。実際に退院後、娘との生活の変化を受け止めるのに時間がかかりました。
出産前は本並さんとも「楽しく育児したいね」なんて話していたけど、実際産んでみたら、楽しいなんて言ってるひまはないな、と実感しました。毎日ずっと一緒にいて、お世話するのもすごくやることがたくさんあって。こんなに育児って大変なの!って。正直、今は2人目は考えられません。
でも、大変だからこそ、今の娘との時間を大切にしたいなとも思います。毎日大変だけど、少しずついとおしいなと思えるようになりました。
――出産を経験して、考え方などに変化はありましたか?
丸山 自分が出産を体験して、自分の母もこんなに大変な思いをして産んで育ててくれたんだな、と改めてありがたさを感じました。子ども1人を育てるのにこれだけ時間と愛情をかけるものなんだ、と知ることができたし、家族をもっと大切にしたいと思いました。それに、世の中の子育て中のママやパパたちもみんなこうして頑張ってるんだなって、心から尊敬しています。
私はSNSで妊婦さんや先輩ママさんたちとやりとりしているんですが、それも励みになりました。今回の出産で陣痛に耐える間、1人で個室で過ごして、本並さんもいない中で不安だったんです。でも、SNSでみなさんが「陣痛は痛いけど終わりが来るよ」って言ってくれて励まされました。いろんなママたちとつながって、1人じゃないなと思えたし、同じ思いをしてる人がいると思うと頑張る力になりました。
お話・写真/丸山桂里奈さん 取材・文/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部
産後は体調も万全でなく、初めは慣れないことばかりで育児の大変さを痛感したという丸山さん。1カ月を過ぎた娘さんは「声を出して笑うようになってとってもかわいい」と、幸せな時間を過ごしているそうです。
●記事の内容は2023年5月の情報であり、現在と異なる場合があります。
丸山桂里奈さん(まるやまかりな)
PROFILE
1983年3月26日生まれ、東京都出身。第4回女子W杯、アテネ五輪、北京五輪、第6回女子W杯(優勝)、ロンドン五輪(準優勝)で日本代表として活躍。 2005年Lリーグ(現なでしこリーグ)新人王、2011年国民栄誉賞を受賞。現在はバラエティ番組、スポーツ番組などで活躍。2023年2月に第1子の女の子を出産。