赤ちゃんが危ない…!? 妊娠糖尿病と宣告され号泣「2人目妊娠したら糖尿病になった話」著者・奥田けいさんインタビュー
イラストレーターの奥田けいさんは、夫と長女と長男と4人暮らし。2人目の長男を妊娠中に「妊娠糖尿病」になり、そのときの貴重な体験を漫画で描きました。
奥田けいさんが妊娠糖尿病と聞かされたときの気持ちや、治療費用、食生活についてお話を聞きました。
※妊娠糖尿病……妊娠してできた胎盤から出る酵素やホルモンがインスリンの働きを妨げ、糖代謝異常が引き起こされる病気。
気にせず甘いものを食べていた妊娠中…まさかの妊娠糖尿病に
――奥田けいさんが、妊娠糖尿病と聞かされたときの気持ちを教えてください。
奥田けい「妊娠後期の血液検査で引っかかってしまいました。それまでは何も気にせずにおやつを食べたり、寝る前にアイスなどの甘いものを食べていました。妊娠糖尿病と聞かされたときは、赤ちゃんが無事に生まれてきてくれるのかが1番不安でした」
「妊娠糖尿病」と聞かされた瞬間
<おなかの中の赤ちゃんも危険だと知り…>
本当に妊娠糖尿病になってしまったんだと実感
<ショックを受けて号泣してしまった>
――妊娠糖尿病の治療費はどのぐらいかかりましたか?
奥田けい「病院によってまったくちがうので参考にならないかもしれませんが、私は血糖値を測るための針とセンサーというものだけで、ひと月に2万円かかりました。これが金銭的に1番キツかったです。さらに糖尿病科に診てもらう費用(2,000〜3,000円ほど)、血糖コントロールのための栄養指導にかかる費用、プラスの採血費用など……健康な妊婦さんでは必要ない費用がかかりました」
血糖値を測るための針とセンサーを購入
<しかたないけれど…1週間分で5,000円は痛い出費>
針とセンサーで1カ月2万円!
<妊娠糖尿病になってしまった自分を責めた>
食事制限を頑張る妻を見た夫が、大好きなお酒を禁酒
――まずは食生活に気をつけるようにしたとのことですが、食事制限のモチベーションを保つためのコツがあれば教えてください。
奥田けい「ガラス製のかわいい保存容器を購入して、ヘルシーなおかずを作り置きをするようにしていました。見た目がかわいいとやる気も起きました!
低糖質食品にはとてもお世話になりました!コンビニの低糖質シリーズのパンをたまに食べたり、スナックもあったりしたので娠糖尿病中でも案外楽しむことができました」
糖質制限中だけどおやつが食べたい!
<ソイラテと低糖質スイーツでティータイム>
我慢してきたから「おいしい…」
<罪悪感なし!低糖質スイーツに救われた>
――奥田けいさんが妊娠糖尿病になり、家族はどのような協力をしてくれましたか?
奥田けい「『ともに乗り越えたい』と、夫が好きなお酒を出産まで控えてくれたので『私1人で頑張らなくてもいいんだ』という気持ちになれてとても嬉しかったです。
夫は家族で外出中も、忘れっぽい私に『お昼の血糖値測った?』などさりげなくサポートをしてくれたり、料理をする際も私のことを思って砂糖を使わないメニューにしてくれたり、とても助かっていました」
なかなか血糖値が下がらないとき
<夫が一緒にお酒を我慢してくれると言ってくれた>
夫の気持ちがうれしくて心が軽くなった
<身近な人の理解と協力があって乗り越えられた>
最初は落ち込んだけれど…今は「予防ができる」と前向きに
――出産を無事に乗り越えましたが、産後は「妊娠高血圧症候群」や「境界型糖尿病」になってしまったとのことでしたが、生活面で今でも気をつけていることはありますか?
奥田けい「今でも野菜もしくはタンパク質から食べるようにして、血糖値を急激に上げないよう気をつけています。食後はすぐに寝たりせず、家事や軽い有酸素運動をするように心がけています!」
※妊娠高血圧症候群……妊娠20週以降、分娩後12週までの間に高血圧、または高血圧と尿たんぱくの症状がみられる場合に診断される。
※境界型糖尿病……“糖尿病”と診断されるほどの高血糖ではないものの、血糖値が正常より高い状態にあること。糖尿病予備軍。
健康維持に終わりはなし!
<境界型糖尿病と診断されてから運動と糖質制限をした>
――妊娠糖尿病になってしまい日々不安を募らせている妊婦さんも多いと思いますが、ひと言メッセージをいただけますか?
奥田けい「妊娠糖尿病と宣告されて不安な気持ち……とてもよくわかります。私は悲し過ぎて号泣しました。当時知りたかった妊娠糖尿病の体験談は調べてもでてきませんでした。
そんな不安な妊婦さんたちに『こんな人もいるんだ』と私のリアル体験談を見て、少しでも気持ちが楽になったり、笑ってもらえるとうれしいです!
お母さんがどれだけ、健康に気をつけていてもなってしまう可能性もあります。最初は落ち込みましたが『将来、糖尿病になりやすい体質』=『予防ができる』とわたしは前向きに捉えることにしました!愛しいわが子に『長生きしてね』と言われたら日々健康を意識して頑張るしかありません(笑)!
糖質だけでなく食事制限のしすぎは大変危険なので、無理せず血糖値コントロールをできる方法がみなさまに見つかりますように……」
「まさか自分が妊娠糖尿病になるなんて……」2人目の出産にして妊娠糖尿病を宣告されたときは悲しくて号泣してしまったという奥田けいさん。妊娠中はただでさえ気持ちも体も不安定なのに「自分のせいかもしれない」「赤ちゃんに何かあったらどうしよう」とさらに心配になってしまいますよね。お子さんを出産したあとも、予防のために健康管理には気をつけていると話してくれました。
書籍には糖質控えめレシピもたくさん載っています。奥田けいさんの貴重な体験が少しでも妊婦さんたちの役に立ちますように。(文・清川優美)
『2人目妊娠したら糖尿病になった話』
プロフィール /奥田けい
イラストレーターになることが諦めきれず、絵を描きインスタグラム(@ kei__okuda)に投稿し続けてイラストレーターに。書籍『月たった2万円のふたりごはん』がベストセラー。ウォーカープラスで『2人目妊娠したら糖尿病になった話』が連載中。
●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2023年6月の情報で、現在と異なる場合があります。
●医師の診断にしたがって治療を進めてください。