【医師監修】妊娠初期（妊娠2・3・4カ月）に気をつけることは？ やっていいこと・ダメなことＱ＆Ａ【ママの体の気がかり・妊娠前】

妊娠初期ママは、日常生活のいろいろなシーンで「おなかに赤ちゃんがいるのに、これってやっていいのかな？　ダメなのかな？」「これって妊娠中どうなの？」と気になることがあるはず。そんな疑問の数々を帝京大学医学部附属病院、総合周産期母子医療センター長、笹森幸文先生に聞きました。今回は、ママの体の気がかり「妊娠前」に関するＱ＆Ａです。

【Ｑ1】妊娠に気づくまで、毎日ビールを飲んでいました。胎児に影響は？

【Ａ】胎児に影響を及ぼすのは、妊娠がわかってからも大量に、そして長期にわたって飲み続けた場合や、キッチンドリンカー状態だったような場合です。妊娠がわかったあとにそのように飲んでいなければ大丈夫。妊娠前の飲酒は心配いりません。

【Ｑ2】妊娠前はヘビースモーカー。赤ちゃんに影響は？

【Ａ】妊娠前に吸っていたたばこの影響はありません。ただ、たばこは胎児に十分な酸素や栄養を届きにくくするので、赤ちゃんの発育に影響を及ぼしたり、流産・早産を招く心配もあります。強い決意を持って、禁煙をしましょう。

【Ｑ3】つわりと気づかず、市販の風邪薬を飲んでしまい、心配…

【Ａ】多くの場合、一度飲んだくらいなら問題ないことが多いですが、市販の風邪薬には妊婦さんが服用できるものとそうでないものがあります。心配な場合は、産院に連絡の上、その薬を持参して、主治医に相談しましょう。

【Ｑ4】ピルを服用していて、やめてすぐに妊娠。ピルの影響が心配…

【Ａ】ホルモン剤ということで心配になってしまうのですね。同じようなママもたくさんいますが、心配いりません。ピルに含まれているホルモンの成分は、妊娠中に分泌されるホルモンと同じものなので、赤ちゃんや妊娠経過に影響することはないのです。

【Ｑ5】妊娠に気づかず、腹部X線を撮ったので不安…

【Ａ】通常のX線検査であれば、赤ちゃんへはまず影響しません。ただし、大量に撮影した場合や、胃腸の透視診断を行った場合などは、撮影した時期や枚数などの詳細を主治医に話し、相談してみましょう。

【Ｑ6】妊娠前に性病を患っていましたが、妊娠に影響はありますか？

【Ａ】性病の種類にもよりますが、通常の妊婦健診で調べたり、おりものの変化で性病の有無はわかります。過去にかかった性病が再発し、その時期が分娩に重なると帝王切開になる病気もありますので、主治医には過去にかかった性病を伝えておきましょう。

【Ｑ7】妊娠前に非合法な薬物 （シンナー、危険ドラッグ）を使った経験がある場合、妊娠に影響はありますか？

【Ａ】危険ドラッグの成分には何が入っているのかわかりませんので、確実なことはいえませんが、基本的に薬物の成分は代謝されてしまいます。体内に残ったとしても数日間のこと。妊娠前の薬物が影響することはほとんどないでしょう。ただし、今後は絶対に使用しないでください。

【Ｑ8】妊娠前に複数の男性とつき合っていて、だれの子かわかりません…

【Ａ】父親を確定するために有効な手段はDNA鑑定ですが、これは産後にならないと調べられません。ただし、妊娠した時期は赤ちゃんの大きさを調べることで、ある程度特定できます。分娩予定日が確定したら、医師に妊娠時期も聞いてみてください。

参考／『初めてのたまごクラブ』2023年春号

●記事の内容は2023年5月の情報で、現在と異なる場合があります。