【医師監修】妊娠初期(妊娠2・3・4カ月)に気をつけることは? やっていいこと・ダメなことQ&A【ママの体の気がかり・妊婦健診】
妊娠初期ママは、日常生活のいろいろなシーンで「おなかに赤ちゃんがいるのに、これってやっていいのかな? ダメなのかな?」「これって妊娠中どうなの?」と気になることがあるはず。そんな疑問の数々を帝京大学医学部附属病院、総合周産期母子医療センター長、笹森幸文先生に聞きました。今回は、ママの体の気がかり「妊婦健診」に関するQ&Aです。
【Q1】施設によって、健診費用が違うのはどうして?
【A】妊婦健診は自由診療で医療機関ごとに費用を決められるからです。その上で最低限必要な検査を行っている施設と、プラスアルファの検査も行っている施設があります。たとえば、胎児を立体的に見られる超音波検査や、その映像の録画などがあれば、その分の費用は加算されます。
【Q2】妊婦健診は健康保険が適用されないけれど、健康保険証を持っていったほうがいい?
【A】妊婦健診そのものには健康保険は使えませんが、健診中に便秘や貧血などが見つかって改善・治療のための薬が処方されれば、それは保険適用となります。いつどんなことが起きるかわかりませんから、診察券とともに健康保険証は持参しましょう。
【Q3】おなかの赤ちゃんが無事かどうか不安。心配があったら、予約外でも受診していい?
【A】不安な気持ちはよくわかりますが、出血やおなかの張りなどとくに症状がなければ、次の健診を待ってみましょう。そのときにどんな不安があるか、どうして不安になるのかを主治医や助産師に話してみてください。
【Q4】中絶を経験していますが、主治医にわざわざ言わなくてもいい?
【A】過去に中絶経験があることは、妊娠経過を見ていく上で、重要な情報です。仮にパパに内緒の場合でも、そのことをスタッフがパパに伝えることはありませんから、主治医にはきちんと伝えてください。
【Q5】健診前日にお菓子やジュースを口にすると尿糖が出やすいですか?
【A】妊娠によって尿糖が出やすい状態になっています。それが妊娠糖尿病によるものかを調べる検査は別にあるので、正しく検査をするためにも、わざわざ糖分を控えたりせず、いつもどおりの食事をしてきてください。
【Q6】朝食を食べると尿糖がプラスになります。朝食抜きで受診すべき?
【A】現在の妊娠経過や体の状態を正しく知るため、いつもの朝と同じように食事をしてきてください。見た目の結果だけにこだわって、大切なことを見逃してしまうことのほうが心配。
【Q7】「尿にケトン体が出ている」と言われましたが…
【A】重症のつわりなどで体が極端な栄養不足になっているとき、尿にケトン体が出ます。少しずつ食べ物から栄養をとれればよいのですが、それが難しい場合は、点滴で栄養を補給することができます。主治医と相談しながら対策をしていきましょう。
【Q8】健診のたびに尿検査をしているけれど、診ている内容は違うの?
【A】定期健診で行われている尿検査では、毎回、尿糖と尿タンパクを調べています。毎回調べていくことで、体の変調があれば早めにわかります。
【Q9】症状が何もないのに糖負荷検査をすることに。なぜ?
【A】妊娠糖尿病の確認検査で、症状がなくても、全員にすることがすすめられています。検査結果によっては、さらに詳しい検査をします。
【Q10】内診で器具を入れられて、流産しないか心配…
【A】内診の刺激くらいで流産してしまうことはありません。そのような心配がないからこそ、産院では内診も診察に取り入れているのです。安心して受診してください。
【Q11】雨の日に転倒。ひざをついて、おなかは守ったけれど、産院に行くべき…?
【A】その後、おなかの張りや出血など、いつもと違う症状があれば受診を。とくになんの症状もなければ、しばらくは注意して様子を見ましょう。心配なときは産院に電話で相談を。
【Q12】母子健康手帳は、いつもらいに行けばいいの?
【A】赤ちゃんの心拍が確認できる妊娠7 週ごろ医師に指示されてからもらいに行く人が多いようです。自治体によっては診断書が必要な場合もあるので確認を。
参考/『初めてのたまごクラブ』2023年春号
●記事の内容は2023年5月の情報で、現在と異なる場合があります。