【医師監修】妊娠初期(妊娠2・3・4カ月)に気をつけることは? やっていいこと・ダメなことQ&A【美容の気がかり】
妊娠初期ママは、日常生活のいろいろなシーンで「おなかに赤ちゃんがいるのに、これってやっていいのかな? ダメなのかな?」「これって妊娠中どうなの?」と気になることがあるはず。そんな疑問の数々を帝京大学医学部附属病院、総合周産期母子医療センター長、笹森幸文先生に聞きました。今回は、ママの美容の気がかりに関するQ&Aです。
【Q1】美容院で、パーマをしてもいい?/美容院で、カラーリングや白髪染めをしてもいい?
【A】パーマやカラーリングなどは強めの薬剤を使っていることもあり、とくにカラーリング剤によるかぶれには注意が必要です。妊娠中は肌がかぶれやすくなることがあるので、事前にパッチテストを。低刺激の薬剤を使ってもらうのも一案です。また、施術時に気分が悪くなったらすぐに伝えるようにして。心配ならば妊娠中は控えましょう。
【Q2】わきの脱毛エステに行ってもいい?
【A】赤ちゃんに影響することはありませんが、妊娠中は肌が敏感になりやすいので、どうしてもということでなければ、出産後に行うことも考えてみましょう。レーザー脱毛などは断られることも多いようです。
【Q3】ネイル(マニキュア、ジェルネイルなど)を楽しんでもいい?
【A】赤ちゃんに影響はしませんが、医師は健診時や緊急入院時、お産のときなどに、つめの色で体の状態を判断することがあります。すぐにふき取れないものは、控えたほうがいいでしょう。
【Q4】日焼け止めは使っても大丈夫?
【A】日焼け止めが赤ちゃんに影響することはありません。ただし、妊娠中は肌が敏感な状態になっていることも多いので、一度試し塗りをして様子を見てから使い始めるとよいでしょう。
【Q5】女性ホルモンに似た働きの成分が入った化粧品(イソフラボンやザクロエキスなど)は妊娠中は使わないほうがいいですか?
【A】基本的に使っても問題ないと思いますが、女性ホルモンの効果を期待しているのであれば、妊娠中は十分に出ているので必要ありません。妊娠中は肌質が変わったり、敏感になったりする可能性があるので、肌に合う化粧品を使うようにしましょう。
【Q6】ヘアスプレーは使わないほうがいい?
【A】通常の使い方をするぶんには問題ありません。ただし、妊娠中は、においに敏感になったり、頭皮がデリケートになっていたりする可能性があるので、注意しましょう。
【Q7】まつげのエクステはOK?
【A】エクステそのものには問題ありません。万が一、帝王切開で全身麻酔になると、手術前に目にはったシールをはがすとき、エクステが引っ張られることがあります。
【Q8】歯のホワイトニングはダメ?
【A】ホワイトニング治療に使う過酸化水素水が赤ちゃんに与える影響はよくわかっていないので、歯科での治療は控えましょう。ホワイトニング成分の入った歯磨き剤はOKです。
【Q9】アロマセラピーで芳香浴してもいい?
【A】エッセンシャルオイル(精油)の中には、妊娠中に使えないものもあります。本格的にアロマセラピーを行う場合は、妊娠中の使用に詳しい専門店で相談してから行いましょう。
【Q10】アロマ系の石けんやシャンプーは使ってOK?
【A】石けんやシャンプーに含まれている程度なら心配はありません。ただ、妊娠中はにおいに敏感になり、それまでお気に入りだった香りが苦手になる場合もあるので注意しましょう。
【Q11】アロマの香りの入浴剤を入れて、入浴してもいい?
【A】妊娠中の体に影響を及ぼすことはないでしょう。快適だと感じるものを使ってください。ただし、妊娠前と香りの好みが変化していることもあるので気をつけて。
【Q12】マッサージや整体を受けてもいい?
【A】受ける場合は、子宮や卵巣、生殖器を刺激することもあるので、妊婦さんの扱いに慣れた、信頼のおけるところで施術を受けてください。専門知識がない人の自己流の施術はやめておきましょう。受けていて体調が悪くなったときにはすぐに中止を。
【Q13】マッサージチェアは使ってもいい?
【A】メーカーの説明書には「妊婦は使用不可」と書かれていることが多いでしょう。振動や圧力をかける部位など心配なこともあるでしょうから、妊娠中はやめておくのが無難です。マッサージは、自分で軽くほぐす程度なら構いません。
【Q14】足ツボマッサージは?
【A】専門家にマッサージしてもらいたいときは妊娠中に刺激してはいけないツボなどを熟知したところで。おなかの張りを感じたら中止を。
【Q15】はり治療やおきゅうはやめておくべき?
【A】妊婦さんの体をよく知っている専門家以外のところで行うのはやめておきましょう。専門家の指導なしに自分で行うのも、やけどや感染の心配があります。産後まで待ちましょう。
【Q16】半身浴や足湯で体を温めるのはOK?
【A】下半身をじっくり温めるのはいいことです。ただ、逆に上半身を冷やしてしまうこともあるので、妊娠中の体に負担のかからないように状況に応じて行いましょう。
参考/『初めてのたまごクラブ』2023年春号
●記事の内容は2023年5月の情報で、現在と異なる場合があります。