[妊婦さんのための住宅情報]新築は高すぎてムリ!でも中古なら買えるかも
住まいの購入を考えるとき、戸建にしろマンションにしろ、まず新築を思い浮かべる人が多いと思います。でも、「新築は高い! 高すぎる!」と購入をあきらめかけているとしたら、中古物件に目を向けてみてはどうでしょうか。不動産会社にお勤めで、ご自身も出産を機に、中古マンションを購入した山田由美さんに、中古マンションのメリットを聞きました。
築10年なら設備に新築との大きな差はない
山田さんは「購入する物件を新築か中古かで考えるとしたら、個人的には間違いなく中古派です」とはっきり言い切ります。
車にしろ、洋服にしろ、一度でも誰かが使った中古品は、ガクンと値段が下がります。マンションも同じで、新築の価格が高いのは、“新築である”というプレミアム料だといわれています。
「不動産業界の中には、買うなら10年落ちのマンションが一番いいと言う人もいます。“新築である”というプレミアム料金が10年でなくなり、マンションの実質的な価値と価格のバランスが取れるのが、築10年のマンションだという見方をしているんですね」と山田さん。
新築で売り出されるときの価格を頂点として、10年目までは一気に価格が下降し、その後はゆるやかに下がっていきます。
「築10年のマンションは、まだまだきれいですよ。浴室乾燥機やテレビモニター付きのインタ-フォンなどの設備類もこの10年くらいは、省エネ性がアップしたり、細かな使い勝手がよくなっている程度なので、新築に比べて“設備が古すぎっ!”と気分が落ち込むこともないと思います。キッチンの汚れが気になったら、リフォームすればいいですしね」
変化するライフスタイルに合わせて買い換えができる
住まいの購入は、一生に一度の大きな買い物と思われてきましたが、都心部では事情が少し変わってきているようです。
「私のお客さまの中には、家族のライフスタイルの変化に合わせて、わりと短い期間、例えば5年くらいでマンションを買い換えているかたたちがいます。もちろん中古マンションから中古マンションへの買い換えです」
確かに、子どもがひとりからふたりに増えたり、保育園から小学校に入学したり、夫が転職したりなど、ライフスタイルは変化します。遠い将来までの変化を見越して購入する方法もありますが、予想外の変化もあるでしょう。短いスパンで家族のライフスタイルに合わせて住まいを変えるのもアリですね。
ただし、買い換えがうまくいくためには、「売れるマンション」であることが必要になります。都心から離れて、最寄り駅から徒歩20分というような中古マンションは、売りにくいそうです。
「実は私も、今2歳になる娘が小学校にあがる前に、住み替えを検討しようと考えています。うちのマンションは駅から少し離れているんですが、近くに公園や病院が多くて、スーパーもある。不動産屋なので、売れる物件であることを押さえて購入しました。住み替えの場所は、今住んでいるところが好きなので、同じエリアで探すつもりです。というか、気になる物件があると内見しているんですけどね(笑)。これは職業病かな。でも一般の人でもたくさん物件を見ておくと、見る目が肥えてくるので、近所のオープンルームを内見するのはオススメです」
ずっと住み続けるなら新築マンションもアリ!
新築マンションを買った場合、一般的には買い換えが難しいといわれています。その理由は、新築であるというプレミアム料金がなくなるからです。購入したときと同じ価格では売れませんから、住宅ローンの残債によっては、自分でお金を準備しないといけない場合もあります。
「バブルのときに買った新築マンションが、売るときには3分の1の価格になってしまったという話は珍しくありません。買い換えを考えると新築は難しいけれど、その物件がすごく気に入って、ずっと住み続けるつもりなら、新築もアリ!です」
山田さんの友人で、オープンハウスを見学して新築マンションを購入した夫婦がいて、すごく満足して暮らしているそうです。ふたりの子どもが独立して、老後を迎えたら、そのマンションでは広いすぎるので、買い換えをするつもりだと話しているそうです。
「土地代くらいで売れればいいわって言ってます。建物の価値は年数とともに減っていきますが、土地の値段はゼロにはなりませんから。そのころには住宅ローンも完済しているでしょうから、安心ですね」
新築、中古、どちらのマンションにしても、購入を検討するときは、これからの家族のライフスタイルをじっくり考えてみることが大切ですね。(文・佐藤智砂)
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。