出産前に知って欲しい「これは陣痛?」「破水かも?」と思ったときの対処法【産婦人科医】
予定日が近づくと体の変化が現れ、「おしるし」や「前駆陣痛」などの前兆がある場合も。そして、陣痛か前期破水でお産が始まります。お産の始まりであわてないために、育良クリニック院長・浦野晃義先生と助産師の今井咲さんに聞きました。
「陣痛かな?」と思ったら
「陣痛かな?」と思ったら、時計やアプリで間隔を計って10分間隔になったら産院へ連絡を
お産の始まり1 陣痛
赤ちゃんが生まれてくるためには、子宮が収縮をして赤ちゃんを押し出さなければいけません。この子宮収縮の痛みを陣痛といいます。
1時間に6回以上、または10分間隔の痛みになったら陣痛のスタート。痛みは徐々に強くなり、痛みの間隔はだんだん短くなっていきます。最初はばらばらで、必ずしも10分間隔から始まるわけではありません。
陣痛が始まらない場合どうなる?
妊娠37週に入ったらよい陣痛が来るように、歩いたり積極的に動いたりしましょう。妊娠41週前後には、赤ちゃんにトラブルが発生するリスクも高くなるので、入院して経過をみる、陣痛を誘発する、人工的に子宮口を開くなど、お産を進めることもあります。
お産の始まり2 前期破水
陣痛が始まる前に赤ちゃんを包む卵膜が破れて羊水が流れ出るのが前期破水。流れ出る量はさまざま。破水をするとお産が進みやすく、感染の可能性もあるため、すぐに入院となります。あわてずに対処しましょう。破水かと思ったらとにかく産院に連絡を。
【破水かも!と思ったときの対処法】
生理用ナプキンを当てる
少しずつで続ける場合はもちろん、いったん止まっても、清潔な生理用ナプキンを念のため当てておきましょう。始めは少量でも量が増えることもあるので夜用がおすすめ。
バスタオルを巻き安静に
体を動かすとかなりの量が出る可能性も。念のためバスタオルを腰に巻いて、横になって様子をみます。羊水が出続ける場合は、横になっているときにおしりを高くして。
シャワーやおふろはNG
破水した場合に心配なのは、細菌感染です。水を介して雑菌などが腟から侵入するのを防ぐために、「破水かな」と思ったら入浴やシャワーはせずに産院に連絡をしましょう。
タクシーor車で産院へ
破水で産院に行くときは車で。家族がいない場合もあるので、”陣痛タクシー“の申し込みや利用できる送迎サービスがあるかなど、事前に調べて登録を。
監修/育良クリニック 院長・浦野晃義先生 監修/今井 咲さん 取材・文/たまごクラブ編集部
お産は何で始まるかわかりません。知識を備えて、その日を迎えましょう。
育良クリニック 院長・浦野晃義先生、助産師・今井 咲さん
PROFILE
お母さんと赤ちゃんの「産み生まれる力」を大切にしているクリニック。「コロナ禍で直接お話しできる機会が減っていますが、不安なことがあれば、いつでも声をかけてください」
参考/『後期のたまごクラブ』2025年冬号「お産が始まったら! 4つのルール」
●記事の内容は2024年10月の情報で、現在と異なる場合があります。
『後期のたまごクラブ』2025年冬号には「お産が始まったら! 4つのルール」特集があります。