【産科医に聞く！】“妊娠線”ってなぜできるの？　できたらどうなる？

妊娠すると「妊娠線ケアを！」と言われることも多いと思いますが、“妊娠線”ってどんなものか知っていますか？　どうしてできるかわかると、妊娠中に必要なケアが見えてきます。

妊娠線ができた人はどのくらいいるの？　先輩ママに聞きました

たまひよが行った妊娠後期から産後ママたちへのアンケート(アプリ「まいにちたまひよ」にて、妊娠8カ月から産後の方976人に調査。2025年8月実施)では、妊娠線が「できた」人は全体の約40％弱。また、できた場所はおなかだけではないこともわかりました。おなかに次いで、太もも、おしり、バストなどにもできた人がいるようです。

“妊娠線”って何？　できたらまずいことがある？専門医に聞きました？

できないほうがうれしい“妊娠線”。でも、「妊娠線ってどうしてできるの？」「できると何かまずいことが？」。　知っているようで知らない妊娠線の“？”を、産婦人科専門医であり、美容皮膚科クリニックの理事長でもあるママ医師が解説します。

妊娠線ってどうしてできちゃうの？

急激に体重が増えた人の肌に見られる白いひび割れのような「肉割れ」と、メカニズムは同じ。妊娠によって体形が急激に代わると、その変化に追いつけなくなった真皮に亀裂が入ります。できたばかりの亀裂は、肌表面の表皮から透けて、赤紫色の線に見えます。

妊娠線ができるとおなかの赤ちゃんに影響はある？

できてもできなくても、赤ちゃんへの影響はありません。ただし、妊娠線ができるのは急激な体形の変化が原因なので、医療者の指導に従って適正に体重の管理をし、体形の変化をゆるやかにしていくことは予防対策の一つになるでしょう。もちろん、おなかの赤ちゃんの成長には食事からの栄養摂取が重要なので、妊娠中のダイエットはNGです！

妊娠線は、一度できたら、一生消えないの？

最初は赤紫に見えている妊娠線も、産後しばらくすると白っぽく変化するため、かなり目立ちにくくなります。でも完全に消えることはありません。妊娠線ができてからあわててケアをしても、現状より増やさない対策にはなるかもしれませんが、消すことはできません。

妊娠線ができる人と、できない人の違いって？

産科で診察をしていたとき、妊娠前からボディの保湿ケア習慣があった人は、妊娠線ができにくい傾向にあると感じていました。柔軟性のある皮膚であれば、体形の変化に合わせて伸びやすくなる可能性があります。柔軟性のある皮膚は、日々、保湿ケアを習慣にすることで手に入れられます。

監修／浜田病院理事長・院長、東京美容クリニック表参道本院理事長・山村菜実先生　取材・文／秋葉樹代子、たまごクラブ編集部

できれば妊娠線をつくりたくないな…と思っているなら、なるべく早く、いえ、今すぐ対策を始めましょう。体形に合わせて伸びやすい肌には、継続的な保湿ケアが効果的です。

山村菜実先生

浜田病院(医療法人財団小畑会)理事長・院長、東京美容クリニック表参道本院理事長。慈恵医大で産婦人科専門医として活躍後、東京美容クリニックを開院。婦人科と美容を融合させた” フェムキュア施術“を行い、女性の悩み全てに寄り添うていねいなカウンセリングにファンも多い。著書『子宮を愛してあげよう』(現代書林)が好評。2児のママ。

参考／『初めてのたまごクラブ』2025年冬号「妊娠線をつくらないための　図解“徹底保湿ケア”」

●記事の内容は2025年11月の情報で、現在と異なる場合があります。

『初めてのたまごクラブ』2025年冬号には「妊娠線を作らないための　図解“徹底保湿ケア”」特集があります。