SHOP

内祝い

  1. トップ
  2. 妊娠・出産
  3. 妊娠中の暮らし
  4. 2才までにほぼ100%が感染。「RSウイルス感染症」、赤ちゃんを守るために妊娠中からできることって?

2才までにほぼ100%が感染。「RSウイルス感染症」、赤ちゃんを守るために妊娠中からできることって?

更新

生後6カ月ごろまでの赤ちゃんは、ママから受け継いだ免疫があるため、病気にかかりにくいというイメージがあるかもしれません。しかし、生後すぐに感染すると重症化する可能性があるRSウイルス感染症という病気があります。赤ちゃんが感染するとどのような症状が出るのか、また予防対策について、北里大学医学部産婦人科学講師の服部響子先生に聞きました。

ほぼすべての子どもが2才までに感染する「RSウイルス」って?


服部先生(以下敬称略) RS ウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる感染症で、発熱・せき・鼻水など一般的な風邪症状が現れます。RSウイルスは世界中に存在するウイルスで、せきやくしゃみによる飛沫感染や、ウイルスがついたものに触れることによる接触感染でうつります※1。生後すぐの赤ちゃんから大人まで、だれもが感染する可能性があり※2、2才までにほぼすべての子どもが感染するといわれています※3

高齢者をのぞき、大人が感染してもほとんどが軽症で済みますが、赤ちゃんが感染すると重症化するケースがあるため、注意が必要な感染症です。

国内では毎年約12万〜14万人の2才未満児がRSウイルス感染症と診断されています。また、RSウイルス感染で医療機関を受診した2歳未満児のうち、約25%が入院し、そのうち6カ月未満が約40%を占めていたというデータもあります※4
とくに生後6カ月未満の赤ちゃんは重症化する可能性が高いです※4

流行状況は?「RSウイルス感染症」について詳しく知りたい方はコチラ

妊婦さんや赤ちゃんが感染するとどうなる?重症化って?


服部 RSウイルス感染症は一度かかったら二度とかからないというものではなく、くり返しかかるもの。妊婦さんが感染することもありますが、多くは数日の風邪症状が続いたあと、自然と軽快します。健康な大人は重症化することはほとんどありませんが、妊娠中は体調の変化が著しい時期のため、予防対策が大切です。

一方、赤ちゃんがRSウイルス感染症に初めてかかった場合、約7割は数日のうちに軽快しますが、約3割ではせきが悪化し、喘鳴(ぜんめい=ゼーゼーと呼吸しにくくなること)や呼吸困難、気管支炎の症状がみられます。また1才以下では中耳炎の合併もよくみられます。

さらに深刻な合併症として注意すべきものに、無呼吸発作、急性脳症などがあり、日本小児科学会も予防の医学的重要性について見解を示しています※5。こうした重い症状があらわれると、入院が必要になったり、人工呼吸などの集中治療を受ける必要が生じたりします。

RSウイルスに感染して入院した2歳未満の児の90%以上は基礎疾患がありません。つまり基礎疾患がなくても入院するリスクがある※4、決して軽視できない感染症なのです。

妊娠中から知っておきたい!赤ちゃんのために、どう防ぐ?


服部 RSウイルス感染症に対する治療薬はなく、症状をやわらげるための対症療法が中心となります※1。重症化した場合には、入院して酸素投与や点滴をしたり、呼吸が苦しいようであれば、人工呼吸器で呼吸をサポートすることになります。

赤ちゃんが重症化しないためには、まずはRSウイルスへの感染を予防すること、また感染した場合でも軽症で済むように備えることが大切になってきます。
そのための予防対策としては次の3つがあります。

予防対策【1】 普段の生活の中でできる基本対策


服部 RSウイルスは接触感染と飛沫感染でうつります。日常での手洗い、アルコール消毒、マスク着用、人混みに必要以上に行かないなどが、基本的な予防対策です※1

赤ちゃんは自分で予防できないため、周囲が注意してあげることが重要です。せきや鼻水がある家族がいる場合は、赤ちゃんに近づかないようにしましょう。とくに、上のお子さんが保育園や幼稚園などに通っていたり、家族が小さい子どもと触れる機会の多い職場にお勤めで、RSウイルス感染症が流行していたりする場合は、注意が必要です。

また、赤ちゃんが日常的に触れるおもちゃ、手すりなどを小まめにアルコールや消毒剤等で消毒することも予防対策になります。

予防対策【2】 妊娠中にRSウイルス母子免疫ワクチンを接種


服部 2つめは、妊娠中のRSウイルス母子免疫ワクチン接種による予防対策です。RSウイルス母子免疫ワクチンは定期接種が始まっています。
このワクチンを妊娠中に接種すると、お母さんの体内にRSウイルスに対する抗体がつくられます。その抗体が胎盤を通じておなかの赤ちゃんに移行します。これは、お母さんの抗体が母乳を通して赤ちゃんに伝わる場合と同様に、お母さん由来の抗体によって赤ちゃんが守られる「母子免疫」という考え方に基づいています。
このように、赤ちゃんのためのRSウイルス感染症予防対策は、生まれてからだけではなく、生まれる前から始められるものもあります。

*定期接種とは、予防接種法で定められた、原則自己負担なし(公費負担)で受けられる予防接種のことです。対象となる方はお住まいの自治体や医療機関にご確認ください。

予防対策【3】 赤ちゃんに抗体薬を注射


服部 3つめの予防対策は、赤ちゃんが生まれてから抗体薬を直接、注射することです。 RSウイルスに対する抗体薬があり、それを投与することでRSウイルス感染症を予防・あるいは重症化を抑制する効果が期待できます※1

現在、抗体薬の保険適用は、早産児や基礎疾患をもつなどハイリスク児に認められています。投与できる対象や回数など、気になる方は小児科医に相談してみましょう。

生まれてくる赤ちゃんのためにママとパパができることって?

【服部先生より】赤ちゃんが重症化しやすい病気や予防対策の正しい情報にアクセスできるようにすることも出産準備です


服部 当院では、RSウイルス感染症や予防対策について、パンフレットや病院専用のアプリでアナウンスしています。

外来にいらっしゃる経産婦さんの中にはRSウイルス感染症について、「上の子もかかったけど、軽症だったから下の子もきっと大丈夫」という認識の方も見かけます。ですが、上のお子さん経由で感染することもありますし、重症化して入院した場合、付き添い等で、家族に負担が生じることも考えられます※6。予防対策について、気になる方は産婦人科医に相談してみてください。

赤ちゃんに大きな影響を及ぼす病気や予防対策について、妊娠中から正しい情報にアクセスできるようにしておくことは、お母さんになる準備として大事なところではないかと思います。

妊婦さんご自身と赤ちゃん、ご家族のことですから、心配なことは、私たち産婦人科医にぜひ直接相談していただきたいですし、日本産科婦人科学会や日本小児科学会などが発信している正しい情報を見て、納得して選択してほしいと思いますね。

※1 厚生労働省: RSウイルス感染症Q&A(令和6年5月31日一部改訂(2026年3月27日時点)より
※2 国立感染症研究所: 病原微生物検出情報35(6): 137, 2014より
※3 堤裕幸: ウイルス 55(1): 77, 2005より
※4 Kobayashi Y et al.: Pediatr Int 64: e14957, 2022より
※5 RSウイルス母子免疫ワクチンに関する考え方|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY(2026年3月27日時点)より
※6 関根英輝ほか: 新薬と臨牀 73(6): 557, 2024

「RSウイルス感染症」日常における注意点とは?

服部響子先生

PROFILE
北里大学医学部産婦人科学講師。2007年北里大学医学部卒業。社会保険相模野病院、北里大学医学部助教を経て2025年より現職。日本産科婦人科学会認定 日本産科婦人科専門医・指導医、日本周産期・新生児医学会認定 周産期(母体・胎児)専門医。


●記事の内容は2026年5月の情報で、現在と異なる場合があります。

ABR45Q038A
2026年5月作成

提供/ファイザー

新着記事
ABJマーク 11091000

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第11091000号)です。 ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら→ https://aebs.or.jp/

本サイトに掲載されている記事・写真・イラスト等のコンテンツの無断転載を禁じます。