【専門家監修】授乳パジャマ・マタニティパジャマは必要!? 知っておきたい購入時のポイントは?
マタニティ期から産後の授乳期まで活躍する授乳パジャマ。ほとんどが上下セットで販売されていて“マタニティパジャマ”“マタニティ授乳パジャマ”と呼ぶ人も多くいます。でも、「パパのTシャツとスエットで代用できるのでは!?」と思っている妊婦さんやママもいるかもしれませんね。通販サイトやベビー用品専門店では、マタニティパジャマの品ぞろえが豊富ですが、これにはワケがあるんです。授乳パジャマが必要な理由やその特徴、選び方のポイントなどを、助産師の小澤千恵先生にアドバイスしていただきました。
何に役立つの? 授乳パジャマが必要な理由は?
なぜ、授乳パジャマは妊娠中から産後のママに必要なのでしょう。ゆったりしたウエアでの代用では、どのようなときに「困った!」となるのか。授乳パジャマが必要な理由を説明します。
授乳パジャマは絶対必要? マタニティパジャマと兼用できるの?
マタニティパジャマは妊婦さんが着用するパジャマのこと。もっとも出番が多いのは、お産入院中の数日ですが、産後の授乳にもとても役立つことから“授乳パジャマ”と呼ばれることが多く、どちらも同じものです。出産準備品をそろえるタイミングで、妊娠後期ごろに購入する妊婦さんが多く見受けられます。お産入院中は、ベッド上での内診や授乳も頻繁になるため、前開きで丈長のトップスとパンツの組み合わせのものを選ぶのがおすすめです。一日中着用することが大半なので、入院中のスケージュールを確認した上で2~3枚は用意しておくと安心でしょう。では、授乳パジャマが必要な理由を詳しく見ていきます。
【必要な理由】
その1 妊娠中のリラックスタイムに最適なサイズ感
妊娠すると、バストもおなかも出産に向けて大きく変化します。個人差はありますが、妊娠中期以降は、とくにふくらみを増すようになります。最近では、体調に留意しながら仕事を続ける妊婦さんも多くみられますが、自宅では体調を整えるためにもゆったりすごしたいものです。そんなリラックスタイムには、バストの変化にも対応し、おなかのふくらみにもやさしくフィットする“授乳パジャマ”が活躍します。素材、色、デザインなどラインナップが豊富で自分の好みのものが選べるので、気分が上がってリラックスタイムがいっそう楽しい時間になるでしょう。
【必要な理由】
その2 お産入院中は授乳パジャマで過ごすケースがほとんど!
なんらかのトラブルや治療がある場合を除き、多くの妊婦さんは妊娠37~41週までの「正期産」にお産入院し、7日程度を目安に退院するのが一般的です。授乳パジャマを用意してくれる産院もあるので、確認は必要ですが、無事に出産を終えて退院するまでは授乳パジャマで過ごすため、お産入院時は必要不可欠といえます。
【必要な理由】
その3 お産入院中の母体ケアがスムーズにできる
入院中は、母乳の出をよくするために乳房の状態をチェックしてもらったり、体調確認で診察することが頻繁にあります。このとき、簡単に胸元がサッと開く、前開きの授乳パジャマがとても重宝します。自然分娩の場合、会陰切開の傷口のケアを行ったり、悪露(おろ)の状態なども確認します。授乳パジャマは着丈が長くおしりがすっぽり隠れるので、パンツを脱いで診察するときに下半身の露出があまり気になりません。産後すぐの悪露は通常の生理よりも出血量が多いため、下着からもれてしまうこともあります。着丈が長ければ、おしりまわりをカバーできて安心です。
【必要な理由】
その4 お産入院中や自宅で安心して授乳できる
お産入院中や退院後は、誕生した赤ちゃんやママと面会するため、親族や知人などが訪れることも少なくありません。生後0~2ヶ月ごろまでの赤ちゃんは「泣いたら授乳」が基本。授乳中に男性が訪れる可能性もあります。授乳パジャマは、乳房の辺りに開閉可能な「授乳口」がついているため、乳房があらわになることなく授乳できる点もメリットです。
【必要な理由】
その5 ママの体を冷やしたり、赤ちゃんを待たせずに授乳できる
生後28日未満の新生児や生後1~2ヶ月ごろの赤ちゃんは「泣いたら授乳」が基本です。そのため、夜中でも授乳することがあります。季節にもよりますが、夜中は室内もひんやり感じることがあるでしょう。かぶりのパジャマでは、前身頃の裾をまくって赤ちゃんにおっぱいを吸わせることになるので、ママの体が冷えてしまうことも。また、ウエアの着脱などに手間がかかり、おっぱいを吸いたい赤ちゃんを待たせることになります。授乳パジャマは着たままで乳房を出せてすぐに授乳できるので、真冬の夜中でも寒い思いをせずにスムーズに母乳を与えられます。
どんなつくり? おすすめ通販は? 授乳パジャマの特徴と賢い選び方に注目
「ネグリジェと授乳パジャマは、授乳口の有無しか違いがないのでは?」 一見すると、一般的なネグリジェとそれほど差異を感じない授乳パジャマ。ところが、妊婦さんや産後のママの生活をサポートするうれしい機能がたくさんあります。どんな機能があるのか、その特徴と賢い選び方について詳しく解説します。筆者おすすめの通販サイトもチェックしてくださいね。
授乳パジャマの特徴と選ぶときのポイントをクローズアップ!
特徴1
前開きデザイン
前開きのデザインはトップスを脱がずに診察できるため、寝たままでの診察もラクラク! お産入院時に、産院から前開きのものを準備するようにと指定されることも多いようです。
★選ぶときはココをチェック!
前開きで開閉がスムーズにできるかどうかを確認すると安心です。
特徴2
ポケットがついている
ガーゼやハンカチなどを入れておけるポケットつきもうれしいポイント。入院中に診察室へ移動するときなどにも役立ちます。
★選ぶときはココをチェック!
デザインによってはポケットがないものもあります。おしゃれかどうかだけで選ばないように注意しましょう。
特徴3
股上が深くお腹をすっぽり包み込む仕様
おなか側はゴム不使用。背中側にだけゴムがあるので、肌当たりを気にせず快適に過ごせます。
★選ぶときはココをチェック!
妊娠中から産後のママの体形や素材によっては、大きすぎたりおなかをすっぽり覆わない場合も。とくに、ぽっちゃり派ママやスリム派ママは、パンツのウエストサイズをしっかり確認しましょう。
特徴4
オシャレでかわいいデザイン
お産入院から退院後は、かわいい赤ちゃんやママに会いに、親戚や友人が訪ねてくることも多い時期。「いかにもパジャマ」と思える身だしなみで面会したり、記念写真を撮るのは控えたいものです。授乳パジャマは、ルームウエア風のおしゃれでかわいいデザインが豊富にあります。
★選ぶときはココをチェック!
かぶりタイプや浴衣のように胸元が交差したカシュクールタイプなどもあります。入院中の生活や授乳タイムをイメージし、自分にとって使い勝手がいいかを考えた上で選びましょう。
特徴5
トップスの着丈が長い
お産入院中は、内診があったりママの乳房の状態を確認するなど、ズボンを着脱することが多いです。内診のときはパンツを脱ぐこともあるため、トップスの着丈が長いものが大半です。
★選ぶときはココをチェック!
通販サイトで購入するなら着丈の長さを必ず確認しましょう。店頭なら服の上からトップスをあてて、おしりまわりまでカバーする長さかどうか見てみましょう。
素材は? 長袖がいいの? 何枚必要? 授乳パジャマは何を何枚?
通販サイトや店頭などに出回る授乳パジャマは、季節に応じて素材や袖の長さなども多少変わります。とはいえ、お産入院中の病室は、生後すぐの赤ちゃんの体調を第一に考え、室温は年間を通じて24~26度、湿度は50~60%に設定している産院が多いようです。春夏出産ママと秋冬出産ママに最適な授乳パジャマの素材、袖の長さ、枚数について、助産師の小澤千恵先生に伺いました。入院中の室内環境や過ごし方を踏まえた、うれしいアドバイスが満載です。
【春夏出産ママの場合】
●おすすめの素材
妊娠中や出産後は、肌がデリケートになるママもいます。肌への刺激が少ない綿素材はおすすめです。入院中の病室は、赤ちゃんの体温調節のために少々暖かく感じることがあります。さらに、不慣れな抱っこや頻繁な授乳、赤ちゃんの沐浴などで汗ばむこともあるかもしれません。サラッとした肌触りで吸汗性のあるものを選ぶと安心でしょう。
●おすすめの袖の長さ
半袖を基本として、春先や梅雨の時期などのひんやりする日は羽織り物で調整するといいでしょう。生後すぐのおむつ替えは頻回なため、手洗いの回数も増えます。長袖であれば、袖がまくれるようなつくりだと便利かもしれませんね。半袖・7分袖・パンツの3点セットパジャマなども、気候に応じて使えて便利でしょう。
●おすすめの枚数
産院によっては授乳パジャマの用意があるところもあるので、事前に確認するといいでしょう。普通分娩でとくにトラブルがなければ、入院から7日以内に退院するママと赤ちゃんが多いです。家族が毎日面会に来て洗濯のサポートをしてくれる場合、2~3枚あれば間に合うでしょう。
【秋冬出産ママの場合】
●おすすめの素材
新生児の赤ちゃんは体温調節機能が未熟で、部屋の温度に左右されやすい特徴を持っています。そのため、時期によっては多少低めに感じることもあるかもしれませんが、病室の温度は基本的に1年を通じて同じ温度に設定されています。秋冬には厚手の素材の授乳パジャマを選びたくなりますが、春夏同様に肌にやさしい綿素材でいいでしょう。赤ちゃんを抱っこしたり授乳しやすい、伸縮性のある素材がおすすめです。
●おすすめの袖の長さ
基本は長袖でいいでしょう。暑がりのママは、7分袖や袖がまくりやすいものを用意してもいいかもしれません。朝晩で温度差がある時期や寒さが厳しくなる冬は、羽織り物や下着などで調節しましょう。
●おすすめの枚数
産院からお産入院に必要なグッズの指示があるので、それに従って用意しましょう。一般的に入院生活は7日程度です。家族が洗濯に協力的で、洗ったものを毎日持ってきてくれる場合、2~3枚の用意があれば十分でしょう。
筆者おすすめ! お気に入りの授乳パジャマが見つかる通販サイトをチェック
「妊娠・出産にまつわるグッズ購入はネット注文が多いかな~」そう答えるネット購入派が主流であることから、筆者が妊婦さんやママから聞いた人気の通販サイトを紹介します。各サイトでは独自のおすすめ人気ランキングやキャンペーン価格での販売など、うれしい情報も見つかるはず! 選ぶときの参考にしてくださいね。
●エンジェリーベ
オフィスカジュアルとしても使えそうな授乳服レベルのパジャマもたくさんあります。自分好みのトップスやパンツの丈が選びやすい点も妊婦さんやママたちのポイントが高い❤
●楽天市場
激安商品から高価なパジャマまで、アイテム数がとにかく豊富。お気に入りが見つかること間違いなし♪ 購入時期によっては、楽天ポイントがたくさんたまるのもうれしい。
●ベルメゾン
多数の口コミレビューが選ぶときの参考になるサイト。出産準備品をまとめ買いすると割引サービスになる時期がある点も妊婦さんやママたちから大好評。
●ニッセン
プチプラながらおしゃれでかわいいワンピース風のトップスとパンツの上下セットがそろう魅力的なサイト。写真映えするアイテムが見つかるという声も多いです。
●たまひよSHOP
肌触りにこだわった快適素材から安くて使い勝手のいいものまで、1人1人のママ合った授乳パジャマが見つぁるネットショップ。妊娠中から産後の授乳期まで、心地よく過ごせるパジャマ選びはココにおまかせ!
用意してよかった? おすすめは? 先輩ママの「授乳パジャマ買って正解!」ボイス大公開
Oksana_Bondar/gettyimages
すでに授乳パジャマをヘビロテした先輩ママたちは、その使い心地をどのように感じているのでしょう。「授乳パジャマを買ってよかった!」と思った場面やおすすめのデザインなど、知って得する先輩ママの生の声をお届けします。
入院中の母乳マッサージで大活躍! 前開きはすぐにしたくができて便利(2歳と5ヶ月のママ)
上の子を出産した産院は入院準備品として前開きの授乳パジャマが指定だったので、2枚用意しました。たぶん、授乳パジャマはほとんどが前開きかもしれませんね。お産入院中は、助産師さんが毎日母乳マッサージをしてくれたので、おっぱいが出しやすい前開きパジャマがとても便利でした。かぶりのパジャマだったら、その都度脱がなくちゃいけなくて大変だったな、と思います。
丈長トップスはワンピ代わりに使える! 帝王切開の傷口に触れないからラク♪(4歳のママ)
トラブルがあり、予定外の帝王切開での出産に。おなかの傷口は、パンツのゴムがあたると結構痛かった~。なので、パンツははかず、授乳パジャマのトップスをワンピースのように使いました。これが本当に助かった~!!前開きのものは、診察やおっぱいマッサージをラクに受けられておすすめです。赤ちゃんとママだけのときは、前ボタン全開にして授乳。このほうがわが子の顔が見られて安心でした。うちの子は冬生まれですが、産院は病室も廊下も暖か。厚着しなくても大丈夫だと思いますよ。
授乳室で授乳する産院で出産。おっぱいまる見え防止に授乳パジャマは外せない!(2歳7ヶ月のママ)
私が出産した産院は母子別室。入院中は授乳室で授乳するスタイルだったので、ほかの赤ちゃん&ママの目が気になりました。授乳口つきのパジャマは乳房がまる見えになることがないから、安心して授乳ができてとてもよかったです。退院して自宅に戻ってからは、真夏だったこともあり、乳房をまる出しの授乳スタイル(笑)。でも、友だちが来たときなどは、授乳口を開いておっぱいをあげることができるから、やっぱり授乳パジャマは必要だと思います。
ひざ丈トップスは入院先のシャワー室への行き来がしやすい(7歳と2歳のママ)
上の子のころから“前開き”“ひざ丈”の授乳パジャマを用意するように産院に指示され、下の子の出産でもそうしました。入院中の入浴は共用のシャワー室で済ませたのですが、ひざ丈ワンピ風のトップスならパンツをはかなくても行き来できてとてもラク! 自然分娩でも会陰切開の傷口はじんわり痛みを感じ、パンツをはくのはひと苦労…。ふくらはぎくらいの丈長だと洗濯して乾きにくいかもしれないので、ひざ丈おすすめです!
妊娠中とお産入院、産後の授乳期に重宝する授乳パジャマ。とくにお産入院のときが便利そうですね。一方で赤ちゃんとの生活に慣れてくると、日中は手持ちのトップスとパンツを着用し、乳房をあらわにしておっぱいを吸わせたほうが、赤ちゃんの様子がわかって安心するというママも少なくありません。購入するときは「いつ・どこで・どのように使うのか」ということも念頭に置き、お気に入りの色や素材、デザインなどを選ぶと失敗がないでしょう。(取材・文/茶畑美治子)
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初回公開日 2018/10/18
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