破水後にお風呂に入るのは? 結婚指輪つけたままは?初めて出産のやりがちNG行動と回避策
お産の進み方は、100人100通り。だけど、初めて出産の人がつまずいてしまうのは、意外と同じところなんです。お産のありがちNG行動を回避するためのコツをご紹介します。
「お産の始まり~入院までのNG行動」回避テク
お産は、いつ、どこで、何から始まるのかわかりません。自分がイメージしていた始まり方と違ったために、気づかない人やパニックになる人も。あわてず対処できるように、いくつかのパターンを想定しながら準備しましょう。
NG行動1「パニックになる」
妊娠37週以降は「正期産」。いつお産が始まってもおかしくありません。そして、お産は陣痛から始まるとはかぎらず、予兆としておしるしがあったり、前期破水から始まることもあります。おしるしや破水のあと、すぐに赤ちゃんが生まれるわけではないので、落ち着いて対処して。「まず、破水したことを産院に知らせる」など、適切な行動がとれるように、お産の流れをしっかり予習しておくことが大切です。外出先で破水しても困らないように、妊娠37週以降の外出には夜用ナプキンを携帯するようにしましょう。
⇒回避テク…破水からお産が始まる場合も想定しておく
NG行動2「入院準備ができていない」
お産が早まることもあるので、入院準備は36週ごろまでにしておくと安心です。産院によって必要なグッズは異なるので、事前に確認し、バッグにまとめておきましょう。また、産院までの交通手段や、入院時の段取りを家族と共有しておくことも大切。産院によっては、分娩時専用電話番号があるところもあります。
さらに、「指輪をはずしておく」「手と足のネイルを落としておく」といったことも忘れずに。指輪はむくみで抜けなくなることがあるので、むくみやすくなる前、おそくとも32週までにははずして。また、お産のとき、つめの色も健康状態のバロメーターになります。
⇒回避テク…36週までには入院準備を終えておく
NG行動3「産院に行くタイミングが遅い」
陣痛から始まったお産の場合、「初産なら陣痛間隔5~10分」、「経産婦なら陣痛間隔10~15分」が入院するタイミングの目安になります。しかし、いつ産院に行くのかは、妊娠経過、赤ちゃんの大きさ、産院までの所要時間、気象状況などによって、一人一人異なります。出産予定日が近づいてきたら、自分の場合は「どんな状況になった産院に電話するのか」「どのタイミングで産院に行くのか」を確認して。破水した場合は、細菌感染のリスクがあるので入浴は避け、すぐに産院に連絡して入院になります。
⇒回避テク…入院のタイミングを、産院に事前に確認
「入院~陣痛中のNG行動」回避テク
今まで経験したことのない痛みでパニックになり、無意識のうちにお産を妨げる行動をとってしまう人も多いようです。そうなると、お産は長引き、ママも赤ちゃんも必要以上に大変な思いをすることになってしまいます。これからご紹介する陣痛中のNG行動を回避することが、お産を順調に進めるコツにつながります。
NG行動1「体に力が入りすぎる」
痛みのせいで体が緊張すると、産道までかたくなってしまい、お産が停滞する原因に。また、陣痛の波がピークに近づいてくるといきみたくなりますが、子宮口が全開大になる前にいきんでしまうと、赤ちゃんが産道で圧迫されて苦しくなってしまいます。
お産をスムーズに進めるためには、できるだけ体の力を抜くことが大切です。そのために、自分がリラックスできる方法を見つけておきましょう。体を温めたり、パパにマッサージしてもらうのも効果的。陣痛中に使いたいグッズ(抱き枕、ビーズクッション、アロマグッズ、音楽など)がある場合は、持ち込み可能かどうか、産院に事前に確認を。
リラックス法の例
・ラクな姿勢をとる(抱き枕、ビーズクッション など)
・アロマや音楽
・腰や脚を温める(カイロ、モコモコ靴下 など)
・マッサージ(腰をさする、ふくらはぎをもむ など)
⇒回避テク…リラックスできる方法を準備
NG行動2「無駄に体力を消耗する」
陣痛と陣痛の間には、痛みが引く時間が必ずあります。たとえ数分間でも、眠れそうなときは横になってウトウトするのが、体力を温存するコツ。スマホのアプリで陣痛間隔を測り続けているママもいますが、それだと気が休まりません。分娩時にしっかりいきめるように、体力を温存して。また、空腹だと気力も体力も失せてしまいます。横になったままでも口にしやすい、小さいおにぎりや飲み物などを用意しておくといいでしょう。ゼリー飲料やスポーツドリンクもおすすめです。ただし、乳製品に含まれる脂肪分は吐いて誤嚥したときにトラブルになりやすいリスクがあるので、アイスクリームなどの乳製品は避けたほうがいいでしょう。
⇒回避テク…陣痛と陣痛の間は、少しでも休む
NG行動「ずっと横になったまま」
赤ちゃんは、回旋しながら産道を下りてきます。しかし、ママがじっと横になったままだと、重力が使えないので、なかなか下りてこられません。重力を味方につけるなら、ママは寝るよりも座る、座るよりも立って動く、が正解。動くと子宮の血流が促されて、陣痛が強まる効果もあります。また、動いたほうが痛みが和らぐことも。ラクな体勢を探しながら動いてみましょう。
赤ちゃんが下りるのをサポートするために
・あぐらをかく(骨盤が広がりやすくなる)
・折りたたんだ布団などに抱きつく(赤ちゃんが下りてきやすい角度に背中が丸まる)
※産院によって異なるので、下記4つは産院の助産師と相談を
・両手両脚をついたポーズ(赤ちゃんが下りてきやすい角度に背中が丸まる)
・産院内を歩く(重力を利用。血流を促す)
・階段の上り下り(重力を利用。血流を促す)
・ゆっくり腰を回す・左右に揺らす(赤ちゃんの回旋を助ける)
⇒回避テク…少しずつでも体勢を変える
「分娩時のNG行動」回避テク
子宮口が全開大になったら、いよいよ分娩。このとき、陣痛間隔は1~2分で、痛みもピークに。助産師さんから「もう、いきんでも大丈夫」の許可が出たら、陣痛の波に合わせていきみます。しかし、呼吸がうまくできなかったり、疲れすぎてうまくいきめなかったりすることも。分娩時の呼吸やいきみ方のコツも覚えておきましょう。
NG行動1「息を止めてしまう」
痛みを我慢するときに息を止めてしまう人がいますが、これはNG。赤ちゃんは酸欠状態になり、苦しくなってしまいます。赤ちゃんに酸素を送るイメージを思い浮かべながら、呼吸して。ろうそくの火を消すときのように、フ~ッと長くゆっくり吐きましょう。吐くことに意識を向ければ、自然と吸うこともできます。
⇒回避テク…息を吐くことを意識する
NG行動2「うまくいきめない」
無理なタイミングでいきむと、なかなか赤ちゃんは出てこられませんし、会陰が裂けてしまうこともあります。助産師さんの指示にあわせていきみましょう。分娩台の上でいきむときは、あごをひき、おなかのほうを見るように背中を丸めた姿勢に。そうすると、下半身にうまく力が入ります。おしりを浮かせたり、体を反らせるのはNG。
⇒回避テク…背中を丸めた姿勢で下半身に力を入れる
初めての出産は、不安な気持ちが強すぎて、NG行動をとってしまうママが多いようです。お産は、ママと赤ちゃんの初めての共同作業。もうすぐ会える赤ちゃんをイメージしながら、前向きな気持ちでお産に臨みましょう。それが、満足のいくお産へのカギになりそうです。
(文/たまごクラブ編集部)
監修/東京フェリシアレディースクリニック 院長 小林 肇先生 師長 岸 由佳利さん