“外せない”3つのこと 悩み、迷った【私の名づけ体験】
小学生の一人っ子を育てながら、フリーランスで編集やライティングの仕事をしている“チャーミー小結”です。切迫早産で管理入院したのち、無痛分娩の計画出産を選択しました。長期入院のあり余る時間の中で、名付けの本を何冊も読み、ネットの無料姓名判断をあれこれ試しながらも、出生届を提出したのは、生後14日の提出期限ギリギリでした。
初めて手にした名付け本は、客観的に面白い!?
切迫早産の管理入院中は、医師の安静指示のもと、食事やシャワー以外はベッドの上で寝て過ごしていました。安静指示は、妊娠の経過が順調に進むにつれて緩くなり、ずっと寝たきりの状態から、病棟内の売店や図書室へ車椅子なしで行けるようになりました。
病院の図書室には、文庫本やマンガの他に、これまでに退院した方が寄贈した“名付けに関する本”も数冊並んでいました。エコー健診で聞いていた私の赤ちゃんの性別用の名付けの本を1冊借りて、部屋に持ち帰り興味深く読みふけりました。
赤ちゃんの名前は、男女別に“人気ランキング”が毎年発表されていて、あて字を使ったキラキラネームも、どんどん進化しているようでした。最初はこういった興味本位から、第三者的な目線で“おもしろい読み物”として名付け本を捉えていました。
名前について“これだけは外せない”こだわり3つ
私が名付けに関して考えていたことは3つ。1つ目は、ますます多様化するこれからの生き方を自由に選択できるように、性別にかかわらない名前であること。「名前で自分自身を縛り付けてしまわないように」という思いがありました。
2つ目は、国籍を問わず、誰からも呼ばれやすく覚えられやすいこと。世界中どこへ行っても通用する国際人になれるような名前で、ローマ字で書くと、英語の他に多言語にも意味のある単語を使うことを意識しました。
3つ目は、漢字は割と難しい漢字を使うけれども、あて字ではなく普通に読めること。親の思いを込めた深い意味を持ち、子どもが成長した後にその意味を知って、愛情を感じ取り誇りに思えることでした。
名付けに悩み迷うことも“親になった醍醐味”だから
名付けの指針が固まると、それらを満たす音の響きや漢字などをノートに書き出していきました。次にネットで無料の姓名判断を試しました。子どもの名前を試す傍ら、ついでに自分や家族の名前なども試したりして楽しんでいました。
子どもの名前を考える中で自分たちの名前について振り返ってみると、私の名前は、どこぞのお坊さんが付けてくれたとても高尚な名前で、夫の名前も、義父の尊敬する人から付けてもらった名前でした。とても有り難い名前なのですが、親の思いや願い、こだわりや愛情が感じられないという共通の感覚に気づきました。
そこで、「子どもには高尚ではないかもしれないけれど、両親が大いに悩み迷い考え抜いたあげく、名前を付けてあげたい。成長して名前の由来を聞かれたときに、呆れるくらいその思いを熱く語れるようなエピソードを展開したい」と思いました。
出産後、何日も夫婦の話し合いに決着がつかず、手伝いに来ていた母から「早く名前をつけてあげないとかわいそうよ」と言われて、やっと付けることができました。つけた漢字には“宝物”という意味があります。小学生になり、授業で名前の由来を調べてくる宿題が出され、照れくさそうに書いている様子を見て、親としての幸せを噛みしめました。「自分の名前、好き?」と聞くと、「もちろん大好き!」と即答されて、この子の名前を呼ぶたび、愛情が深まる思いです。
[チャーミー小結* プロフィール]
フリーランスで働く1児の母。慣れない子育てに悩み、保育士資格の勉強や、子育て支援サポーターのリーダーとして活動した経験を持つ。今は自宅の庭で母猫や母鳥が子育てしているのを、ママ仲間として見守っている。