第1子出産時の後悔から選んだ無痛分娩。ついに聞けた産声
フルタイムで働きながら、保育園に通う3人の子どものママ、“さっちん”です。30歳のとき長女を、32歳のとき長男を、34歳のとき二女を妊娠・出産。3度の産休・育休を挟みつつ、現在は食品メーカーで企画や営業の仕事をしています。私には、第1子の出産からずっと心に残る後悔がありました。そして、それを喜びに変えてくれたのは無痛分娩でした。今回は、そんな私の体験をお話します。
第1子のトラウマ。産声を聞けなかった後悔
第1子である長女の出産のとき、「無痛分娩」という言葉は知っていましたが、どんな痛みなのかを体験したい気持ちもあり、自然分娩を選択しました。
しかし、いざ出産になると前駆陣痛の時点でのたうちまわり、病院到着から出産まで泣き叫びながら21時間。出産したころには体力の限界で、娘の産声もうろ覚えでした。産声を聞いたちゃんとした記憶がなかったことが、ずっと私の心に引っかかっていました。
第2子の妊娠中、バースプランを助産師さんに相談したところ、痛みを軽減する方法があるとアドバイスをいただき、提案されたのが無痛分娩でした。そして、詳しく調べてみると計画分娩ができる無痛分娩は、我が家にとってありがたい方法であることがわかりました。事前に入院日がわかるので、当時1歳10ヶ月の長女を義両親に預けることができたからです。
「無痛分娩は痛みがない」ってホント?
私が出産した病院では、無痛分娩を選択する人は事前講座を受講する必要がありました。講座では、「無痛分娩とは完全に痛みを取り除く方法ではないこと」、「和痛であること」を認識するように言われました。
そして、陣痛を感じることで、お産は進みやすくなるのだということ、完全な無痛は、かえって出産時間を長引かせてしまうということを学びました。
気になっていた無痛分娩の費用は、私の通っていた病院の場合、前日泊の入院代・麻酔や管理費用などがかかり、通常の出産費用にプラス約15万円でした。それなりに高い出費ですが、それでも無痛分娩を選択したのは、「産声を聞きたい」という、ただその思いだけでした。
予定通りに進まないのが計画分娩のセオリー?
こうして迎えた妊娠37週の健診時。「子宮口が開き始めましたね。明日入院か、そのあとの場合は、10日後のGW明けの入院になります。どちらにしますか」と聞かれました。計画分娩といえども、年末年始やGW付近で出産予定の場合は、病院の都合に左右されてしまうこともあるのだなと思いました。
私は翌日の入院を選び、予定通り娘を義両親に預けて、バタバタと入院することに。入院当日は前処置(子宮口を広げる器具を挿入)があり、翌日9時から硬膜外麻酔(背中に管が入ります)の量を増やしていくとのことでした。
硬膜外麻酔の他に、陣痛促進剤もあわせて処方されたのですが、私の場合は本陣痛がなかなか起きず、分娩台で横になったまま夫や両親と雑談をし、お昼も食べながらひたすらその時を待つこと約8時間…。
ついに聞けた! 天使の産声
いくら待っても本陣痛が起こらず、先生から「今日は17時で一旦終了。次はGW明けにトライしよう!」と言われてしまいました。一旦終了…って? お産に一時停止ってあるのかしら?
「もう今日はだめだね」と夫と話していると、タイムリミットギリギリの16時55分、突然、本陣痛が始まりました。しばらくは麻酔のスピードが追いつかず、あの骨盤が張り裂けるようなゴリゴリとした痛みを感じました。
しかし、麻酔が効いてくると、多少の痛みは感じるものの、第1子の陣痛とはまるで天と地の差。そこから2回ほどいきむと、スルっと赤ちゃんが生まれてくれました。「フギャァ、フギャァ…」と、か細いけれどはっきりと聞こえた初めての産声! 涙があふれた瞬間でした。
こうして妊娠37週の時、長男は体重3386g、身長51cmで元気に生まれてきてくれました。無痛分娩で体力を温存できたおかげからか、産後に初乳をあげたり、ゆったりとした気分でカンガルーケアをおこなったりすることもできました。もちろん、念願の“天使の産声”も聞けて、本当によかったです!
[さっちん*ペンネーム]
今年6歳、4歳、2歳になる3人の子どものママです。昨年から夫が単身赴任中のため、実家のある田舎で祖父母、両親、実弟と子どもたち、総勢8人のにぎやかライフを満喫中。6歳の娘が4月から小学生なので、育児がすこし楽になるかな? とちょっぴり期待しています!
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。