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今、約5人に1人が帝王切開! 夫婦で知っておきたい手術前・後のこと

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若い妊婦カジュアルウェアで微笑む
maroke/gettyimages

今、帝王切開でのお産が増えています。妊娠経過が順調でも、帝王切開になる可能性はだれにでもあります。帝王切開は特別なお産ではないのです。だからこそ、妊娠中から夫婦一緒に知識をつけ、帝王切開の流れを知っておきましょう。

約5人に1人が帝王切開! もう他人事ではありません

今、帝王切開が増えていて、「たまごクラブ」のアンケートでも5人に1人の割合に。その背景には、昔と比べて妊婦さんの運動不足があるといいます。そのためなかなかいい陣痛が起きにくい、子宮頸管(しきゅうけいかん)が開きにくくお産が進みにくいといったことが起こるのです。いざというときにあわてないためにも、妊娠中から夫婦で帝王切開の知識を持っておくと安心です。

どうして帝王切開になるの?

帝王切開には、あらかじめ手術日を決める「予定帝王切開」と妊娠中やお産の途中に何らかのトラブルが起き、すぐに赤ちゃんを誕生させるときに行う「緊急帝王切開」があります。

【おもな予定帝王切開の理由】

・さかご(骨盤位)

さかごは頭が最後に出るため、赤ちゃんが出てこられない、また分娩中に頭より先に臍帯(さいたい)が出てしまい、赤ちゃんに送られる酸素がストップして心拍が低下するリスクがあります。

・多胎

双子や三つ子など多胎妊娠が経腟分娩をする場合、母子ともに負担が大きく、リスクが高まります。安全性を考えて、帝王切開になることが多いでしょう。

・その他

前回のお産が帝王切開だった場合、ごくまれですが子宮破裂のリスクがあるため帝王切開に。また、胎盤が子宮口をふさいでいる前置胎盤や、胎盤が正常より低い位置にある低置胎盤(ていちたいばん)の場合も多くが帝王切開になります。

【おもな緊急帝王切開の理由】

・胎児心拍異常

お産の途中で胎児の心拍が低下したり、異常に早くなったり遅くなったりした場合、急いで赤ちゃんを子宮の外に出してあげる必要があるため、帝王切開になります。

・分娩停止

経腟分娩の途中に、分娩が進行しなくなった場合は帝王切開になります。赤ちゃんが産道をうまく回転できない“回旋異常”や陣痛が弱いなど、いくつかの理由が考えられます。

・その他

重症の“妊娠高血圧症候群”の場合や、胎盤の機能が低下した場合、赤ちゃんが生まれる前に胎盤がはがれてしまう“常位胎盤早期剥離”、赤ちゃんよりも先に臍帯が出てしまう“臍帯脱出”などの場合も、緊急帝王切開になります。

帝王切開の大まかな流れを知りたい!

※ここで紹介するのは一般的なケースです。産院によって内容が違う場合もあります。また、新型コロナウイルス感染予防のため、夫が産院に入れないケースもあります。

1 術前検査をして手術室に移動

手術の前に、血液検査や心電図、血圧、胸部X線撮影、超音波検査、NST(分娩監視装置)でママのおなかの張りや赤ちゃんの心拍のチェックなどを行い、ママと赤ちゃんの健康状態を確認します。そのほか、手術部位の剃毛(ていもう)をし、浣腸(かんちょう)や尿管カテーテルを入れるといったことも。なお手術当日、ママは飲食禁止です。

緊急帝王切開の場合は、一刻を争うケースもあり、必要最低限の検査だけを行うことに。


2 手術台の上で麻酔をします

手術台の上で麻酔薬を注入します。麻酔の種類は「腰椎麻酔」「硬膜外麻酔」「硬膜外併用腰椎麻酔」「全身麻酔」の4種類あります。どの麻酔を選択するかは、ママの体質や赤ちゃんの状態など、そのときの状況によって変わります。

3 切開をして、赤ちゃん誕生!

帝王切開は、まず皮膚を切開し、次に子宮を切開して赤ちゃんを誕生させる、2ステップの切開になります。皮膚の切開方法には「縦切り」と「横切り」の2種類ありますが、産院の方針や母子の状態によって決まります。
赤ちゃんを取り出したあと、胎盤を出して傷口を縫合します。

帝王切開の術後はどうなるの?

術後は、ママの状態を定期的にチェックします。入院室に戻ったら、後陣痛(子宮が元の大きさに戻るときの痛み)や、腟からの出血、麻酔の効きなどを医師や助産師が確認します。また血栓予防のために弾性ストッキングをはきます。

術後、ママの体はどう回復していくの?

歩行:血栓予防のために、痛みがあっても早めに歩行するのが基本。産院により異なりますが、術後1〜2日目から歩行練習を行います。

水分摂取・食事:麻酔が切れて脚が動くようになれば、水は少量から飲めます。食事は、最初は流動食からスタートし、翌日以降から普通食に。

授乳:赤ちゃんの状態やママの回復具合にもよりますが、基本的にいつでも始めることが可能。少しずつ慣らして母乳の分泌を促します。

シャワー:ママの状態がよければ、術後2〜3日目ごろからシャワーが可能に。痛みがあるママもいますが、気分がすっきりするはず。

こうして順調に回復すれば、産後7〜10日ほどで退院になります。

監修/力武義之先生(四谷・川添産婦人科院長) 文/樋口由夏、たまごクラブ編集部

参考/「たまごクラブ」2020年8
月号「いまや5人に1人が経験
夫婦で知っておきたい帝王切開で産むということ」

もしも出産が帝王切開になってしまったら、不安になるママもいるかもしれません。でも、帝王切開は何よりも赤ちゃんとママの安全を第一に考えて行われるもの。妊娠中からしっかり知識をつけておきましょう。

力武義之先生
Profile
四谷・川添産婦人科院長 日本医科大学卒業。同大学産婦人科医局長・講師を経て、1989年に四谷・川添産婦人科副院長、2009年より院長。安全で安心なお産ができる環境の提供をもっとも大切にしています。

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