双子パパのYuichiさんに聞く、夫婦ふたりで乗り切る双子育児
妊娠判明から出産、そして子育て。双子のママとパパは不安や苦労も多いけど、双子の親ならではの喜びも存分に味わってと、双子パパの専用オンラインサロンも運営する、先輩双子パパのYuichiさんに双子ライフを楽しむ秘訣(ひけつ)を聞きました。
妊娠中は、パパはイメージしやすいことから行動しよう
今は新型コロナウイルス感染症の影響で妊婦健診に付き添いづらい状況もあり、パパは妊娠中の妻へのかかわり方がわかりづらいかもしれませんね。でも、パパの気持ちも「赤ちゃんの誕生・子育て」に向いていることが実感できるとママは安心できるし、それが夫婦2人で妊娠生活を楽しむ秘訣だと思います。
パパは産院や役所での手続き関係を率先して引き受ける、ベビーカーやチャイルドシートを選ぶなど、イメージしやすい
ことから始めてみては? 双子の場合、ママは管理入院になるケースも多いので、名づけや出産準備など、早い時期から夫婦の話題にするのもおすすめです。
産前産後こそ、夫婦の絆(きずな)を強めるチャンス
産前に育児のイメトレをすることは大事ですが、双子の場合はとくに、実際に育児が始まってみると「思っていたのとは違う?」ということがたくさん出てきます。だからこそ、最も大事なのは「2人で共に頑張っていこう!!」という強い絆かもしれません。わが家の場合、子どもたちは生後3カ月間入院していました。その間、頻繁に面会に通う一方で、夫婦2人だけの時間を大切にしました。それで、絆が強くなったと思います。
子育てが始まると、子ども中心の生活になることは間違いないので、「お互い、頑張りすぎないで、気軽に相談できる関係性」を築いておくと、肩の力を抜いて子育てを楽しむことができると思います。
パパも育児を楽しみたい! でも…厳しい現実も
双子・三つ子のパパが回答したアンケートによると、「積極的に育児を楽しみたい!」と思っているパパは多い半面、育児休暇が取りづらいなど、なかなか理想どおりにいかない現状も見えてきました。
多胎パパの育休取得
ママの就業状況は「休職中+専業主婦」が約60%だったのに対し、育休を取得したパパは約30%という結果が。まだパパは育休を取得しづらい現状があるようです。
自治体の支援制度やサービスを利用している?
自治体によっては、家事ヘルパーやベビーシッターの派遣、先輩多胎ママが家庭を訪問して相談に乗るなどの子育て支援を実施しているところもあります。
※データはNPO法人「つなげる」が2020年12月18日~2021年1月10日に実施したアンケートに基づきます(有効回答数は小学生以下の多胎パパ216人)。
アンケートを行った、NPO 法人「つなげる」代表理事の中原さんにお話を伺いました。
「家庭内の頑張りだけでは解決できない時期が、多胎育児にはあります。パパの育休取得が難しい現状があるとはいえ、まずは夫婦で育休を取得することを検討してみてください。それと同時に、自治体の子育て支援などもフル活用して、少しでも負担を減らすことが大切です。また、自治体のファミリーサポートが簡単に利用できる、乳幼児健診の付き添いや会場でのサポートを受けられるなど、公共の子育て支援がもっと多胎家庭に寄り添ったものになるよう、声を上げていく必要もあると感じています」
取材・文/たまごクラブ編集部、栗本和佳子
夫婦2人で双子ライフを楽しむためには、パートナーとの協力が不可欠。育休の検討とともに、社会資源のフル活用をしましょう。
参考/『たまごクラブ』2021年5月号「ふたごCLUB」
Yuichi
Profile
6才の双子男子、4才の女の子の共働きパパ。ファイナンシャルプランナー。双子のママ、パパのための子育て情報サイト「I Love Twins‼」で双子育児のリアルな様子や、お役立ち情報を発信中。双子パパの専用オンラインサロン(パパメンバー約270名)も運営。
https://happy-twinslife.com/
NPO法人 「つなげる 」代表理事 中原美智子
Profile
長男、双子の次男・三男の母。多胎育児の環境をよりよくするため、NPO法人つなげるを2018年に設立。日本多胎支援協会 理事。