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新しい防災の考え方「フェーズフリー」。今の暮らしを豊かにしてくれるものを非常時にも活用

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“フェーズフリー”とは身のまわりにあるものやサービスを、非常時・日常時の垣根を越えて、どちらのフェーズでも役立てようとするアプローチのこと。2021年3月5日に、液体ミルクを展開する株式会社 明治と一般社団法人フェーズフリー協会の共催によるオンラインイベント「ママたちと考えるフェーズフリーな暮らし」が開催されました。イベントの中で、一般社団法人フェーズフリー協会の佐藤唯行さん、NPO法人ママプラグの冨川万美さんから提案されたフェーズフリーの考え方と、今の暮らしの中にあるフェーズフリーアイテムについてリポートします。

日常時・非常時の境界を無くすと…

災害大国といわれる日本。大きな災害のたびに防災の意識は高まりますが、忙しい毎日を送るとその意識はだんだんと薄れ、非常時への対策は後回しになりがちです。「何をどのように備えたらいいかわからない」「今の備えで家族を守れるか自信がない」といった声も多く聞かれます。そこで発想を転換した防災についての考え方がフェーズフリーになります。

「日常時に、非常時のことを想像するのって難しいですよね。日常と非常それぞれのフェーズの間には、高い壁が存在するんです。だから、想像して備えるのは難しい。非常用の防災グッズは、買って用意するのも場所を取るし、日常時にあまり使わないものが多いですよね。

フェーズフリーは、日常時だけ・非常時だけの使用に限定したものやサービスよりも、日常時・非常時の境界を無くし、どちらのフェーズでも暮らしを豊かにしてくれるものを選ぼうという考え方です」(佐藤さん)

身近にあるフェーズフリーアイテムを考えてみよう

セミナーでは、実際に私たちが過ごす毎日の暮らしの中に、一体どんなフェーズフリーアイテムがあるか、考えてみることに。
参加したママたちからの提案を含め、セミナーで取り上げられたアイテムを紹介します。

【カセットコンロ】

冬に家族で鍋を囲む時などに便利なカセットコンロ。持ち運びしやすく、停電になってもガスボンベとコンロがあれば温かい食事が食べられそうです。

「災害の備えとして、カセットコンロは携帯用バッテリー・ランタンと並ぶ三種の神器の1つです。災害時に電気が止まってしまったとしたら冷蔵庫の中身が痛む前に、火を通して調理できるのもいいですね」(冨川さん)

【液体ミルク】

災害時に、粉ミルクを作るお湯が用意できない時も、普段から赤ちゃんが液体ミルクに慣れていると安心だそうです。

「液体ミルクは、計量したり冷ましたりという手間がないので、普段から祖父母に預ける時もお願いしやすいから、ママの負担も軽減し、女性の社会進出を助けるアイテムですよね。非常時には、ライフラインが止まっても、衛生的なミルクを赤ちゃんに与えられるのは安心です」(佐藤さん)

災害用に備蓄している人も多い液体ミルク。日頃の慣れという面で、普段の授乳の選択肢のひとつに加えてもよいかもしれません。

【土鍋】

参加者のママからは、お米は炊飯ジャーでなく土鍋で炊く、という声も。炊飯器よりも時短でき、ふっくらおいしく炊けるそうです。火加減をマスターしておけば、停電時で炊飯器が使えなくても、お米を炊いて温かいごはんが食べられます。

「確かに土鍋もフェーズフリーアイテムだと考えられますね。停電時も温かいごはんが食べられるとほっとしますし、普段も土鍋で炊くと炊飯器には戻れないくらいおいしいと聞きます」(佐藤さん)

ただし、土鍋は使うごとに洗う必要があるため、使える水が限られている時はポリ袋などを使った炊飯がおすすめです。

【簡易テント】

子どもとのピクニックや運動会などで簡易テントを持っている家庭も多いのでは。外出自粛時も、ベランダでキャンプ気分を味わって楽しんだ人もいるでしょう。

「災害時、キャンプ用品は役に立ったという声を多く聞きます。また、災害時でも『キャンプをするぞ!』と切り替えられると、子どもたちが災害の恐怖を感じにくく、トラウマにならずに成長できると思います。簡易テントは災害時の授乳や着替えなどにも役立つでしょう」(冨川さん)

【計量できる紙コップ】

普段使用する紙コップもフェーズフリーなデザインのものがあるそうです。紙コップは災害時も役立ちそうですが、普通の紙コップと何が違うのでしょうか。

「災害時、お米を炊く時や、赤ちゃんのミルクの湯量を測る時、メジャーカップなどがなくて困ることがあります。普段使うカップのデザインにメモリがついていると、非常時も計量カップとして使うことができます」(佐藤さん)

【ママバッグ】

「ママバッグは子育て世帯にとって最強の防災バッグです」と冨川さん。確かに、ママバッグには紙おむつ、着替え、おやつ、おもちゃなど、いつも入れてあるママも多いでしょう。

「災害避難時、いちばん大事なのは赤ちゃんです。赤ちゃんを抱っこやおんぶした上で、今の赤ちゃんに必要なものを持ち出せるので、ママバッグは常に充実させておくことが大事です」(冨川さん)

日常時でも非常時でも使えるママバッグはまさしくフェーズフリーアイテムです。

お話/佐藤唯行さん、冨川万美さん 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

セミナーに参加者したママたちからは「防災って難しく考えていたので、日常でいいんだな、と肩の荷が下りた」という感想もありました。非常食などの備えに加えて、自分の身のまわりにどんなフェーズフリーアイテムがあるか考えることも、防災につながる一歩かもしれません。


■取材協力/一般社団法人フェーズフリー協会、株式会社 明治によるオンラインイベント「ママたちと考えるフェーズフリーな暮らし」

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