台風のあとに運転したアラフォーママの後悔【御手洗直子のコマダム日記】
今回は御手洗家のお出かけについて。大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。「つっこみが止まらないコマダム日記」#58
超大型台風通過直後に旅行するとこうなる ~前編~
夜の運転は怖い。それが山道だとなお怖いし、ザンザン振りの豪雨の中だととんでもなくおそろしい。
しかもその日は超大型と言われる台風が通過した翌日のことであった。そんな日に『もう過ぎた後だから大丈夫であろう』程度の認識で旅行に出かけてしまったのだ。
おそろしい目に遭った。
大量の雨が降り注ぎ濡れた地面は暗く光り、側溝にあるマンホールから大量の水が1mほどの高さまで噴き出しながら轟音を響き渡らせていた。一か所だけではない。両側の側溝あっちこっちから噴水のように水が噴き出しているのである。どっかのゲームのラスボスステージかよ。
そして、見えない。
える、しっているか。街頭が無い夜の山道は、マジで先が何も見えない。車のライトが届く範囲にしか見えないので、下り坂はともかく登り坂はマジでなんも見えないのである。右に曲がっているのか、左に曲がっているのか、真っ直ぐなのか直近に来るまで全くわからないのだ。そして、ハンドル操作のミスイコール転落死である。
そんな中不慣れな道を走ることになった。カーナビを見ると180度のカーブみたいなのが連続して続いている。頭文字Dかよ。まだカーナビがあるので次に来るのが右折なのか左折なのかわかるが、カーナビがなかった時代はどうしてたんだろう。
いつ対向車が来るかもわからなかったので時速20kmとか30kmとかで走行していたが、中心線が全く見えない。というか中心線すら存在しないカーブなのだ。おそらく中心線があったところでカーブがきつすぎて車線を遵守できないであろうが、もし対向車が来た時はすれ違えるのだろうか。おそろしい。幸いなことにめったに対向車に出会うことなく走行できたが、とにかくおそろしい。
同乗していた家族に『何も見えません!』『怖いです!』『水怖え!!』と恐怖を叫びながらなんとか目的地まで到達したが、低速で走行していたため予定よりだいぶ時間を消費した。が、そんな些細な事は問題ではなかった。誰一人死ぬことなく目的地に到達したのだ。この時点で100億万点である。やった。着いた。俺たちは勝ったんだ。ブレーキ操作のし過ぎで足が痛い。
そんな死のドライブの行く末にたどり着いた温泉地であったが、半閉鎖(半営業)という状態なのであった。
超大型台風の翌日に旅行に行ってはいけない。(山崩れとかしなくてよかった)つづく
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子twitter:@mitarainaoko