「ついでに10秒」「ハードル下げ」etc. オタクだけど掃除好き、人気コミックエッセイストのゆる掃除術
pixivで累計閲覧数1100万人以上を誇る、大人気コミックエッセイストの御手洗直子さんのインタビューです。
御手洗さん曰く「本当の掃除好きの人には読んでほしくない」という、最新刊『マンガ家主婦のツッコミが止まらない掃除と片付け』(マキノ出版)では、オタク漫画家友達や独身時代の夫の汚部屋掃除エピソード、さらに御手洗流ゆるめお掃除&お片づけのテクニックを、爆笑ネタを絡めながら描きます。
インタビュー前編は、最新刊のエピソードに登場する元汚部屋住人の夫やお子さんたち、そして新住人のアメリカオニアザミ(植物)などのエピソードをお聞きしました。
後編では「大掃除はしない」という、御手洗さんのお片づけ&お掃除の極意お伝えします。
御手洗直子/プロフィール
pixivで累計閲覧数1100万人以上を誇る大人気コミックエッセイスト。ネタ満載の人生を、オタクの視点で冷静にツッコミをいれながら爆笑エピソードに変えて描きます。
既刊は、自らの婚活を描いた『31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる』や『31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる』(共に新書館)、『つっこみが止まらない育児日記』『さらにつっこみが止まらない育児日記』(共にベネッセコーポレーション)など。
たまひよwebにて【御手洗直子のコダマム日記】を連載中。
キレイ好きの祖母と捨てるの大好き母の影響で掃除好きに
ーーお掃除は子どもの頃から好きだったそうですね。
「テトリスみたいに収納することや、ゴミをまとめて捨てるのが大好きでした。
原稿の合間の気分転換に自分の部屋だけでなく、階段やリビングなど家のあちこちを掃除していました。
高校生の頃、掃除機が壊れて取ってください当時8万円もするキャニスターの掃除機を親が買ったんですが、
サイクロン式だったので『ゴミパックがいらない! 掃除機かけ放題では?!』と、めちゃくちゃテンションが上がったのを覚えています」
ーーお掃除好きになったきっかけは?
「同居していた祖母がきれい好きで、その影響が大きいと思います。ただ大正生まれなので、物を捨てられないタイプではありました。
母は私と同じく漫画オタクだったのですが、不要なものはばっさばっさと捨てるタイプでした。
わたしは祖母と母を足して二で割ったようなタイプかなと思います。」
キラキラ感はゼロ。ドライにさくっとお片づけ
ーー確かに御手洗さんは大量の漫画コレクションを大切に保管する一方で、いさぎよく物を捨てるのが印象的です。御手洗さんのお片づけ基準はなんですか?
「ドライに『使うか、使わないか』です。キラキラ感はゼロです。
たとえばおもちゃ。ファストフードやファミレスでもらう細かいおもちゃは、子どもが夢中になるのは長くても1週間なので、壊れていなくても遊ばなくなった時点で捨てます。
子どもの工作や絵もほぼ処分しています。
SNSなどで、子どもの工作や絵をきれいに飾っている方を見ると、素敵だし憧れますが、私にはそのモチベーションがなく、では子どものために保管する? とも思いましたが、私が大人になり自分の子ども時代の工作をみても何とも思わなかったので、お気に入りのものを数枚写真に撮ればいいかなと思っています。。
子どもの絵をハンカチにプリントするというサービスがあり、長女の絵で作りましたが、実用品として使えるのでこれは良かったです。
『かわいい絵だなあ』と、ひととおり堪能してから処分しています」
毎日のゆる掃除は、ハードルを下げることが重要
ーー仕事に子育てと時間に追われて、ゆる掃除とはいえ毎日では大変ではないですか?
「毎日のゆる掃除はハードルを下げることが大だと思うんですが、最近はさらに下がったので、『管理がめんどくさいもの』は、お片づけ対象となりました」
ーー「管理がめんどくさいもの」とは、具体的に教えてもらえますか?
「私の場合はこたつと布製ソファでした。
こたつは食べこぼしなども多いので、そのつど掃除機をかけたり、定期的にこたつ布団、カバー、ラグを洗う必要があります。なのでこたつは処分して床暖房にしました。
布製ソファは見た目と肌触りで選びましたが、汚れ防止のカバーはズレるし、カバーは洗濯しなきゃだし。なので合皮に買い換えました。
床暖房は掃除機をかける程度で管理はほぼゼロ! 合皮ソファは食べこぼしされても水拭きをさっとするだけ。
光熱費は爆あがりしましたが、掃除は格段に楽になりました」
ゆる掃除は好きだけど、がっつり大掃除は大っ嫌い
ーーなるほど「管理が簡単な物=部屋が汚れにくくなる」ということですね。
「私は掃除好きですが、根性入れて掃除することが苦手です。
なので大掃除はあまりしたことがありません。
気になるところは『このレベルになったら掃除』という基準をきめて、1箇所ずつ不定期でお掃除&お片付けをします。
たとえば物置に荷物を入れ続けると、だんだんと雑多になってくる。これ以上増やしたらめんどくなるなぁと思った時点で、整理整頓をする、という感じです」
ーー洗剤や掃除道具の選定にも熱意を感じます。どんな風に発掘していますか?
「昔は深夜の怪しい通販番組で購入したりしていましたが、最近はもっぱらネットの口コミのレビューですね。
あと雑誌『MONOQLO(モノクロ)』も好きでよく読んでます。」
毎日の「ついでに10秒」がチリツモで部屋をきれいにする
ーー最新刊では「なんでも洗濯機で洗う(勝率8割)」、「段ボールは開封した瞬間(商品を見る前に)解体して捨てる」など数々の名言が登場しています。他にもありますか?
「『ついでに10秒やる』です。
いつもの掃除に、いつもはやらない箇所の掃除を10秒だけ付け加える。
気が向いたときに掃除機をトイレの床や廊下の端っこを10秒だけささっとやる、という感じです。
拭き掃除気分がノッてきたら『ついでに3分やる』に切り替えてみてください。3分掃除すると、かなりきれいになります」
あと、めんどくさい汚れはがんばらなくても買い換える、又は外注に頼むといいです。
最近は、どんなにがんばってもパッキンの黒カビが取れそうもなかったのでお風呂の蓋を買い替えました。
それと今年は引っ越して10年目なので、水回り5箇所を、外注でお掃除を依頼する予定です」
漫画の印象通り、冷静な視点で淡々とインタビューに応じてくださった御手洗さん。
高校時代の掃除機の話と洗剤の話では、ぱっと表情が明るくなり、テンションがかなり上がっていました。
掃除が好きであり、道具や洗剤を駆使して工程を楽しむのも好きなんだなぁと感じました。
根性入れて掃除をすることが苦手、という御手洗さんのお掃除極意は、共感度高めで今この瞬間から真似できそうなものばかり。
たまひよwebにて連載中の【御手洗直子のコダマム日記】でも、育児のみならずお掃除&お片づけエピソードが登場しますので、是非ともチェックしてみてください。
(文/川口美彩子)