そうめんやガスパチョ、シャーベット? 夏も大活躍、「スープジャー」のひんやりお弁当【専門家】
お弁当アイテムの定番となりつつあるスープジャーですが、温かいスープやお味噌汁を入れるだけのものと思ってはいませんか? スープジャーは真空断熱構造になっていることで外気温の影響を受けにくく、中身の温度を一定時間キープすることができます。つまり、温かいものを温かいまま保存できるのはもちろん、夏には冷たいものを冷え冷えの状態で持ち歩くことができるのです。今回は、夏におすすめの冷たいスープジャーレシピをご紹介します。
<教えてくれた人>
野上優佳子さん
料理家・弁当コンサルタント。35年以上にわたり、これまで300個以上のお弁当箱を使用。その豊富な経験、そして実際に毎日お弁当を作る母目線から、実用性と汎用性の高いレシピを提案している。著書「スープジャーで楽するおべんとう生活(笠倉出版社)では、さまざまなスープジャーレシピも紹介。プライベートでは、2女1男の母。
そうめんなど夏の定番メニューは、ひんやりをキープ
麺は別容器にクルクルっと丸めて入れておき、つゆをスープジャーに入れます。つゆはいつもより少し濃い目にして、氷を2〜3個入れておくと、冷え冷えの状態を保つことができます。小さなお子さんが食べるのであれば、麺をあらかじめ半分に割って茹でてもいいです。
少しアレンジを加えるなら、つゆ側にオクラやなめこ、めかぶなどネバネバ食材を刻んで入れてもいいですし、しっかり食べたいときはサッと茹でた豚肉を入れるのもおすすめです。冷たいお弁当の時は、薄切りの赤身や皮をとった鶏胸肉など、脂が白浮きしない、動物性脂肪の少ないものを選んで。
サラダやガスパチョを持って、外出先でもビタミン補給!
お弁当では、生野菜を持ち歩くのはなかなか難しいもの。しかも、少し生温かくなったものはおいしさも半減しますし、夏場は食中毒も気になります。その点、スープジャーはサラダを冷たいまま持ち歩くのにも最適なのです。
生野菜をスープジャーに入れる場合は、レタスやトマトなどの野菜類は必ず水洗いを。特にヘタの付け根や葉物野菜の根元は雑菌が溜まりやすく落ちにくいのでよく洗いましょう。そして、キッチンペーパーで水気を拭くことで、食中毒のリスクを減らすことができます。野菜用洗剤があればシュシュっとかけて、こちらも水気を拭くとより安心。スープジャーに限らず、トマトのヘタは、必ず取ってからお弁当に入れてください。
また、食欲がないときでも、手軽に野菜をとることができるのが、ガスパチョ。一度に何種類もの野菜をとることができるので、夏バテしているときにもおすすめです。きゅうりやパプリカなどを細かくみじん切りしたものスープジャーに入れていき、そこに冷やしたトマトジュースとレモン汁、氷を2〜3個入れるだけ。これだけで、お昼まで冷え冷えをキープできます。
夏の外遊びには、冷たいフルーツやシャーベットを
夏の公園遊びやレジャーなどにぴったりなのが、冷たいデザートメニュー。いちごや種なしぶどう、メロンなどの果物を、ヘタや房から外したり、食べやすい大きさにカットしてジャーに入れます。入れる前に水分を軽くふき取ると、食中毒のリスクを減らすこともできます。
ほかにも、冷凍しておいた果物にアイスティーを注いでフルーツティーにしたり、冷凍フルーツをそのまま入れて持ち歩くのもおすすめ。
冷たいものを入れる場合は、食材を入れる直前に、冷たい氷水をジャーいっぱいに入れて“予冷”しましょう。これを行うことで、保冷効果をより高めることができます。中身を入れた後も、出かける直前までフタを開けて冷蔵庫に入れておいてください。
持ち運ぶときは保冷バッグに入れて保冷剤をプラスすると、保冷効力がさらにキープ。ちなみに、保温の場合は保冷剤を入れず、保温バッグに入れましょう。
スープジャーをいつものお弁当にプラスするだけで、冷たい麺類を持ち運べたり、サラダや冷たいスープ、デザートなどをお昼のラインナップに加えられたりと、ランチメニューが充実するはず。これからの暑い時期は、外遊びなどで体がとても熱くなるので、スープジャーを上手に取り入れて、体のクールダウンや熱中症予防に役立ててみましょう。
取材・文/内田あり