大好きなお茶なんだけど…こぼしたときの面倒くささにおののく主婦【御手洗直子のコマダム日記】
今回は直子の耳のお話。大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。「つっこみが止まらないコマダム日記」#65
無害な顔して被害がでかい
絨毯または畳にこぼすと最悪な物のうち納豆の他には玄米茶を推したい。いやむしろ納豆は粒が拾いやすい分玄米茶よりも親切である。納豆のようにわかりやすい被害を想像しにくいが玄米茶はすごい。私は知っている。なぜってこぼしたことがあるから。
絨毯の上に急須に入った玄米のお茶がらごとこぼしてしまうと、お茶だけならまだしもふやけたお茶の葉とふやけた玄米が絨毯の上一杯に広がって見た目から最悪になります。お茶(液体)お茶っ葉(黒緑のまだら)玄米(ふやけた茶色)というグロッキーさに圧倒されながらも『早く拭かねば!』とタオルを取り出し絨毯を拭き始めるも拭けば拭くほどやわらかくなったお茶っ葉と玄米が絨毯にねり込まれてゆくのです。おそろしい。ちなみに絨毯も最悪だけど畳はさらに最悪です。指で拾えないほど柔らかく細かくなったお茶っ葉と玄米で畳の目地全てが汚染されてゆくのです。お茶っ葉やばい。一度この地獄を体験してみてほしい。
『ギャア!』とかなんとか一通り叫び作業を中断して立ち尽くしてみるも、拭く訳にもいかず、拭かない訳にもいかず、どうすればいいんだ…。と、途方にくれている時に限って電話がかかってきたりする。(しかも3人も)前世で5人くらい殺していないとこの仕打ちは割に合わない。
『御手洗さんでしょうか?』『す…っすみません、今じゅうたんにお茶こぼしちゃって…後でかけます!』ガチャン。(電話を切る音)
たった一言『今忙しいから後ほど折り返します』と言えばいいものを動揺の為にしなくていい言い訳をするのであった。というか出るな。なぜ出る。
しかたがないので数時間ほど放置して箒で掃いてその後タオルで拭いたのだが、ねり込まれた玄米がその後どうなるのかというと粉々になって粉ふきいもみたいになります。っていうか玄米はまだしもお茶っ葉は色が濃いので本当にどうにもならず最悪畳の張り替えになります。つまりは玄米茶をこぼした後は下手に触らず乾くまで待てということです。(状況による)
玄米茶 こんな時でも 良い香り(放置プレイ心の一句)
一度ならず複数回このような目に遭い、私は急須を持ち歩くのをやめた。お茶っ葉ほどこぼした時に被害の大きいものはないのだ。
ということに気付くのが遅い。(おわり)
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子twitter:@mitarainaoko