むすめのキッズケータイからいろんなことを考えてみる【御手洗直子のコマダム日記】
今回は直子とキッズケータイのお話。大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。「つっこみが止まらないコマダム日記」#78
キッズケータイとGPSとヒモ
むすめにはキッズケータイを持たせているのだが、GPSが内臓されており問い合わせをすると今どこにいるのかが位置情報でわかるようになっている。
今までにむすめがいなくなり、というか時間通りに帰って来ず位置情報で居場所を探して迎えに行ったことが一度だけある。その時は一緒に遊んでいた友達が怪我をしてしまい、違う友達がお母さんを呼びに行っている間どうしていいかわからず公園で一緒に待っていた。というものであった。こういうイレギュラーな事が起きた時にはありがたい機能である。
さてこの位置情報機能、一番使用頻度が高いのは『むすめが携帯を無くした時』である。電話をかけて『いまここにいるよ~!』と言って、そのままそこへ置いてくるのである。置いて…!来るな…!!
こういう時、日本は親切な人ばかりなので心当たりの場所へ取りに行くと大抵すでに拾われておりそこには存在しない。しばらく待って位置情報を取得するとその施設の落とし物センターへ行っているという状態である。親切な人ありがとう。親切な人に何かいいことがありますように。
先日、またも電話をかけたむすめがそのままその場へ携帯を置き忘れてきた。すぐ取りに戻ったが、親切な人は迅速丁寧なのでやはりその場にはすでに残されていないのであった。位置情報を確認すると同じ施設内にはあるのだが、インフォメーションにはまだ届けられていないようで、そんじゃ届けられるのを待とうかということになった。
お店を見たり、うどんを食べたりと時間をつぶして位置情報を取得してみると、(施設内の)スーパーで!買い物を?している…?!という状態だったのでお買い物の邪魔をしては申し訳ないと思い、さらに近くの店で時間をつぶしていると、めちゃくちゃ近くにいるのであった。
犯人は、この中にいる…!!
それほど正確な位置情報ではないので、誰が犯人なのかはわからないのである。でも近くにいる。でも誰かはわからない。これがキッズケータイGPSの限界である。
さらに時間をつぶし、無為に文房具などを買った後インフォメーションへ行くとやっと携帯が届けられていたのであった。親切な人ありがとう…こんなに見張られているとは思うまいに…。なんだかごめん。親切な人に何かいいことがありますように…。
便利ではあるが、メートル単位での誤差があるのですぐには見つからずヤキモキするのであった。もうヒモでむすめに括り付けた方が早い(物理)(おわり)
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子twitter:@mitarainaoko

