片づけのプロが伝える 子どもの作品、写真、おもちゃetc. 思い出を大切にするお片付けのポイント5
暮らしの彩りが広がる思い出のお片付け
このコラムの実践編でのお片付けを順番にすすめると最後に残るのが思い出のモノ。
今回は、お片付けの集大成とも言える『思い出のモノ』についてお伝えします。「誰でもできる暮らしを彩るお片付けメソッド」第18回、実践編
■教えてくれたのは…さかもとりえさん。
日本収納検定協会、収育指導士、整理収納アドバイザー、ホームステジャーなど。ときめき片づけインストラクター(旧名称)資格取得後、様々な片付けの手法を学び、講演・セミナーで講師として活躍。日々の現場で、片付けの悩みに寄り添いながら「一人一人に応じた暮らしを彩るためのお片付け方法」を伝えている。ブログ『暮らしを彩るお片付け』が好評。
まずは、ここまでに残した思い出のモノを、再度ひとつひとつ手に取り、見返していきます。そして、残したいと思ったモノをカテゴリーに分けて収納します。
ここまでのお片付けで磨かれた要不要の判断力は、片付けを始める前と比べると格段に上がっています。思っている以上にしっかりと判断ができるはずです。
代表的な思い出カテゴリーのポイントをまとめました。判断に迷った時に参考にしてみてください。
【ポイント1】子どもの作品
絵や工作など作品を通して子どもの成長を感じるモノ。
マルがきれいに描けるようになった、ハサミが使えるようになった、ママ、あるいはパパを描いてくれた、などの成長の喜びを感じられたモノだからこそ手放しにくいものです。
最近は、絵画作品用の大判の専用ファイルもあるので活用するのも一つの方法。
ディスプレイコーナーを作ってしばらく飾ると、手放しやすくなる方も多いです。
写真を撮って手放す場合は、作品だけではなく、お子さんと一緒に撮ることをおすすめします。モノだけの写真では、将来、何年も先に見ると、誰がいつ書いた(作った)作品かがわからなくなります。
【ポイント2】写真
まずは家族、こども、自分、行事毎など、分類するカテゴリーを決めてください。
次に写真を選ぶ判断基準を決めます。
名前や顔がわからない人と一緒、どこに行ったか覚えていない、目を閉じている、同じような写真が何枚もある、など処分対象を明確に。
見ることでプラスの感情になるモノを残すと、思い出が彩られていきます。
残した写真はカテゴリーごとに時系列で並べ、アルバムなどを使っていつでも見返せる状態で収納していきましょう。
スマホで撮った写真は、フォルダを作成して入れる習慣を。
カメラロールの中に入っているだけでは、大切な思い出が埋もれてしまい、ないのと同じになってしまいます。
行事ごとや一年に一度、枚数を決めてフォトブックを作るのもおすすめです。
【ポイント3】年賀状・手紙
年賀状は、過去1年、2年分などと残す期間を決めて、それ以外は処分。
残しておきたい写真付きハガキは、すでに年賀状の役割を終えています。写真としてアルバムに移動させてください。
年賀状を保管する場合はひとまとめにするだけでOK。年賀状ファイルなどに入れてしまうと、出し入れが面倒になり、かえって手放しにくくなります。
手紙は何度も読み返したいと思うものを選択。それらは封筒から出して、一枚一枚すぐに読めるようにクリアポケットファイルにファイリング。世界に一つだけのお手紙アルバムを作るといつでも見返せます。
面倒かもしれませんが、大切な思い出だからこそ、少し手間をかけて残すとより思い出が彩られます。
【ポイント4】人形、ぬいぐるみ
人の形をしていたり、目があるモノは処分がしにくいものです。
その場合は、丁寧に布や紙に包み、生ゴミとは別にする、お塩をひとつまみ入れるなど、ひと手間かけることで、手放す辛さが和らぎます。供養する気持ちで感謝をこめて手放してみてください。
お雛様や5月人形のような記念の人形は、人形供養をしてくれる団体や神社があるので利用してみてはいかがでしょう。
【ポイント5】贈りモノ
贈りモノは、自分への”思い”を、時間を使って形にしてくれたモノ。しかし、相手が選んでくれたモノが、必ずしも自分が必要としているモノとは限りません。
受け取るモノは”思い”です。そのモノがなくなったからと言って、相手の”思い”が消えるわけではありません。使わないモノならば、その”思い”に感謝し、手放してもいいのですよ。
思い出のモノは無理に手放してしまうと後悔が残ります。
気持ちの整理がつかないモノは、一年後など、次に見返す時期を決めて、慎重に判断を。その際には、すぐに見返せるように、残すモノ同様、大切に収納してくださいね。
一生使わないモノも、そのモノを見るだけで幸せな気持ちになるならば、それは大切なモノ。
存在を忘れないよう、いつでもみられる状態で収納すれば、より暮らしを彩ってくれます。
大切なのは形ですか?思いですか?
お片付けの最難関『思い出のモノ』が整えば、さらに暮らしの彩りが広がります。