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「たまひよ1円募金」 あなたの買った1冊が難病の子どもとその家族の支援活動につながっています

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妊娠・出産・育児情報誌「たまごクラブ」「ひよこクラブ」を1冊購入すると1円の募金につながる「たまひよ1円募金」。募金は、公益財団法人ベネッセこども基金を通じて、未来ある子どもたちへの支援活動につながっています。

たまひよ1円募金とは?

「たまごクラブ」「ひよこクラブ」が行っている募金活動。1冊ご購入いただくたびに「1円」が公益財団法人ベネッセこども基金を通じて、子どもを取り巻く社会課題の解決や被災地支援活動に取り組む団体への助成金として使われています(2021年度の「たまひよ1円基金」は、ベネッセこども基金の報告額の中に含まれます)。

ベネッセこども基金とは?

ベネッセグループにより「未来ある子どもたちが安心して自らの可能性を広げられる社会の実現」を目的に設立。自主事業と助成事業を通して「①子どもの安心・安全を守る活動」「②病気・障がいを抱える子どもの学び支援」「③経済的困難を抱える子どもの学び支援」「④よりよい社会づくりにつながる学び支援」「⑤被災した子どもの学びや育ちの支援」の5つの活動テーマで、子ども支援に取り組んでいます。2021年度は、22団体に総額51,351,760円の助成を行いました。

【公式サイト】公益財団法人ベネッセこども基金 (benesse-kodomokikin.or.jp)

2021年度の寄付先の1つ「公益社団法人 難病の子どもとその家族へ夢を」をリポート

「難病を患う子どもとその家族全員を笑顔に」を目指す「公益社団法人 難病の子どもとその家族へ夢を(通称:Hope&Wishホープ&ウィッシュ)」の設立メンバーで理事の柴田礼子さんにインタビュー。難病を患う子どもは、全国に約25万人以上。そしてその周りには、一緒に難病と向き合う家族がいます。ご自身も難病きょうだい児だったという柴田さん。団体の想いや活動内容についてお話をお聞きしました。

病気を患っているのは本人だけじゃない

―—私たちの団体は、 2010年から「難病を患う子どもとそれを支える家族」を応援する活動をしています。通常、子ども本人だけが支援や助成の対象になることが多いのですが、日々、病気を患っているのは本人だけではありません。つきっきりで看病する母親や父親、甘えたい気持ちや寂しい思いを我慢している兄弟、姉妹。家族それぞれがさまざまな思いを抱えながら、難病と向き合っています。私自身も弟が医療事故で脳性麻痺になった難病きょうだい児でした。家族の生活の中心はすべて弟だった。弟は15歳で他界。でも、その後も家族の人生はずっと続いていきます。難病の子どもとその家族に永続的に伴走し、彼らと社会の交流の場や機会を創り、「大丈夫、独りじゃない」と実感してもらうことが活動の目的です。

家族みんなを笑顔に!約300家族が参加「ウィッシュ・バケーション」

―—設立以来、ずっと続けている支援の1つがウィッシュ・バケーション(家族全員旅行)。身体的ケアや金銭的負担を含め、企業や個人の支援者のご協力で実現している家族全員旅行です。これまでに東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどのテーマパーク、沖縄、広島、和歌山などへの旅行を約300のご家族に体験していただきました。家事や仕事や闘病で慌ただしく過ぎる日常。非日常の場所や環境に身を置くことで、初めて気づく日常の中の歓びや幸せがあります。私たちが考える「非日常」は、現実回避ではなく、「ちょっと離れて、また戻ってみて、改めて見つめなおす」こと。この経験が明日以降も続く、家族での闘病の大きな活力に繋がっていくと信じています。

大事なのは人に「助けて」「手伝って」と言う勇気をもつこと

―—病気が重篤であるほど必要な医療機器もあり、新幹線や飛行機に乗ることにハードルが高くなります。お子さんの中には、このウィッシュ・バケーションで「初めて新幹線に乗った」という子が多くいます。また、ご家族も「自分だけでは乗せるのが不安」「人目が気になる」という理由で、子どもが病気になって以降、遠出ができなくなった方も。中には、空港に着いたとたんに涙するお母さんもいます。でも、医療行為以外のケアは看護師さんよりお母さんのほうがずっと上手です。そして、今は交通機関もホテルも対応できる体制がきちんとあります。移動できないことはない。大事なのは「外に出る勇気を持つこと」「人に助けて、手伝ってと言えること」なんです。そして、この勇気や言葉がさまざまな変化を起こすチカラをもっています。

1つの家族の外に出る勇気が、ほかの家族の勇気に繫がっていく

―—ウィッシュ・バケーションの様子は、団体のホームページでもたくさん掲載しています。病気は恥ずかしいことでも、誰かのせいでもない。だから同意のうえで、ご家族の写真の顔を隠すこともしていません。家族の生きざまは他の人にも勇気を与えます。1つの家族が外に出る勇気をもつことが、ほかの家族の勇気に繋がる。そうやって社会で共に育み合う場ができていく。思い切って「家から出る」ことから循環が動きだすのを感じます。

ユニバーサルデザインとフルサービスをあえてやめた沖縄のバケーションハウス

―—2020年3月、沖縄の恩納村に難病を患う子どもとその家族、病気で子どもを亡くされた家族を対象としたHope&Wishバケーションハウス「青と碧と白と沖縄」をオープンしました。一般の人も社会貢献(間接支援)として宿泊いただける共生の場です。ここでは、あえてバリアフリーやフルサービスをやめています。理由は、ハード面でバリアフリーにすることよりも、ソフト面で人の意識を変えていくことのほうが難しく、大切だと思っているから。2階に上るのは「これくらいなら行けそうだ」というゆるやかな階段。そうすると、一声かける、誰かの手を借りる、手を貸すことで、車椅子のままみんなで運ぶシーンが自然と生まれます。そういう意識や行動が体験できる場になっています。

日常と非日常、本人と家族、永続的で包括的な支援のために

―—他にも、私たちの団体では、非日常体験だけではなく、日常の支援をするために、医療的ケアが必要な子どもたちの訪問看護と自宅での学びの支援もしています。そこでも、当事者の子どもだけでなく、きょうだい児や親もともに学ぶことができる場を作っています。ベネッセこども基金の助成事業においても、その家族全員を応援する学びの支援を実施させていただいています。

「最後はええようになる!」 勇気をもらっているのは、私たちのほう

―—私たちの活動目的は、「難病の子どもとその家族を応援すること」ですが、彼らの生きざまから、日々、希望や勇気をもらっているのは、実は私たちのほうなんです。遺伝性の難病を患う、ある1組のお父さんと娘さんがいます。長いおつきあいになるのですが、その家族が、まあポジティブで明るい。難病があっても、親が明るいと子どもはこんなに明るく育つんだと感動します。その家族の口癖が「最後はええようになる!」。何度も死に直面した、その家族から出るその言葉にどれだけ救われたことか。自分が困難に直面した時、いつもその言葉に励まされています。彼らとの交流を通して「自分の命ってなんだろう」「自分の命をどうやって使っていくか」を日々、考えさせられます。

ママが笑うから、子どもも笑う

―—たくさんのご家族にお会いしますが、いちばん多くを背負って頑張りがちなのがママです。でも、ママが元気じゃないと、ママが笑ってないと、子どもも笑えません。それは病気の有無に関わらず、子育て中のママみんなに共通することかと思います。特に子どもが小さいときは社会から孤立しがち。ぜひ、住んでいる地域で味方を作ってください。近所の人に「こんにちは!」「今日は天気がいいですね!」とか、何でもいいので、ひと言話しかけてみる。そういった日頃の習慣が困ったときに「話を聞いて」「手伝って」「助けて」と言えるハードルをぐっと下げます。育児にとって、とても大切なことだと思います。
(Hope&Wish 公益社団法人 難病の子どもとその家族へ夢を 柴田礼子さん)

公益社団法人 難病の子どもとその家族へ夢を(通称:Hope&Wishホープ&ウィッシュ)

2010年3月一般社団法人設立、2012年11月に内閣府認定の公益社団法人に。
全国の難病を患う子どもとそれを支える家族全員を応援する非営利組織として「ウィッシュ・バケーション(家族全員旅行)」、「シンデレラプログラム・スノーホワイトプログラム(外出困難な家族や緊急性の高い子どものための病室や自宅実施プログラム)」、「Hope&Wishバケーションハウス 青と碧と白と沖縄」、「小児訪問看護ステーションダイジョブ」の運営などを行っている。米国フロリダ州非営利慈善団体「ギブ・キッズ・ザ・ワールド」認証姉妹団体。

【公式サイト】https://www.yumewo.org/

■取材・文/伊地知悠紀

「たまひよ」では、だれもが産み育てやすい社会の実現をめざして「たまひよとつくるこどものミライプロジェクト」を実施中です。

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