偏差値82から転落した最大の理由とは…？！【御手洗直子のコマダム日記】

一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ＆エッセイでお送りします。

「つっこみが止まらないコマダム日記」#115
今回は高１の５月にハマッてしまったアレにまつわるお話です。

一冊の同人誌が人生を変える

前回までのあらすじ……将来の夢に絶望した15歳は順調に勉強しないカウントダウンに入った。

さて将来の夢（中学校の先生）がめちゃくちゃ競争率の高い職業だと知った私はおそらく将来へのモチベーションがダダ下がりの状態にあったわけだが、そこへ高１の５月運命的な出会いがあった。こっから下にオタクの早口萌え語りが連なるのでNotオタクの方々のために結論を先に書いておくが、

『高１の５月、二次BLにダダハマりして以来一切勉強をしなくなった』

である。
５月である。高１、５月のスパコミである。

好きな作家さんのサークルへ行きお目当ての本を買う際、見たことあるジャンルの本を見つけ、『アッこのジャンルの本も出されてるんだ～～～原作はちゃんと見たことないけど買ってみよう♪』とその本を買った。終わりの始まりである。家に帰ってその本を読んだ瞬間から私の人生は崩壊した。ダダハマりのクソハマりである。ちなみに忍者の学校のやつです。だってばよ。じゃないやつです。オタクなので聞かれてもないのにジャンルを語り出します。

前後不覚になった私はその日からアニメを見始め原作を集め始めファンアートを描き始め…おそろしいことに私はこの時ファンアートだけにとどまらず同人誌を描き始めたのである。同人誌とは漫画を描いてそれを自分でお金を出して印刷所で本にしてもらうという狂気の業余である。私をダダハマりのクソハマりさせたご本についてきたオンリーイベントのチラシで10月のイベントを申し込み、10月合わせに同人誌を作り始めたのである。アンドその印刷費のためにバイトを始めたのである。思いついたことをすぐやる課。
私は○○○○（カプ名）本を作らなければならないのだ。えっ？なんでコピー誌じゃなくていきなりオフ本を作り始めたのかって？ネットも無い当時、情報源がイベントパンフの巻末広告だけだったため印刷所の広告だけを見てコピー誌という概念が私の中に存在しなかったからである。どーだおそろしいだろ。

その日から放課後は原稿、土日休日はバイト、授業中はネームと原稿というイカれた生活が始まった。ほぼ初めてマトモな漫画を描く高校生がトンボタチキリノド拡縮比率ノンブル多色原稿トレぺ指定を勉強しながらつけペンで漫画を描くのである。勉強なんてしている時間があると思うか？いや無い。（反語）こちとら版下を作るのに忙しいのだ。

そんなわけでマジでその日から一切勉強をしなくなったのだが、ド底辺に落ちるのはめちゃくちゃ簡単なのであった。


次回……ド底辺に落ちると具体的にどんな状態になるか。

御手洗直子
Profile　pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」（共に新書館）、「腐女子になると、人生こうなる！～底～」（一迅社）、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」（ベネッセコーポレーション）など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
　御手洗直子twitter：＠mitarainaoko