1. トップ
  2. 赤ちゃんの子育て・育児
  3. アトピー性皮膚炎がある赤ちゃんの、卵スタートの考え方が180度変わります!

アトピー性皮膚炎がある赤ちゃんの、卵スタートの考え方が180度変わります!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


かつて食物アレルギーの予防は、食物アレルギーの原因となりやすい食物を避けたり、遅らせたりすることがいいと考えられていました。その常識が大きく変わります。 2017年6月16日に、日本小児アレルギー学会から「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」が出されました。提言では、アトピー性皮膚炎(かゆみのある乳児湿疹を含む)の赤ちゃんは、医師の管理のもと、6カ月から少しずつ卵を与え始めることが推奨されています。 アトピー性皮膚炎の赤ちゃんは、卵の食べ始めを遅らせることで卵アレルギーが予防できないばかりか、発症の危険性が高くなることがわかってきたのです。 卵は、0~1才の食物アレルギー原因食物のナンバーワン。国立成育医療研究センター生体防御系内科部アレルギー科の大矢幸弘先生にお話をうかがいました。

そもそもアトピー性皮膚炎って?

「アトピー性皮膚炎は、皮膚にかゆみのある湿疹が出る病気です。日本では、赤ちゃんの皮膚にかゆみのある湿疹が出ると、俗に“乳児湿疹”と呼ぶことがあります。イギリスでは、アトピー性皮膚炎も乳児湿疹も『Eczema(エグゼマ)』と呼び、とくに区別されていません。乳児湿疹といわれている場合でも、赤ちゃんにかゆみのある湿疹があり、以下の3つ以上を満たす場合は、アトピー性皮膚炎の可能性が高いでしょう」

①現在、ひじやひざの裏側などの関節部分、頰、腕や脚の外側のどこかに湿疹がある

②過去に関節部分、頰、腕や脚の外側のどこかに湿疹ができたことがある

③過去に皮膚が乾燥したことがある

④赤ちゃんのママ、パパがアレルギー体質

アトピー性皮膚炎だと、なぜ卵を食べる時期を遅らせちゃダメなの?

「アトピー性皮膚炎は、皮膚に炎症が起きている状態です。皮膚が健康だとバリア機能が働き、アレルギーの原因となるアレルゲンがブロックできます。けれど、皮膚が乾燥したり炎症が起こったりすると、皮膚のバリア機能が壊れます。

そこからアレルゲンが侵入し、異物と認識されることを“感作”といいます。感作を受けたアレルゲンは、次に口から同じアレルゲンが入ることで、体が食べ物ではなく異物と認識。体の免疫機能が激しく反応し、食物アレルギーが発症すると考えられています。

卵はほこりにくっつきやすいので、卵を食べる家庭ならどこでも環境中に存在します。皮膚に炎症が起きていれば、そこから卵のアレルゲンが侵入すると考えられます」

――卵の感作を受けているならば、卵を食べるのは避けたほうがいいのではないでしょうか?

「2016年12月に発表した私たちの研究では、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんは卵の食べ始めを遅らせても、卵アレルギーの予防にならないばかりか、遅らせることで発症しやすくなるという結果になりました。

4カ月までにアトピー性皮膚炎を発症した赤ちゃん121人を、6カ月から卵を食べさせる赤ちゃん61人と、まったく食べさせない赤ちゃん60人に分け、1才の時点で食物アレルギーの発症率を調べました。6カ月から卵を食べさせた赤ちゃんのほうが、8割も発症を抑えられたのです」

離乳食で卵をどう食べさせたらいいの?

「アトピー性皮膚炎の赤ちゃんが離乳食を始めるときは、必ずアレルギー専門医に相談しましょう。
まずはアトピー性皮膚炎の治療をし、皮膚をきれいな状態にしてから、6カ月でかたゆで卵を食べ始めることをおすすめします。初めて卵を食べるときは、医師の指示に従いごく少量にします。食物アレルギーの症状の強さは、食べたアレルゲンの量に比例するため、最初はごく少量に、よく加熱してかたゆで卵を与えることが大切です」

――赤ちゃんがアトピー性皮膚炎ではない場合は、どうしたらいいのでしょう?

「生まれてからずっと皮膚が健康な状態であるならば、ほかの食材と同様、厚生労働省策定の『授乳・離乳の支援ガイド』にそって進めましょう」

――すでに食物アレルギーと診断されている場合は、どうしたらいいのでしょう?

「かかりつけのアレルギー専門医に従って、離乳食を進めましょう。ママ・パパの自己判断で卵を食べさせるのはとても危険です。絶対にやめましょう」

大矢先生は「多くのママ・パパが卵の与え始めを遅らせていることが、卵アレルギー患者の増加につながっているのでは」と話します。すでに離乳食を始めていて、赤ちゃんの皮膚に湿疹があり、卵を食べさせるのを遅らせている場合は、早めにかかりつけのアレルギー専門医を受診しましょう。(取材・文/ひよこクラブ編集部)

「ひよこクラブ」2017年8月号(7月15日発売)には、小児アレルギー学会食物アレルギー委員会の提言を受け、緊急取材で報告ページがあります。また、同号の別冊付録は、「離乳食・幼児食の食べていいもの・まだダメなもの 食材&栄養大事典」です。

お話/大矢幸弘先生 (国立成育医療研究センター 生体防御系内科部アレルギー科 医長)
名古屋大学医学部卒業。同大学医学部小児科などを経て、現職。小児アレルギー学、小児科学専門。日本アレルギー学会指導医。

※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。

■おすすめ記事
離乳食の困ったを解決!専用調理アイテムをご紹介

子育て・育児

更新

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  •  

新着記事

新着記事をもっと見る

赤ちゃんの子育て・育児の人気記事ランキング

関連記事