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低月齢から粉ミルクを飲んでいるほうが牛乳アレルギーになりにくいってホント?【小児科医】

子牛の帽子を飲むミルク
※写真はイメージです。
LeManna/gettyimages

0才代の食物アレルギーの原因食材として多いのは「卵」「乳」「小麦」で、三大アレルゲンともいわれます。卵については離乳初期から食べさせたほうが卵アレルギーになりにくいという研究データがあり、離乳食では現在そのように進められていますが、牛乳についても新たな研究が発表されたと言います。小児のアレルギー疾患のガイドライン作成に委員としてかかわっている国立成育医療研究センター・アレルギーセンター センター長の大矢幸弘先生に、牛乳アレルギーの最新情報を教えてもらいました。

「低月齢から少量の粉ミルクを飲ませると牛乳アレルギーが減る」という報告が

「アレルギーを起こすリスクが高くなるから、消化機能が未熟な低月齢のうちは与えないほうがいい」と言われてきた牛乳。そんな“牛乳の与え方の常識”が覆る可能性が出てきました。

沖縄の4つの病院で500人の乳児を対象に行った研究によると、生後1カ月から3カ月の赤ちゃんに少量の粉ミルクを与えたところ、6カ月の時点での牛乳アレルギーを抑制できたというのです。

「『食物アレルギーになりやすい食物は、食べ始める時期を遅らせれば遅らせるほどアレルギーになりやすい』という仮説があり、早い時期から少しずつ食べさせたほうが、アレルギーを予防できるのではないかと、考えられるようになってきています。その正しさを立証する研究結果が、世界のさまざまな国で報告されており、沖縄の報告もその一つです。
研究が進んでいた卵については、2019年の『授乳・離乳の支援ガイド』の改定で、離乳初期(5~6カ月ごろ)から与え始めることになりました。牛乳はこれからさらに研究を進める必要がありますが、食物アレルギーが起こる基本的なメカニズムは同じなので、牛乳も早い時期から与えたほうが、アレルギーを発症する可能性を減らせると考えられるでしょう」(大矢先生)

なぜ、食べ始める時期が遅くなるほど、アレルギーを起こすリスクが高くなるのでしょうか。

「すべての人に当てはまるわけではありませんが、アレルギーを起こしやすい食べ物を初めて食べる時期が遅くなるほど、『経口免疫寛容』が誘導される時期が遅れるからだと考えられます。経口免疫寛容とは、食べたものに対して過剰なアレルギー反応を起こさないようにするしくみ。食物アレルギーを起こしやすい食べ物を早い時期から少しずつ食べ続けると、経口免疫寛容が誘導されることがわかってきたのです」(大矢先生)

肌トラブルなどのリスクがなければ、完全母乳でも心配しないで大丈夫!

粉ミルクは牛乳からつくられるので、経口免疫寛容のしくみから考えると、「母乳と粉ミルクの混合授乳や完全ミルクで育てている赤ちゃんは、牛乳のアレルゲンに対して免疫寛容が誘導されていて、牛乳アレルギーを起こしにくいと考えられる」とのこと。
では、完全母乳で育てている赤ちゃんは、牛乳アレルギー予防のために粉ミルクを飲ませたほうがいいのでしょうか。

「食物アレルギーの原因となるアレルゲンは、口からだけでなく皮膚からも体内に侵入する、というのが現在の食物アレルギーの考え方です。赤ちゃんの皮膚に湿疹(しっしん)ができたことがなく、ママやパパがアレルギー体質でなければ、母乳のみで育てていても、牛乳アレルギーを過剰に心配する必要はありません。あえて粉ミルクを飲ませなくても大丈夫です」(大矢先生)。

<食物アレルギー発症リスクチェック>
・アトピー性皮膚炎と診断されている
・赤ちゃんの皮膚にかゆみを伴う湿疹ができたことがある
・皮膚が乾燥したことがある
・ママやパパがアレルギー体質

「このリスクに当てはまる赤ちゃんや、母乳育児が軌道に乗る前に粉ミルクを飲んだことがあり、その後完全母乳になった赤ちゃんは、牛乳のアレルゲンに対して抗体を作っている可能性があります。そのため、乳製品を初めて食べさせたり、牛乳(人工乳)を飲ませたりするときは、少量から始めてアレルギー反応を起こさないか様子をしっかり観察することが重要です。
離乳食スタート前の月齢で、今後、牛乳アレルギーを起こすのが心配な場合は、母乳を飲む量に影響が出ない程度の少量の粉ミルクを、1日1回飲ませることを始めてもいいでしょう。成育医療センターのスタッフで育児中のママも、少量の粉ミルクを加えながら母乳育児を続けている人がいますよ。
ただし、粉ミルクを飲ませ始めたら毎日続けないと、かえってアレルギーのリスクが高くなることがあります。そのことも考慮して行ってください」(大矢先生)

母乳を飲ませる量は減らさないようにしましょう

低月齢から少量の粉ミルクを飲むことで、牛乳アレルギーになるリスクを減らせる可能性があるということのようです。
でも、「だからといって、せっかく出ている母乳をやめてしまうのは問題」と大矢先生は言います。

「母乳には、赤ちゃんの成長に必要な栄養がたくさん含まれていますし、赤ちゃんを病気から守る免疫を与えることもできます。母乳が十分に出ていて母乳育児がスムーズにいっている場合は、今のペースを守りましょう。粉ミルクを飲ませるとしてもごく少量にして、母乳育児に支障が出ないようにしてください。
そしてスキンケアをして健康な皮膚状態を保つことが大切です」(大矢先生)

お話・監修/大矢幸弘先生 取材・文/東裕美、ひよこクラブ編集部

牛乳アレルギーに対する考え方が変わりつつありますが、まだ研究途中なので、明確な指針が出るのは先になりそう。今の段階では、赤ちゃんの肌を健康に保つことが大切なようです。乳製品や牛乳を与えるときはごく少量から始め、赤ちゃんが牛乳アレルギーを起こすのを防ぐようにしましょう。

大矢幸弘先生(おおやゆきひろ)

Profile 
国立成育医療研究センター・アレルギーセンター センター長。日本小児科学会および日本アレルギー学会の専門医・指導医。国立名古屋病院小児科、国立小児病院アレルギー科などを経て、2002年から国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科医長、2015年に国立研究開発法人への改組を経て現在に至る。小児アレルギー疾患のガイドライン作成に委員としてかかわる。

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