SHOP

内祝い

  1. トップ
  2. 赤ちゃん・育児
  3. 70%以上のママ・パパが知らない?! 子ども服の安全基準。購入時に注意したいチェックリスト8【専門家】

70%以上のママ・パパが知らない?! 子ども服の安全基準。購入時に注意したいチェックリスト8【専門家】

更新

赤ちゃん人形の家自宅の再生
※写真はイメージです
M-image/gettyimages

子ども服を選ぶとき、なかにはデザイン性重視というママやパパもいるでしょう。しかし赤ちゃん・子どもが、時には大きな事故にあってしまう危険がある服の仕様やデザインがあることを知っていますか。「子ども服の安全性向上プロジェクト」で活動する NACS標準化を考える会代表・田近秀子さんに危険な子ども服について聞きました。

子ども服にはJIS規格が! しかし規格外の危険な服が市場に出回っている

子ども服にも、国内の統一安全基準であるJIS規格が2015年に制定されているのを知っていますか。JISとは日本産業規格(Japanese Industrial Standards)の略で、日本の産業製品に関する国家規格です。JIS規格にはそれが何の規格かを識別するための番号がつけられていますが、子ども服の規格は覚えやすいように「JIS L4129(よいふく・よい服)」となっています。

子ども服の場合は、とくに衣類についているひもやリボンによって事故が起きやすいため、「JIS L4129」規格では頭や首回りから垂れ下がるひもや、背中から出るひも、背中で結ぶひも(リボン)などはつけないように基準が設けられています。
しかし危険なひもやリボンがついた子ども服は、まだ市場には出回っていますし、JIS規格を知らないママ・パパもいるようです。

「2016年、小中学生を対象に夏休みに行う『子ども霞が関見学デー』で、保護者171名に、『JIS L4129ができたことを知っていますか?』と質問したところ、『知っている』と答えた人は48人(28%)。70%以上は『知らない』と回答しています。

JISではひもをつける位置(頭、首回り、ウエスト、背中、腕など)によってつけ方や長さが規定によって決められています。子ども服のJIS規格が制定されてから、百貨店や小売店などではJIS規格に適合していない危険な子ども服はほとんど見なくなりました。
しかしJIS規格は任意なのでメーカーへの強制力はなく、一部の量販店やネット通販、フリマサイト、手作りサイトなどではいまだに販売されています。そのため大切なことは、ママやパパがどんな子ども服が危険なのかを知って、『この服は安全か?』の視点をしっかり持って子ども服を選ぶことです。」(田近さん)

子ども服の安全性チェックポイント「ひも・フード」チェック項目

「NACS標準化を考える会」が作成したチェック項目です。

「これは子ども服のJIS規格をもとに、消費者にも事業者にも活用できるチェックシートとして、2021年に作成したものです。該当する項目がある場合は、事故につながる危険性があるため、購入したり、子どもに着用させるのはやめましょう。フードはJIS規格対象外ですが、遊具などに引っかかる危険もあるのでチェックシートに入れています」(田近さん)

アメリカでは、子ども服のひもによる死亡事故を受け、25年前に安全規格を制定

日本で子ども服にJIS規格が制定されたのは2015年ですが、海外では子ども服の安全性は以前から取り組まれていると田近さんは言います。

「アメリカでは、米国消費者製品安全委員会(CPSC)が、1985年から約10年間に、子ども用上着の引きひもの引っかかりが原因の死亡事故が17件、負傷事故が42件起きていることを示し、1996年にガイドラインを公表して、事故原因となる首回りのひもの禁止や、上着のウエスト、ズボンの裾(すそ)のひもの長さを制限しました。これは上着の裾についているひもがスクールバスのドアに引っかかって引きずられて死亡した子どもがいたりしたためです。このガイドラインを基に1997年、米国材料試験協会(ASTM)は、2歳~12歳のアウターウエアに、フードおよび首回りに引きひもをつけないなど、引きひもに関する安全規格を制定しています。
ほかにも、9カ月から14歳のパジャマには難燃性の素材を用いるか、体にフィットする指定サイズでデザインするように義務づけられています。日本よりも対応は厳しいと思います」(田近さん)

子ども服の首回りにひもがついていると、たとえば遊具に引っかかったとき首が絞まる(窒息)危険性があります。またズボンの裾にひもがついているとエスカレーターに挟まれたり、電車のドアに挟まれる事故も報告されています。

「子ども服のひも・リボンが原因でこうした事故が何件起きているか公表されているデータは残念ながらほとんどありません。理由は事故原因を分類するとき、子ども服ではなく、遊具が原因として分類されることがあると考えられます。

しかし子どもたちに聞き取り調査をすると『衣類のひもが自転車に引っかかって転倒しそうになった』などの声が聞かれます。衣類のひもやリボンが原因で、怖い思いをしたことがある子どもたちは意外と多いことをママやパパには知ってほしいです」(田近さん)

お下がりや手作りの子ども服は、安全性の確認を

前述のとおり、子ども服にJIS規格が制定されてから、百貨店や小売店などではJIS規格外の危険な子ども服はほとんど見なくなりましたが、ネット通販やフリマサイト、手作りサイトなどではいまだにJIS規格に適合していない危険な子ども服が販売されています。

「とくにコロナ禍で、家の整理を兼ねて、子ども服のお下がりをフリマサイトに出品したり、お裁縫が得意なママ・パパが子ども服を作ったりして、手作りサイトで販売するケースも増えているようですが、事故につながる危ないひもやリボンをつけるのはやめましょう。ママ友だちにお下がりを譲るときも同様です。もしひもがついている時は抜き取るなどしましょう。
危険性を知らずに譲ったり、売ったりして大きな事故につながらないようにしてほしいと思います」(田近さん)

【山中龍宏先生より】子どもの首の回りにひもやリボンがある危険性の認識を

「子ども服が原因で、時には大けがをしたり、亡くなることがある!」と言われても、ピンと来ないママやパパもいるでしょう。
子どもの事故では、垂れ下がったブラインドのひもが首にからまって亡くなった子もいます。ママやパパには衣類の安全性だけをチェックするのではなく「子どもの首の回りにひもやリボンがあるのは危険!」という視点を持ってほしいと思います。そうした視点を持つと衣類だけでなく、住環境などにも注意を向けるようになり、より子どもの事故が防げます。

監修/山中龍宏先生

お話・監修/田近秀子さん

協力/NACS標準化を考える会 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

危険な子ども服は、ひもやリボンだけではありません。ボタンや飾りがしっかりついていないと誤飲の危険性もあります。またサイズが大きい服は転倒や、花火、バーベキューなど火を使う場所では引火する危険性もあります。あらためて子ども服の安全性を再チェックしてみてください。
詳しくは<子ども服の安全性向上プロジェクト>のサイトをチェックしてください。

■子ども服の安全性向上プロジェクト

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

赤ちゃん・育児の人気記事ランキング
関連記事
赤ちゃん・育児の人気テーマ
新着記事
ABJマーク 11091000

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第11091000号)です。 ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら→ https://aebs.or.jp/

本サイトに掲載されている記事・写真・イラスト等のコンテンツの無断転載を禁じます。