誕生日プレゼントをくれない配偶者【御手洗直子のコマダム日記 #130】
一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。
「つっこみが止まらないコマダム日記」#130
今回は誕生日プレゼントにまつわるお話です。
誕生日プレゼントをくれない配偶者…そう…それは私…(沈黙)
結婚記念日も、誕生日も覚えてなくてプレゼントなんて当然無いのよ、ひどくない?という感じの話を、創作でも口コミなどでもよく聞くが私は完全に『プレゼントなんて当然無い』方の対応をする人間である。
恋人、または配偶者間でプレゼントをやりとりする…というマメな性格ではないため、相手の誕生日を覚えてはいるがお誕生日おめでとう。お互い健康でよかったね…で終わらせておきたい。言うなれば一万円札を渡して『これで好きな物を買っておいで』で終わらせたいタイプだ。デリカシーなど、無い。だって相手の欲しい物をリサーチして買うなら現金渡した方が手っ取り早いじゃんよォ~~~~。ケーキとかごちそうも、用意してくれたら一緒に食べますけど。えっ?アッ、私が用意するんですか?何が食べたいんだい?ほうら、お金をあげるから好きな物を食べておいで。こういう思考回路である。モテない。
さてそういう性格である私の配偶者(トリ肉)はどうかというと、タオルを一か月以上使いまわして汚臭の権化へと転化する(独身時)性格のクセに記念日にはマメな性格をしている。マジかよ。毎年結婚記念日には仕事を休んでお祝いするし、私の誕生日にはその時私がハマッているジャンルのグッズで私が使いそうな物を調べてプレゼントしてくれる。えらい~~~~~~~~なんでモテなかったの?それはタオルを一か月以上使いまわすからである。
結婚して最初の誕生日をスルーした私に翌年トリ肉は誕生日プレゼントを指定してきた。私に絵を描いてほしいと。なるほど、それならよかろう。とリクエストされた通りトリ肉とむすめのイラストを描いて納品した。わりとまじめなカラーイラストを描いたので何かを買いに行く手間よりはるかに労力がかかるのだが、外出することが嫌いな引きこもりなのでその条件で仕事を引き受けたのであった。そう、仕事ならできるのである。
以降10年間、一か月ほど前に発注をもらい誕生日にイラストを納品するというミッションをこなしてきた。わりとえらいと思う。そしてその間もトリ肉は私の言動をリサーチして毎年マジメにプレゼントを用意してくれていたのであった…マジで…?マメな性格の人は、えらい…。
配偶者間であれば私が愚かであるという事実だけで済んでいたのだが、むすめたちがいる今、片方だけでもマメな人間がいてよかった…と思うのであった。私だけだったらおそらくクリスマスも誕生日プレゼントも現金を渡しておしまいであった。お金持ちの悪者かよ。デリカシーは金では買えないよ、レオリオ。(おわり)
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子twitter:@mitarainaoko