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ことばの発達に不安…。ママ・パパたちが気になる、やっていいこと・ダメなことQ&A【言語聴覚士】

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指をしゃぶる子供
●写真はイメージです
chachamal/gettyimages

「指しゃぶりが直らない」「ごはんを丸飲みしてしまう」などの子どものくせは、ことばの発達に影響するのでしょうか? 子どものことばの発達に不安を感じるママやパパからの質問を、こうざと矯正歯科クリニックの「ことばのきょうしつ」で診療を行う言語聴覚士 山田有紀先生に聞きました。

教えて!子どものことばの発達で気になるあれこれQ&A

山田先生に、ママやパパが気になる、子どもの成長とことばの発達にまつわる質問に答えてもらいました。

Q 2歳でまだ卒乳していません。ことばなどに影響がありますか?

【山田先生より】
授乳には、舌の筋肉や口やのどなどの発達以外にもさまざまな効果があります。ママやパパに抱っこされながら母乳やミルクを飲み、親子の愛着が形成されることは、ことばの発達には不可欠です。2歳ころになると食事もとれるようになってきていると思いますから、おっぱいが欲しくなるのは、寝る前や不安なときなど心理的な安定を求める面があると思います。授乳期間が長くても、ことばの発達に悪影響を与えることはないので、何才までに、などは気にしなくていいでしょう。

Q 3歳で指しゃぶりが続いています。ことばが遅くなると思い注意したらチック症状が出てしまいました。

【山田先生より】
子どもが指しゃぶりをするのはどんなときかというと、だいたいひまなときやぼうっとしているとき、テレビを見ているときやちょっと不安になったときだと思います。指しゃぶりが気になるのであれば、外遊びをしたり、指先を使うような遊びをしたりして、なるべく暇な時間を与えないようにするのも一つの方法です。親が気にして「やめなさい」と注意ばかりするのは避けたほうがいいでしょう。

チックが出るのは、安心するためにやっていた指しゃぶりを奪われてしまったからと考えられます。注意して指しゃぶりがなくなったとしても、ほかのくせが出てくるかもしれません。集団生活が始まるようになると自然にしなくなることが多いですし、ことばの発達には悪影響はないので気にしすぎなくて大丈夫です。

Q 子どもがよくかまずにごはんを丸飲みします。あごの発達によくないでしょうか。

【山田先生より】
うどんなどのめん類やごはんは丸飲みしやすい食材です。丸飲みのくせがある子は、口の中をパンパンにしないと食べられない傾向があります。パンパンにして、口に入っている食べ物の重みを使って飲み込んでいるんです。また、ひと口の適切な量がわかっていない子もいます。丸飲みのくせがあると、舌で食べ物をのどに送り込むことが苦手で、唇の力や舌の力が弱いので、発音に影響する可能性もあります。しっかりよくかんで食べて口の力を育てることは、ことばの発達に大切です。

このような場合は、1度に食べ物を口に詰め込みすぎないようにする必要があります。最初のうちは、食べ物をひと口サイズで出してあげるといいかもしれません。「ひと口ぶんを口に入れたらよくカミカミするんだよ。口の中がなくなったら、次を食べようね」と教えてあげながら、適切なひと口の量をきちんとかみ、飲み込んでから次のひと口を食べる習慣をつけましょう。

Q  2歳を過ぎても5つくらいの言葉しか話しません。早く専門家に相談したほうがいいでしょうか。

【山田先生より】
私の「ことばのきょうしつ」がある香川県坂出市では、2歳児相談を行っています。通常、乳幼児健診は1歳半健診と3歳児健診がありますが、その間の子どもことばの発達は著しいため、2歳でチェックをして、必要であれば専門家につなげようという取り組みです。

1歳半健診では、発語の項目は3〜5語くらい出ていて、指さしができればOKとなっています。
2歳児相談では、指さしももちろん確認しますが、事前にチェックリストを郵送してどのくらいのことばを話すかをチェックしてもらいます。目安は50語くらい話しているかどうか。もし2歳児相談で、話すことばが30語くらいで指さしもあまりしないなどの場合には、さらに3カ月後にもう1回きてもらうようにしながら、2歳半くらいまで状況を見ます。その中でことばが増えないなら、療育などのサポートにつなぎます。
この質問のように、2歳半くらいでことばが気になる場合にはできるだけ早めに専門家に相談したほうがいいと思いますが、受け入れる機関が不足している問題もあります。

Q  4歳くらいから吃音が出始めました。指摘したり、言い直しさせたりしないほうがいいでしょうか?

【山田先生より】
吃音がいちばん出やすいのは2〜3歳のころといわれていますので、4歳というと、もしかしたらもう少し前から出ていたかもしれません。2〜3歳はことばが爆発的に増える時期です。自分でわかっていることばと、自分が話せることばのバランスが取れなくて、話したいのに話せないことから吃音が出てくるケースがあります。それが一時的なもので終わる子もいれば、そこから引き続いてしまう子もいます。その原因は不明です。

吃音は、出始めたら半年以内に専門家にかかったほうがいいとも言われます。専門機関では、どうして吃音が出るのか、出やすい場面などを調べ、かかわり方のアドバイスを受けることができます。吃音は症状が進んでしまうと、治りにくいものです。吃音によって話すこと自体がイヤになるなどの2次的な弊害が出てくることもあるので、早めに対応できる専門家を探すことをおすすめします。

お話・監修/山田有紀先生

監修/上里聡先生

取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

山田先生のことばのきょうしつは、香川県坂出市の2歳児相談で練習が必要な子をサポートするために作られたため、2〜3歳くらいの小さな子も多く通っているのだそうです。ことばの発達のしかたはその子によって大きく異なります。先生の回答を目安に、気になる症状があれば専門家に相談してみましょう。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

※当記事では“ことば”とひらがな表記にしています

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