息子を叱ってしまい猛省…子どもの気持ちを分かってあげられなかった『何かを伝えるのは難しくて簡単だ』おさるさんにインタビュー
2歳の男の子・もんちゃんを育てているおさるさんは、育児中の日々のできごとを漫画にしてインスタグラムにアップしています。なかでも『何かを伝えるのは難しくて簡単だ』『2歳児健診に行ってこれからの1年を考えた話』は、子どもに注意する際の言葉の伝え方や子どもの発達に悩む親の気持ちに刺さり、多くの共感を呼びました。この漫画を描いたおさるさんに2歳児健診のことや、その後のもんちゃんの成長についてお話を聞きました。
育児は正解が見えず、時間の猶予もないところが大変
――育児漫画を描くようになったきっかけはなんですか?
おさる「子どもがいないときは周りから育児の話を聞くのが苦手でした。『育児漫画なら興味がある人だけに見てもらえるかな?』と思い、インスタグラムに載せるようになりました。漫画は息子が寝てから描いています」
――育児をしていて大変だと思う瞬間と、よかったと思う瞬間を教えてください。
おさる「育児は正解が見えない状態で、今できる最善策を考えなきゃいけないけど、それを調べたり悩んだりする時間も与えてもらえないところが大変だなと思います。それでもわが子の成長を1番近くで感じられるのは日々の喜びであり、幸せです!」
――『何かを伝えるのは難しくて簡単だ』という育児中の気づきを描いた漫画が印象的でした。(言葉の捉え方の違いで、息子のもんちゃんがわざと床にごはんを落としたので、おさるさんが怒ってしまった話)このときのおさるさんの気づきを教えてください。
おさる「すべり台をすべるときなど、息子が少し躊躇しているときにいつも『いいよ』という言葉を使っていたので、息子にとっては『しても良いこと』と思ってしまったんだなと、叱ったあとの息子の表情を見て気がつきました。息子が勘違いしているようで、勘違いしていたのは自分だったな……と。
でも、まだ言葉が未発達な息子との毎日なので、今後もこういう行き違いは起こると思うんです。だからこそ、最初から決めつけないで『なぜそうしたのか』を考えたり、息子に聞いてみたりしてきちんと意思疎通していきたいなと思いました」
何かを伝えるのは難しくて簡単だ①
<食事中、ごはんをわざと落としたもんちゃん>
何かを伝えるのは難しくて簡単だ②
<ごはんを落とすもんちゃんを叱るおさるさん>
何かを伝えるのは難しくて簡単だ③
<もんちゃんはおさるさんの「いいよ」を「良いこと」と捉えていた>
何かを伝えるのは難しくて簡単だ④
<言葉を伝えるのは難しいけれど「ごめん」は簡単に相手に伝わる>
子育てしていると言葉を伝える難しさに直面することはたくさんありますよね。いつでも子どもの立場になって物事を考えられたらいいけれど、ときには間違ってしまうこともあります。そんなときは素直に「ごめんね」が、子どもにもすぐに伝わりますね。
念のため行った2歳児健診でまさかの指摘が……
――『2歳児健診に行ってこれからのことを考えた話』は発達に悩む多くの親が共感するストーリーでした。そもそも2歳児健診を受けることになった理由はなんでしたか?
おさる「1歳半健診のときに保健師さんと個人面談をしました。もともと癇癪が強くて心配していたので『心配なら2歳児健診も受けますか?』と聞いていただけて、心配だったので受けることにしました。そのときは『また診てもらえるんだ』と少し安心しました」
――2歳児健診で指摘されてショックだったことは?
おさる「2語文を1つも話せないことを指摘され、『また半年後に診せてください』と言われたときはショックでした。私としては1歳半から2歳の間でかなり成長したし大丈夫だなと思っていたので……。
健診中、息子は保健師に人見知りしていて目を合わせられませんでした。幼稚園に入る前にママと離れても楽しく過ごせるように、児童館や子育てサロンなどへ連れて行くことを提案されました」
2歳児健診で2語文について指摘が……
<だいぶ話せるようになったと思っていたおさるさんはショックを受ける>
児童館や友人の子どもと遊ぶ機会を増やして経験値をアップ!
――2歳児健診を終えて「この子のためにできるだけのことはしよう」と決意したおさるさん。その後はどのような対策をとったり、どんなことに気をつけて過ごしましたか?
おさる「コロナ禍ということもあり避けていましたが、少しでも息子の刺激になればと思い、児童館に積極的に行ってみたり、友人の子と遊ばせたりしました。また今まで息子の行動を常に先回り先回りして対処していましたが、ある程度は息子に任せるということを意識し始めました」
外の世界に慣れるために児童館へ
<自由なもんちゃんにおさるさんはハラハラ……!>
――児童館に行ったり、友人の子どもと遊ぶようになって、できるようになったことを教えてください。
おさる「まず完全に人見知りがなくなり、少しずつお友だちと遊ぶこともできるようになりました。また発語もグンと増えて2語文を話せるようになりました。癇癪はまだ完全には治りませんが、気持ちを切り替えてお片付けをしたり、テレビを観るのをやめられるようになりました」
友人の子どもと遊ぶ①
<お友だちのおもちゃを放り投げてしまったもんちゃん>
友人の子どもと遊ぶ②
<おさるさんがもんちゃんの行動を引き止めていると……?>
友人の子どもと遊ぶ③
<友人のひと言で、もんちゃんの行動を先回りしすぎていたことに気づいた>
プレ幼稚園に通うようになり、さらに成長中!
――最近のもんちゃんの成長を教えてください。
おさる「2歳3ヶ月からプレ幼稚園に行くようになったからか、歌を歌うようになったり、手遊びを少しずつするようになりました。言葉も増え、自分の気持ちや状況を少し伝えられるようになりました」
もんちゃんの成長①
<人見知りもしなくなり2語文が上達してきたもんちゃん>
もんちゃんの成長②
<楽しいことをやめるとき、いつも癇癪していたけれど……?>
もんちゃんの成長③
<できなかったお片づけができるようになった!>
――最後にたまひよの読者のみなさんとこれから出産・育児を経験するパパ・ママたちにひと言お願いします。
おさる「健診で指摘があったとき、すごく落ち込みましたが、逆に細かく見てもらえてラッキーだと思うようにしました。その上で自分は何ができるか、何をしてあげられるかを夫と話し合いながら決めていきました。
育児をして2年、『これで合ってるのか?』と悩み続ける日々ですが、子育ては圧倒的に楽しいことばかりです。特に最初の数ヶ月はめちゃくちゃ大変ですが、私でもなんとかなったのできっと大丈夫です!」
幼い子どもの発達は個人差が大きいので、わが子が健診で指摘を受けたという経験がある方も少なくないのではないでしょうか。「まだ小さいからゆっくり見守ろう」と思っていても、内心「育て方が悪かったのかな……」「早く何とかしてあげなきゃ」と気持ちが焦ってしまいますよね。もんちゃんの場合、児童館などで人との関わりを持つようになって学ぶことも多かったようです。『2歳児健診に行ってこれからの1年を考えた話』はおさるさんのインスタグラムで詳しく読めるので、気になった方は覗いてみてくださいね。(文・清川優美)
プロフィール /おさる
夫と2歳の息子・もんちゃんと3人暮らし。インスタグラム(@monmama.osaru)やブログ「おさるは木からよく落ちる」で子育ての日々の出来事を綴っている。
『2歳児健診に行ってこれからの1年を考えた話』
1話から見る▶︎https://www.instagram.com/p/CcxD0ngJz6q/
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