見逃さないで!2歳児の「力の伸ばしどき」 イヤイヤ期で感じられる4つの成長のサインとは?
2歳は、イヤイヤやいたずらなど、おうちのかたを困らせる行動が増える時期です。でも、そのような行動は、子どもの内面が大きく成長している証拠でもあります。内面の成長のサインを見逃さずに、子どもの力をさらに伸ばしていけるような関わり方を心がけましょう。
2歳のこんな行動は「内面の伸ばしどき」のサイン
子どもが2歳になると、1歳の頃までとは行動パターンが変わってきたと感じる場面が増えてきます。時には「わがままになった」と感じることもあるかもしれませんが、子どもの行動の変化の多くは、内面の成長によるものなので心配いりません。
次のような行動は、2歳児の内面の成長のサインです。これらの行動がみられたら、育ち始めた内面の力をさらに大きく成長させる「伸ばしどき」だと考えましょう。
1.大きいものを選ぶ
目の前に大きいものと小さいものがあったとき、大きいものを選ぶようになるのは、違いを見極めて比較する力が身についてきたサイン。わがままになったわけではないので、「こっちの方が大きいとわかったんだね」と、大きさの違いに気づけるようになったことをほめる声かけをするのがおすすめです。
2.形あるものを作る
1歳のうちは積み木をただ並べたり積んだりするだけだったのが、2歳になるといくつかの積み木を横につなげて汽車に見立てるなど、形あるものを作ろうとする様子が見られるようになります。これは、自分が頭の中でイメージしたものを、手指を動かしていろいろと試しながら創造できるようになったことの表れです。出来栄えを評価するのではなく、試行錯誤のプロセスを見守りましょう。
3.「自分で!」「イヤ!」が増える
おうちのかたにとっては悩ましいイヤイヤ期。でも、こうした自己主張は、自分でできるイメージを持ち、挑戦する意欲が芽生えたきたという成長を裏付けるものでもあります。子どもにとっては、自分でやりたいことがあるのに、それを行動に移す力がまだ身についていないという非常にもどかしい時期なので、その気持ちを受け止めながらサポートしていきましょう。
4.踊るのが上手になる
2歳を過ぎると、感じたことを自分なりに表現できるようになります。音楽に合わせて体を動かすことを楽しんだり、映像に出てくるダンスをまねして踊ってみたりする様子が見られたら、「感じたことを全身で表現できるようになってきたんだね」と、成長を親子で喜び合えるといいですね。
内面の成長とともに、親子の関わり方にも変化が
2歳になりたての頃は、うまくいかないことがあると、「これやって!」とすぐにママ・パパに頼ろうとする場面が多いかもしれません。しかし、内面が成長すると、「できた!」「見て見て!」と自分でできたことを伝えようとするコミュニケーションが増えていきます。
忙しいおうちのかたにしてみると、子どもが話しかけてきたときに、いちいち手を止めて向き合うのは難しいもの。でも、子どもが「できた!」という達成感を伝えてきた場合は、笑顔でアイコンタクトをするなどして、子どもの気持ちに寄り添うことを忘れずに。余裕があるときは、スキンシップも交えて、たくさんほめることを心がけましょう。大好きなおうちのかたに認めてもらえれば、そのうれしさや誇らしさが、子どもの内面がさらに成長していく原動力になります。
子どもの内面の変化を促すには、日々の遊びの中で、子ども自身が自分と向き合いながら試行錯誤するプロセスを見守っていく必要があります。おうちのかたから見ると「失敗」に見えることも多いかもしれませんが、うまくいかない体験をすることは「次はどうすればうまくできるか」を子ども自身が考えて行動に移せるようになる貴重なチャンス。うまくできなかったことを叱るのではなく、「次はできるようになるから大丈夫だよ」と子どもを励ます声かけをしていけるといいですね。
取材・文/安永美穂 取材協力/こどもちゃれんじ