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小さいころの「痛み」の記憶は脳に残る?! 予防接種への不安を軽減させるために、親がしたいこと・してはいけないこと

更新

予防接種を受けた赤ちゃんと母親の抱擁
●画像はイメージです
maruco/gettyimages

予防接種のときに注射をされて泣くわが子を見ると「必要とはいえ、痛そうでかわいそう」「4本も同時接種するなんて!少しでも痛みなく済ませたい」と思うママやパパは多いでしょう。赤ちゃんの注射の痛みをやわらげ、予防接種時の親子の負担を減らすことはできるのでしょうか?
はしもと小児科の小児科医・橋本政樹先生と、看護師・伊藤舞美先生に、親ができることを聞きました。

「注射は痛くて当たり前。痛みは我慢するべき」という考え方が見直されてきている

日本では「注射は痛くて当たり前。痛みは我慢するもの」という考え方が昔から根強くありました。その考え方の影響が大きく、日本では、これまで注射や医療行為に伴う痛みのケアについて、あまり考えられてきませんでした。

「日本と違い、欧米諸国では『注射などの医療行為の痛みは、可能な限りやわらげるべきもの』という考え方が一般的です。痛みを軽減するケアが標準医療として取り入れられていて、子どものワクチン接種に伴う泣き声は小児病棟からいっさい聞こえてこないといった報告もあります」(伊藤先生)

今まで日本では赤ちゃんのころに感じた痛みはその当時の一時的なもので「記憶に残らない」という考え方が通説でした。けれども、最近の研究では、決してその場限りのものではなく、脳の中に痛みの経験として長く残ることがわかってきたと橋本先生は言います。

「痛みの経験の蓄積により、我慢できる痛みのレベルが下がって少し触られただけでも痛みを感じたり、大人になっても慢性的に痛みを過剰に感じやすくなったりするなど、さまざまな問題を引き起こすことがあります。そのため、注射の痛みも、できるだけ軽減させるケアが必要だという考えが広まってきています」(橋本先生)

子どもの予防接種への不安を軽減させるために、親がしたいこと・してはいけないこと

「赤ちゃんの予防接種時に注射の痛みや不安をやわらげるケアをしていると、赤ちゃんは泣くには泣くのですが、泣き方の激しさや時間は全然違うと感じています。とくに予防接種の回数が多い乳児に対しては、きちんと痛みのケアを行うことで、むやみに怖がらせず安心して予防接種を受けてもらうことが大事と考えています」(橋本先生)

注射の痛みをやわらげ、予防接種の負担を軽減させるために親がしたいことは以下のようなことになります。

予防接種に行くときは、子どもにきちんと説明する

予防接種の日は、親が説明したことがまだ全部理解できない年齢であっても、そのことをきちんと伝えましょう。

「まずは子どもに『今日は大事な予防接種があるよ。重い病気にならないための注射だよ』と事前にきちんと説明しましょう。黙って連れて行ったり、『今日は病院に行くけれど、注射じゃないよ』とうそをついたりするのは、親子の信頼関係にとってよくありません。

たまに説明がされないまま病院に連れてこられる子がいますが、何をされるかわからない中、注射されるのは子どもにとっては『だまし討ち』みたいなもの。まだ言葉がわからない赤ちゃんでも『今日は注射に行くよ』ぐらいは話してほしいと思います」(伊藤先生)

注射をするときは、安全確保を最優先

注射時は子どもが泣いてバタバタしがち。でも、親はしっかりと子どもの安全確保をすることが大切です。

「最近は赤ちゃんに対して優しく接するママやパパが多いですが、注射のときは子どもが動かないようしっかり抱くことは守ってください」(橋本先生)

気持ちに寄り添い、終わったら「頑張ったね」とほめて

注射の痛みをやわらげ、予防接種の不安を軽減するためには、親が子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。

「打つときはぎゅっと抱っこして安心させ、終わったら『よく頑張ったね』とほめてあげましょう。このようなことは、痛みや不安をやわらげるケアとしてとても効果があります」(伊藤先生)

注射を脅しに使うのはNG。言葉選びにも要注意

注射を脅しに使ったりしていませんか。

「子どもをしかるときに『そんなことをするなら注射するよ!』と、注射を脅しに使ったり、予防接種後に『痛かったね!ごめんね!』と親が謝ったりするのはNGです。予防接種は子どもの健康を守るためのもの。子どもが注射にネガティブなイメージを持たないように、言葉選びには注意しましょう」(伊藤先生)

医療的なケアも選択肢の1つ

注射時の痛みを軽減する医療的なケアとして、今、外用局所麻酔剤「エムラR®パッチ」が注目されていると言います。


「エムラR®パッチ」は、ローション状の麻酔剤を含んだ直径4㎝ほどの丸型シールで、予防接種をする60分前に接種を予定している部位に貼っておくと注射の痛みを軽減できるというものです。

「ペタッと貼るだけと使い方は簡単。新生児期から、通常1回の接種時に2枚まで使えます。はしもと小児科で3年ほど使っていますが、とくに重い副作用が出たことはないです」(伊藤先生)

「エムラR®パッチ」は健康保険適用になりますが、予防接種は定期接種、任意接種とも自由診療になるため1枚350円ほどかかります(※価格はクリニックにより異なります)。ただし、採血や点滴などの注射に使う場合は保険診療になるため無料です。

「赤ちゃんでも痛みの経験は脳に残る」「注射時の痛みの緩和ケアが必要」などと聞くと、今まで痛みを軽減するケアをしてこなかったママやパパは心配になるかもしれません。
「動物と違って人間の脳の発達は時間をかけてゆっくり進みます。小さいうちはたくさんスキンシップして愛情をたっぷりと注いであげましょう。今後の予防接種で注射をするときに、できる範囲で痛みを緩和することを繰り返せば、お子さんのストレスも減ります。これから少しでも意識してみてください」(橋本先生)

監修/橋本政樹先生、伊藤舞美先生、取材・文/永井篤美、たまひよONLINE編集部

「エムラR®パッチ」の普及を期待しつつ、まずは「痛みはやわらげるべきもの」と認識を変え、事前に予防接種について子どもに説明するなど、予防接種時の痛みや不安をやわらげるためにできることから始めてみましょう。
「エムラR®パッチ」を取り扱うクリニックはまだ少ないのが現状だそう。
使いたい場合は、かかりつけ医に相談してみるといいでしょう。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

橋本政樹先生(はしもとまさき)

PROFILE
はしもと小児科院長。日本小児科学会認定小児科専門医。医学博士。国立香川医科大学(現・国立香川大学医学部)卒業後、愛媛県立中央病院元小児科医長などを経て1999年はしもと小児科を開業。

伊藤舞美先生(いとうまいみ)

PROFILE
はしもと小児科看護師長。保育士養成学校講師。アレルギー疾患療養指導士。日本ワクチン学会、日本外来小児科学会、日本小児保健協会所属。東京都立八王子小児病院(現・東京都立小児総合医療センター)NICU主任などを経て現職。

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