「息子に無理するなって言うけど、全然してませんよ...」「出産直後の面会、マジでやめて」直接は言えないけど、義父母に言いたいみんなの心の叫び!
ちょっとモヤモヤすることもある義両親との関係。夫と2人暮らしの頃は適度な距離感を保てていても、子どもが生まれるとそうも言っていられない場合もありますよね。
そこで、「たまひよ」アプリユーザーへのアンケートで、直接は言えないけど、普段から義両親に抱えているモヤっとにバシッ!と言い返してもらいました。
公認心理師の大美賀直子さんに義両親と上手く付き合うためのコツもお聞きしました。
義両親だけでなく、夫への「モヤっと」も…
最初に、「たまひよ」アプリユーザーの声からご紹介します。
「生まれたらすぐ会いたい、という義両親。産後は疲れるし、気を遣うから、落ち着くまで会いたくないっ!」(まゆ)
「子どもの育て方とか私の息子については口出ししないで!」(Berry)
「私に向かって、男は家のことをしないんだから、つわりが落ち着いている間にちゃんとしないとダメと言われました。
『つわり中は、もっと家のことをしなさい!』と息子に言って欲しかったーー!」(いなり)
「『LINEでのやり取りは面倒だから、電話してきて!』と言われるんですが、毎回通話時間が1時間超えだからかけたくないんです!(笑)」(ぷかぷか1/7)
「夫と義両親に対して。
朝、起きてゲームしたり、テレビ見たりする前にオムツくらい替えて!うんちじゃなければ替えられるでしょ!
大人がたくさんいる時くらい、寝かしてくれ!!!!!!」(のんか)
「義両親、早く子離れしてください!!! そして夫は全力で私の肩だけ持ってください!!!あなたが守らなきゃいけないのは母ではなく妻です!!!」(こめこ)
「『あなたはなんでもズバズバ言えるから』と義理の母は言うけど、あなたほど人の気持ちも考えないでズバズバ言う人はいませんよ!と言いたい」(みみ)
「寝かしつけている時に、横で音のなるおもちゃを振って騒がないで。
抱っこの仕方、頭がぐらぐらしててコワイです!そろそろ上達して欲しい…
孫を可愛がるだけじゃダメだよ!」(つん)
「義父母へ。あなたは息子によく『無理をするな』と言っていますね。
大丈夫です。息子さんは自分の子どもよりも早く寝て、朝は同時に起きてます。
その間、家事をやっているのは妻です。
妊娠中でも、トイレ掃除、お風呂掃除、洗濯、料理、保育園とのやり取りなど、全て妻である私がやっています。
むしろ『奥さんに無理させるな』と言ってやってください」(えのきたけ)
こうした声があがる中、義父母への感謝の声もたくさん寄せられました。
「義父母としゃべる時、緊張しちゃう!
早く仲良くなって、本物の家族のように気を遣いすぎない仲になりたーい!」(明日香)
「義両親にはほんとに頭上がらない! いろいろ買って頂いたり…!とにかくありがたいです!!!」(かんずめ)
いい関係の家庭もあれば、ちょっと壁が厚そうな家庭もありますね。「義両親へのモヤっと」にうまく対処できる方法はあるのでしょうか。モヤっとしないような関係作りや自分の気持ちのコントロールについて、多くの悩み相談に乗る、公認心理師の大美賀直子さんにアドバイスをいただきました。
相手と健やかな関係を保つカギ「バウンダリー」
「義父母とは、つかず離れずのほどよい距離感を保ちながら、気長に付き合っていくのがいちばんです。そのためにも、ぜひ心にとめておいていただきたいのが『バウンダリー』という言葉です。
『バウンダリー』とは、自分と相手の領域を分ける境界線のことです。
義父母に気を遣いすぎたり、義父母の言葉に感情的になってしまうのは、家庭生活や子育てにおける自分たち夫婦のバウンダリーが明確になっていないからかもしれません。
バウンダリーをしっかり引けている人は『私たちは私たちなりのやり方でやっているのだから、人に何を言われようと関係ない』と思えます。だから義父母に何を言われても深刻に受け止めず、さらりと受け流すことができるのです。
バウンダリーにはいくつかの種類がありますが、義父母との関係で特に意識したいのが『責任のバウンダリー』と『感情のバウンダリー』です。
『責任のバウンダリー』とは、自分と相手の責任の範囲を明確にすること。義父母がいくら意見をしても、自分の家庭と子育てのことを決めるのは自分たち夫婦です。参考になる意見は取り入れ、そうでない意見には『私たちはそうしない方針にしています』とはっきり伝えましょう。
『感情のバウンダリー』とは、自分の感情と相手の感情をはっきり分けること。義父母が『こうしてあげて』と言ってきても、自分の感情がそうしたいと思えなければ、気持ちを押し殺してまで相手に合わせる必要はありません。『ごめんなさい。それはできません』とはっきり伝えましょう。
自分のほうからバウンダリーをしっかり引いて関わると、義父母もバウンダリーを意識するようになり、相手の責任や感情を無視したアドバイスや要求を控えてくれるようになるでしょう。続けていくとお互いの心にゆとりが生まれ、思いやりの気持ちも生まれてくると思います。
『責任のバウンダリー』も『感情のバウンダリー』も、一度伝えたくらいでは相手もよく理解できないかもしれません。くり返し伝えることで理解を促していくことが大切です。
とはいえ、自分の意思を一方的に伝えるだけでなく、『いつも気にしてくださってありがとうございます』『お気持ちだけいただきますね』といった配慮の言葉をプラスすることも忘れないようにしましょう」(大美賀直子さん)
相手の言葉や行動に感情的になる前に、自分たちの領域を明確にすることが大事なのですね。
(取材/文・橋本真理子)
大美賀直子さん
PROFILE)
メンタルケア・コンサルタント。公認心理師、精神保健福祉士、産業カウンセラーなどの資格をもち、カウンセラー、セミナー講師、コラムニストとして幅広く活躍。All About「ストレス」ガイド。『長女はなぜ「母の呪文」を消せないのか』(さくら舎)など著書・監修多数。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。