~担当さんとの打ち合わせ(?)~その①猫カフェ【御手洗直子のコマダム日記 #149】
一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。
「つっこみが止まらないコマダム日記」#149
今回は猫カフェにまつわるお話です。
接客の果てに到達する『無』
今はコロナでだいぶ少なくなってしまったが、編集さんと打ち合わせする際はファミレス等の飲食店ですることが多かった。打ち合わせという名の親睦会というかダラダラ喋ってなんかいいネタ出ないかなみたいなグダグダした状態になることも多々あり、不思議な所へ連れていってくれる担当さんも多いのだが猫好きの担当さんが猫カフェに連れていってくれたことがあった。コレは仕事…?経費で猫を堪能してい…イヤ、これは仕事。実際ネタになりました。今。連れていってもらったの15年くらい前だけど。あとコレ連れていってくれたのたまひよの担当さんじゃないけど。ありがとうございます!ネタにさせていただきます!!(10年くらい前に担当を外れた担当さんへ)
そんなわけで担当さんと初めて猫カフェに行った。小さめの店内で他にお客さんはおらず、それぞれ飲み物を注文しソファに座ってしばらく猫チャンを見ていたが、せっかくなので近くにいる猫チャンをさわりに行った。背中をなでたりおしりのあたりをなでたりしていたのだが、全然逃げない。しばらくしてまたなでたりさわったりしていたのだが、微動だにせず『好きにしろ』という状態である。すごい。完成されている。さすがコレで飯を食っている人(猫)は違う。
逃げたり嫌がったりしないけど完全に反応が『無』なので私たちはソファに戻り飲み物を飲んだ。猫チャン、人に慣れてますね~全然逃げたりしないんですね。と話しながら、しばらくしてまた違う猫チャンをさわりに行ってみた。
こちらも『無』である。逃げない。『無』というか、体は微動だにしないのだが顔が『うるせえな』という顔をしている。アッハイ、お休みのところ、お邪魔をしてしまい申し訳ありませんでした…。とまた担当さんと席に戻り、もう知らない人にさわられ飽きてるんでしょうね…という話をしているとソファの背もたれに乗った猫チャンが我々の方へ向かって来た。これは…もしやめくるめくボーナスタイムに突入するのでは…?!と期待しながらじっとしていると、猫チャンはそのまま背もたれを歩き我々の後頭部に横腹をかすめて去って行った。我々は施設の一部に過ぎないのだ…。
そんなうっすらとしたサービスに充分満たされた我々は『いい猫カフェでしたね…』と一時間の滞在時間を終え、料金を支払い猫カフェを後にしたのであった。後頭部に腹毛の余韻を残して。
ちなみに猫カフェで話した内容はペジェ曲線がうまく引けない一生うまく引ける気がしない。だった。
あれから15年くらい経ってるけど、いまだに引けない。(おわり)
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子twitter:@mitarainaoko