子どもがかさぶたを剥がす癖を直したい!キレイに治す秘訣は「保湿」
擦り傷や転倒など、ちょっとしたケガが原因でできてしまう「かさぶた」。子どもはなんとなく気になり、ついつい剥がしてしまいたくなるものです。
しかし、かさぶたを無理やり剥がすと、傷が残る可能性もあります。そこで、今回はかさぶたの役割と、かさぶたを治す方法などについてご紹介します。
かさぶたの役割って?
かさぶたは、転んだり擦りむいたりするとでき、固まることで傷口の出血を止めますが、それ以外にも重要な役割があります。
傷ができると血液中の血小板や赤血球、線維芽細胞や成長因子などが分泌されて固まり、止血を助けます。それに加えて、傷口に外部から細菌などが侵入しないようにガードする働きもしているのです。
かさぶたは剥がしちゃダメ?
かさぶたは、ついつい剥がしたくなりますが、自然に剥がれるのを待ちましょう。
プカプカと浮いている部分があれば、そこだけをハサミで切り、皮膚にくっついている部分はそのままにしておきましょう。無理に剥がすと出血し、また新しいかさぶたができます。それを繰り返すと、傷あとが残る可能性があります。
傷の乾燥やかゆみが気になるときの対処法
子どもに、かさぶたを剥がしてはいけないと伝えても、乾燥やかゆみが気になって手が伸びてしまうこともあるでしょう。傷が治る過程ではかゆみが出ることが多くあります。
なぜなら、傷を治すときにヒスタミンという物質が増えて、かゆみが生じるからです。かゆみに負けてかいてしまい、傷を作っては本末転倒ですよね。
そのようなときには、次の対処法を試してみてください。
保湿剤を塗布する
傷が乾燥すると、かさぶたが厚くなってきます。すると、皮膚が刺激されてかゆみが増すこともあります。そのようなときは、保湿剤を塗って乾燥を和らげましょう。
かゆみが強いときは、かゆみ止めと保湿成分が一緒に配合された薬剤を使うこともおすすめです。
創傷被覆材(そうしょうひふくざい)を使う
ハイドロサイトなどの創傷被覆材は、傷に湿潤環境をつくる被覆材です。ドラックストアなどでは、「キズパワーパッド」や「ハイドロコロイドパッド」などの商品として購入できます。傷口から出てくる浸出液を閉じ込めて、自然治癒力を高める目的の衛生剤です。傷にくっつかず、乾燥しないように適度な保湿性が保たれます。
従来のガーゼなどは、傷口にくっつき、剥がすときに痛みや出血を伴ったり、湿潤環境をつくることができなかったりしました。
しかし、創傷被覆材は、浸出液を吸収し保持することで、傷面を閉鎖して湿潤環境を形成することができます。また、痛みがないため、小児に使いやすいのも特徴です。
かさぶたはできないようにすることが大事
傷ができたら、かさぶたができないように対処することが大切です。
基本的な傷の処置は、まず水道水や温水などきれいな流水や石鹸をつけて傷をよく洗い流し、ワセリンなどの軟膏を塗布後、保湿しながらかさぶたを作らないようにケアする方法です。また、おすすめは創傷被覆材を使う方法で、適度な湿度を保つことがポイントです。
絆創膏やガーゼは浸出液を吸い取り、患部を乾燥させてしまう恐れがあるので注意が必要です。軟膏を塗布したうえで使用するといいでしょう。
傷ができたら、まずよく洗おう
かさぶたは、止血を助け、傷を乾燥から守り、外部から細菌の侵入を防ぐためにできるものです。自然脱落までは我慢して剥がすのはやめましょう。
また、傷ができたときにしっかり洗い流さないで傷口が汚れたままだと、かさぶたになった下で細菌が繁殖し、膿んだり炎症を起こして、傷を長引かせる危険もあります。
そうならないためにも、日ごろよりポイントを抑えて傷のケアを行うようにしましょう。
PROFILE
薬剤師 相田 彩
薬剤師。昭和薬科大学薬学科卒業。
総合リハビリテーション病院、精神科専門病院、調剤薬局に勤務するなかで、漢方薬が使用される症例の多さと、体質や症状に適した漢方を使用することの重要性を実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211332f2tmhy00010005