正直、赤ちゃんにイライラすることがある…。イライラを爆発させないための回避術5選【公認心理師】
育児は慣れないこと、予想外なことの連続。「正直、赤ちゃんにイライラしちゃうこともある」というママ・パパも多いのではないでしょうか。“イライラ”は、感じている本人にもストレスですが、赤ちゃんにとっても心地いいものではありません。子育てをするママ・パパが、赤ちゃんに対して感じるイライラと、どう向き合えばいいか、公認心理師の帆足暁子先生に聞きました。
7割近くの親が“赤ちゃんにイライラ”を経験
たまひよのインターネット調査によると、「赤ちゃんに対してイライラしたことがあるか?」という質問に対して、「よくある」「たまにある」と答えた人は計67.8%。約7割の人がイライラした経験があることがわかりました。逆に、イライラしたことが「まったくない」と答えた人は、全体の7.4%しかおらず、育児にイライラはつきものであることがわかります。
また、「どんなときにイライラするか?」という問いに対しては、「赤ちゃんがなぜ泣いているのかわからない。泣きやまない」「せっかく作った離乳食を食べてくれない。食べものを投げられた」「自宅で勤務中に泣かれて仕事にならない・・・」など。コロナ禍でリモートワークが増えたり、外出がままならないことも相まって、親がイライラするシーンは増えているかもしれません。
「人には『こうしたい』という思いがあり、そのとおりにならないと“怒り”の感情が芽生えます。赤ちゃんはまさしく思いどおりにならない存在で、育児中のイライラは誰にでも起こり得ることです。親のイライラ=不快な気持ちは、赤ちゃんにも伝わります。イライラを減らすには、客観的にイライラを分析して、理由を探ることが大切です」(帆足先生)
※この記事内のデータは、0カ月~1才11カ月の赤ちゃんを持つママ412人のインターネット調査(2020年3月実施)の結果からまとめたものです
イライラを爆発させないためには気持ちのコントロール術を知るべし
イライラしてしまいがちなシチュエーションは、育児のなかに多くありますが、その気持ちを増幅させたり、イライラに親自身が振り回されたりしないためには、自分自身で気持ちのコントロール術を知っておくと安心です。ポイントを5つ紹介します。
【ポイント1】イライラしたら、まず6秒じっと数えてみる
怒りは感情を司る大脳辺縁系の扁桃体から衝動的に起きますが、持続時間は6秒ほど。6秒たつと、感情を抑える前頭葉のスイッチが入り、理性的に考えられるようになります。
【ポイント2】イライラの理由を客観的に見つめてみる
怒りを感じたときに、「なぜイライラするのか?」を考えるくせをつけるのもいい方法。必ず1つは原因を見つけることをルールにしてみましょう。感情よりも認知機能を働かせることで、気持ちが落ち着きます。
【ポイント3】その場から離れるなど、環境を変えてみる
イライラを爆発させることがマイナスに働くのは、人やモノに当たってしまうことがあるから。その前に、今いる部屋から出てみたり、トイレに入ったりして場所を移動してみて。環境を変えることで気持ちが切り替えられます。
【ポイント4】自分のイライラを研究してみる
いつ、だれに、どんなことでイライラしたのか、そのときどういう言動をしたのか、どうすればよかったのか・・・などを、1日の終わりに記録し、1週間ごとにまとめて読んでみましょう。
【ポイント5】赤ちゃんからの“教えてサイン”と考えてみる
育児が思いどおりにならないのは当然で、赤ちゃんに悪意はありません。「生まれて間もない赤ちゃんはどうしたらよいのかわからないのだから、親が教えてあげなきゃ」ととらえてみると、気持ちにゆとりができるかも。
取材・文/ひよこクラブ編集部
育児中に、イライラを感じてしまうのは、ある意味しかたがないこと。あまり罪悪感ばかりを持たないで!ただ、イライラをコントロールする術を知っておくことは大切です。赤ちゃんのためにも、一緒に育児をするパートナーのためにも、そして何よりも自分自身のためにも心がけてみて。
参考/『中期のひよこクラブ』2023年春号「赤ちゃんにイライラしちゃうって、ダメなことですか・・・?」
●記事の内容は2023年4月の情報で、現在と異なる場合があります。
『中期のひよこクラブ』2023年春号には、赤ちゃんの発達時期別イライラの対処法や、イライラをぶつけてしまったときのリカバリー方法なども紹介する「赤ちゃんにイライラしちゃうって、ダメなことですか・・・?」特集があります。