子どもの食の好き嫌い問題。嫌いなものはどう食べさせてる?みんなの工夫&専門家アドバイス
今回のテーマは「子どもの食べ物の好き嫌い」です。
みなさん、お子さんが苦手な食べ物は、どう食べさせていますか?あきらめて成長を待つという方もいるかもしれません。
そこで、「たまひよ」アプリユーザーに、日頃の工夫を聞くとともに、管理栄養士の清水加奈子さんに、苦手な食べ物も子どもに食べさせられるアイデアをお聞きしました。
子どもの“苦手”に様々な工夫が
最初に「たまひよ」アプリユーザーの声を紹介します。
「味噌汁の野菜は食べますが、生野菜は食べないので煮物かハンバーグに野菜をすりおろして入れています」(かほ)
「葉っぱ系の野菜が嫌いで、ほぼ食べません。ハンバーグやカレーに混ぜ込むこともありますが、あえて形そのままで出して、味見程度でも口にしてくれることを期待しています」(りょうこ)
「レタス、玉ねぎ、キャベツなど、繊維が残るものや食感のないものがあまり好きではないようです。カレーやシチューにしたり、細かく切ってオムライスやハンバーグにしています」(まーちゃん)
「ピーマンが苦手な息子ですが、ひき肉詰めや青椒肉絲にすると人一倍食べてくれます」(さおり)
「キノコが嫌い。細かくしたり、味噌汁に入れたりしています」(かおちゃんママ)
「チーズが嫌いですが、ピザやグラタンにしたら食べます」(かおり)
「魚は苦手みたいなので、昆布だしで茹でた後に細かくしたら、食べてくれるようになってきました!」(かまぼこ大好きの妻)
「肉類が苦手な様子。薄切り肉はカリカリに焼いてお煎餅のようにし、鶏肉はよく煮込んだら食べるのでカレーやシチューにしたり、調味したひき肉を海苔巻きにしたりして食べさせています」(ナミ)
「お肉が嫌いだけど、給食では食べているので少しなら食べられると思います。なので、大袈裟に『すこーーーしでいいから、これ食べられる?』と小さいお肉を渡し、食べたら大袈裟に褒めまくっています!
『食べられたねー!なんで食べられたのー?』と聞くと、たいがい『ママ!もう1回食べるから見ててね!』と得意気に言う」(ちーcham)
「好き嫌いが変わるので困っています。今は魚が好きで、魚ばかり食べます。食べないものはなるべく無理にあげず、好きなものを食べさせています」(まみま)
「保育園の給食で、ある程度栄養は取れていると思うので、あまり家で苦手を克服しようとはしていません」(きよはる)
野菜嫌いが多いようですね。苦手な食べ物を食べさせるコツや、子どもの食の好き嫌いの悩みを軽くするアドバイスを管理栄養士の清水加奈子さんに伺ってみました。
苦手をなくすよりも、代替え食材を取り入れたりして長期戦もあり
私が開催している子どもの食育料理教室などで、野菜をたくさん入れた餃子をみんなで作ったり、野菜スープを作ったりすると、みんなもりもり食べています。保護者の方々は「家では食べないのに…」と苦笑いをしていらっしゃいます。
理由として、以下のようなことが考えられると思います(私の感覚ですが)。
●作る工程が楽しい(野菜も一生懸命に刻んでいる)
●自分で作ったものだから頑張って食べている
●他の子どもとのライバル意識で食べている
実際に多くのお子さんを見ていて、まったく食べられないということは少ないように感じています。
また、だんだん味覚が発達してくると動物的な嫌悪感や、臭い、苦味、アク、辛味、香りなどに慣れていくので、就学前のお子さんの好き嫌いはそれほど心配することはないと思います。
ただ、好きなものばかり食べていると栄養は偏ってしまうので、少し気をつけてみましょう。たとえば子どもが嫌いなことが多い野菜はビタミン・ミネラル源なので、まったく食べなくてもよいというわけではありません。
苦手な子どもが多い、いくつかの食材について、代替え案をご紹介しましょう。
●人参やピーマンは嫌いだけど、トマトやかぼちゃは食べるというのであれば、代わりの栄養素が摂れるのでOK。
●きのこは嫌いだけどサニーレタスやキャベツは食べられるなら、代わりの栄養素の食物繊維が摂れるのでOK。
●野菜は苦手だけど果物は好きというのなら、野菜は無理やり食べなくてもOK。
野菜のビタミンやミネラル、食物繊維は果物で代用できます。大人であれば果糖の摂りすぎは中性脂肪の増加につながることがありますが、子どもは基礎代謝が高く活動量も多いので、心配するほどではありません(ただし、運動不足のお子さんは少し注意が必要)。
また、水溶性の栄養素は期待できませんが、全く野菜食べないという場合は野菜・果物ミックスの飲料も取り入れるとよいでしょう。
●成長過程で、たんぱく質は重要な栄養素なので、たんぱく質源の肉、魚、豆系が苦手なお子さんはなんとか食べてもらいたいですね。みなさんの声にもあるように、少し工夫をしてみましょう。
★魚は、白身系やカジキマグロ、ツナ缶やイカタコえびのシーフードミックスなどの臭みの少ない高たんぱくのものを選ぶ。
★肉は、かりっと焼くのはとてもいい方法です。その他、ささみのように肉かわからないものを選ぶのもいいでしょう。
★魚や肉は、子どもの好みそうなトマトケチャップ、カレー粉、チーズやクリーム味にすると比較的に食べてもらえます。
★納豆や豆腐はあまり嫌いという声はなかったので、豆類の中で嫌いではないものを選ぶ。
以上、まとめてみます。
<好き嫌いがある場合の4つのポイント>
①無理には頑張らない。食事が嫌な時間になるよりも、おいしく楽しくが重要。
②就学前の好き嫌いは必要以上に直さなくてもOK。食べられる食材で栄養の代わりを見つける。
③就学後は給食など、他の子どもと食事をしたり、料理を一緒に作ったりすると克服されることも多いので気にしすぎない。
⑤お家でも子どもに興味があれば、時間のある時に一緒に作ったり、作る工程を見学させたりするのもよさそうです。
私自身も管理栄養士ですが、セロリとレバーが嫌いです。ほとんど食べません(笑)。でも、食べなくても健康です。食べ物は多種あり、他に食べられるもので栄養は摂れるので、無理せずともストレスなく食事を楽しむことが一番重要です。
成長した我が家の子どもたちも、まだあまり食べたがらないものはありますが、好き嫌いはだいぶ減りました。アドバイスを生かしてぜひ楽しい食事時間にしてほしいと思います。
(取材・文/メディア・ビュー 橋本真理子)
清水加奈子さん
PROFILE)
管理栄養士、フードコーディネーター、国際中医薬膳師/国際中医師。テレビや雑誌で料理監修を行うほか、薬膳コンシェルジュ協会講師も務める。料理のおいしさ、シズルを伝える調理、盛り付け、食器のセレクトなどのスタイリングだけでなく、カロリー計算されたダイエットレシピの作成・アイディアレシピの提案、中医学に基づいた薬膳レシピの提案、講師などを行う。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2023年3月の情報で、現在と異なる場合があります。