「ちゃんと食べなさい」は逆効果!遊び食べ・好き嫌い…子どもの食事の悩みへの対処法。3児の保育士パパでんちゃん先生に聞く
「遊び食べ」は食べものに興味をもちはじめたサイン。子どもの成長はうれしいけれど、せっかく作ったごはんをグチャグチャにしたり、わざと床に落とされるとイラッとしてしまいますよね。
今回は、保育士歴10年のでんちゃん先生に「遊び食べをする子どもの対処法」を教えてもらいました。ママやパパのモチベーションがぐっと上がる、でんちゃん先生の格言も必見です。
<プロフィール>
でんちゃん先生
3児の保育士パパ&ベビーシッター
大学卒業後、保育職に就き、保育園・幼稚園・障害児支援施設にて10年間勤務。2021年4月より、ベビーシッター業を開始。同時期に始めた育児ノウハウを紹介するインスタグラム(@denchan_family_)では、フォロワー数3.8万人越えの人気インスタグラマーに。プライベートで7歳の長女、5歳の長男、2歳の二男を育てる。
「遊び食べをする子ども」を抱えるママとパパのリアルな悩み
「食べている途中に歩きまわったり、お皿の中身をかき混ぜたり。なかなか食事が進みません。ママやパパが食べさせようとすると、怒り出して手に負えないことも……」
「離乳食を作っても、バナナとヨーグルトしか食べてくれません。もっとほかの食べ物を口にしてもらうにはどうしたらいいですか?」
「離乳食を自分で食べるようになってから、食べこぼしがひどくて困っています。遊び食べは気が済むまでやらせるべきでしょうか」
楽しいはずのごはんタイムに、「ツライ」「しんどい」なと、マイナスの感情を抱いているママやパパは少なくないのではないでしょうか。
遊び食べを早く終わらせる秘訣は「注意しないこと」
遊び食べをする子どもに向かって、「ちゃんと食べなさい!」と叱ったことはありませんか? でんちゃん先生は、「注意するよりも効果的な方法」があると言います。
「子どもは『ちゃんと食べなさい!』と注意されると、ママやパパにかまってもらえると思って、余計やります。きちんとしつけをしなければと心配に思うかもしれませんが、遊び食べをする子どもに対しては、一度“ちゃんと食べさせる”という気持ちを捨ててみてください。そうすれば食べ歩きをしても、遊び食べをしても、イライラしなくなるはずです」(でんちゃん先生)。
大人になっても遊び食べをしたり、席を立って食べたりする人はいませんよね。ただ遊んでいるように見える遊び食べのなかでも、子どもはたくさんの実験をしているのです。しばらくは大変かもしれませんが、床に新聞紙やレジャーシートを敷くなどして、とことんやらせてあげましょう。ママやパパの悩みの種「遊び食べ」の短縮につながりますよ。
0~1歳には“UFOキャッチャー”が効果的!
離乳食がなかなか進まないときは、「UFOキャッチャーを試してほしい」とでんちゃん先生。
「食事でもっとも大切なのは、楽しく食べることです。子どもが嫌がるのに無理やり食べさせると、食事に対して嫌なイメージがついてしまいます。ママやパパが食べさせるときは、『ウィーン! ガシャン!』とUFOキャッチャーのような効果音をつけてみてください。きっと大喜びするはずです」(でんちゃん先生)。
上記以外にも、子どもに食べてもらいたい食材を、ママやパパがおいしそうに食べて見せることも大切だとでんちゃん先生は教えてくれました。それにより子どもは、「この食べ物は安全なんだ」と感じ、口に運ぶようになることがあると言います。
2~3歳がよろこぶ“タッチペンごっこ”
お箸を上手に使えるようになってきたら、「タッチペンごっこ」がおすすめです。
「少しずつ食べムラが出てくる年齢です。『この箸で触ったものは音が鳴るんだよ』と食卓に並んだ食べ物に触れて、『ゴハン』『タマゴヤキ』『オサカナ』と、図鑑タッチペンごっこを試してみてください。食べ物の名前を言いながら食べると、たくさん食べてくれるかもしれません」(でんちゃん先生)。
この方法ならゲーム感覚で楽しめるうえ、さまざまな食材に自ら手を伸ばすことによって、お箸づかいもさらに上達しそうですね。
4~6歳は“マジック”で集中力アップ!
食事の時間になかなか集中できない子どもには、「マジック」が効果的です。
「『今からママ(パパ)が、マジックでこのごはんを消すよ~』と言いながら、食べ物を3、2、1、パクッと口に入れてみてください。すると、子どもは『口に入れただけでしょ!』と見破ってくるはず。これで作戦成功です!」(でんちゃん先生)。
さらに、「え!? なんでわかったの!? ○○ちゃん(くん)もこのマジックできる?」と声かけをすれば、「パパやママもビックリするくらい食事が進むはずです」とでんちゃん先生は教えてくれました。
ママやパパがイライラする理由は、子どもに完璧な姿を求めすぎているからかもしれません。遊び食べは、子どもの食育にとって欠かせない貴重な時間です。もし息が詰まったときには、子育てのピンチをチャンスに変える、でんちゃん先生の格言を思い出してみてはいかがでしょうか。
取材・文/佐藤 文子