41歳で結婚、42歳で出産したイラストレーター・たかぎなおこさん。「早く無事に予定日がきてほしいとずっと思ってました」40代の結婚・妊娠・出産を振り返る
小柄女子の生活をつづったコミックエッセイ『150cmライフ。』でデビューしたイラストレーター兼コミックエッセイ作家のたかぎなおこさん。2023年2月には作家生活20周年を迎えたそうです。41歳で夫「おつぐやん」さんと結婚し、42歳で「むーちゃん」を出産。「むーちゃん」がこの春から小学校に入学したという、たかぎなおこさんに40代の妊娠・出産・育児を振り返って、話を聞きました。
おなかの中に“赤ちゃん”がいたときは「特別で幸せな時間」でした
――結婚、妊娠そして出産のころを振り返って、どんな時間でしたか? 当時の自分にかけたい言葉があれば教えてください。
たかぎさん(以下敬称略) 私の場合、結婚したのが41歳(夫44歳)で、子どもが欲しいならば一刻も早く!という感じだったため、結婚したらすぐに妊活を始めました。幸運なことに半年くらいで妊娠。そして出産とわりとスムーズではありましたが、高齢妊婦なことがとても不安だったこともあり、「早く無事に出産予定日がきてほしい!」とずーっと思っていました。今振り返っても、無事に子どもが生まれるまではとても長い期間のように感じました。
今改めて思い返すと、自分のおなかの中に“赤ちゃん”がいるというのは本当に特別で、幸せな時間だったなぁと思います。当時の自分に言葉をかけるならば・・・そうですね、「不安にばかりなっていないで、もっと明るい気持ちでマタニティヨガなどに通ってみたら?」と言ってあげたいです。
――身長が約150cmというたかぎさん。妊娠・出産・育児で小柄で大変だったことや、意外に小柄で得したなと思うことがあれば教えてください。
たかぎ そうですね。私は小柄なのですが・・・妊娠・出産・育児で得したことはとくに思いつかないです(苦笑)。小柄なので、大きなベビーカーを押すのはやっぱりちょっと大変でしたね。また、抱っこひもを使って抱っこしたときに、小柄だと子どもの頭と自分の頭がより近いので、前が見えづらい気もしました。
保育園に入れず、自宅で仕事をしながら幼稚園に預ける日々
――「むーちゃん」は幼稚園に通っていたそうですが、幼稚園生活を振り返ってよかったと思う点があれば教えてください。
たかぎ 保育園は落ちてしまったので幼稚園に入園するまでは娘と2人で公園をお散歩したり、児童館に行ったり、夫の実家に連れて行き義母に娘を預かってもらって仕事をしたりしていました。今となってはそうやって娘と一緒に過ごせた時間も貴重で楽しかったと思います。現在は義母と同居をしているのですが、義母との絆(きずな)も同居前のその時期に深まったように思います。
延長保育のある幼稚園に入園したので、希望をすれば長い時間預かってもらうことも可能でした。また、課外クラブもあり、娘はダンスを習い、踊ることがより好きになったので、通ったことのない保育園と比較することはできませんが、幼稚園もよかったなと思っています。
――幼稚園に通っていたときは、どんな1日を過ごしていましたか?
たかぎ 7時ごろに起きて私はお弁当、夫は朝食を作り、9時に私が幼稚園まで自転車で送っていました。帰宅してからは家事と仕事をこなし、14時には幼稚園のお迎え。延長保育がある日は16時半ごろに迎えに行き、それからは娘と遊んだり、習い事に連れていったり、お義母さんにみてもらってもう少し仕事したり・・・。夫は17時半ごろ帰宅するので、一緒に夕食を作りつつ順番におふろも入り19時ごろに夕食です。
そのあと娘はもうひと遊びして、21~22時ごろに就寝。娘が寝たあと私はもう少し仕事をしたり、お義母さんに留守番をお願いして、夫と2人で夜遅くまでやっているスーパーに食材の買い出しに行ったりすることも。仕事や買い物ののちに就寝という毎日です。
ずっと近くに住んでいたいけれど、将来娘が決断したら応援したい気持ちも
――「むーちゃん」を見ていて、自分に似ているなと思うところはありますか?
たかぎ 私はとにかくおてんばで食い意地が張っていて、よくいたずらをして親に怒られるタイプでした。姉とけんかをしたり、食事をするスピードも早かったと覚えています。ですから、いたずらや危ないことはあまりせず、ごはんもおやつものんびり食べる一人っ子の娘とはあまり似ていないと思います。
夫は男2人きょうだいですが、けんかなどせずよく言うことを聞く子だったそうなので、どちらかというと性格的には夫似なのかもしれません。ただ、人見知りで恥ずかしがり屋なところは私にそっくりです。
――「むーちゃん」にはこれからどんな人生を歩んでいってほしいと思っていますか?
たかぎ そうですね。私は娘にはずっと近くに住んでいてもらいたいという思いがあります。でも、私自身は絵の仕事のために地元の三重県から東京に飛び出してきたという経験があることもあり、将来、娘がなにかしたいことを見つけたのならばなるべく反対はせず、応援してあげたいなと思います。
夫はとにかく優しい子に育ってほしいということを常に言っています。ですから、これからも娘の前では夫婦げんかや悪い言葉づかいをしないように気をつけたいと思っています。
お話/たかぎなおこさん 取材・文/安田ナナ、たまひよONLINE編集部
「初めてのことだらけで戸惑うことも多かったですが、赤ちゃんだった娘もだいぶお姉さんっぽくなり、4月からは小学生。それまでは『仕事する時間がほしいなぁ~』という気持ちはあったもののいざ、娘が小学生になると感慨深いものがあります」と話すたかぎさん。40代で結婚、妊娠・出産、そして育児と人生が一変されましたが、これからも「おかあさんライフ」を満喫されることでしょう。
●記事の内容は2023年5月の情報であり、現在と異なる場合があります。
たかぎなおこさん
PROFILE
1974年、三重県生まれ。2023年2月に作家生活20周年を迎えた人気イラストレーター兼コミックエッセイ作家。おもな著書に『150cmライフ。』『ひとりぐらしも5年め』『愛しのローカルごはん旅』『マラソン1年生』『海外マラソンRunRun旅』『ひとりぐらしも何年め?』『(お互い40代婚』(KADOKAWA)など多数執筆。4月27日に最新刊『おかあさんライフ。 今日も快走!ママチャリ編』が発売。
『おかあさんライフ。 今日も快走!ママチャリ編』
娘の「むーちゃん」の幼稚園ライフを中心につづられたシリーズ3巻目『おかあさんライフ。 今日も快走!ママチャリ編』。毎日子育てと仕事に奮闘するたかぎさんの姿に親近感を覚えつつ、子育ての喜びも伝わり幸せな気持ちにさせてくれる一冊です。
たかぎなおこ著/1320円(KADOKAWA)