スムーズなおむつはずれには、1才代の準備が肝心!親が心がけたい最も大切な準備とは【専門家】
おむつはずれとは、「子ども自身が排尿をコントロールして、トイレでおしっこができるようになる」こと。おむつは親の働きかけなしでは、はずれません。本格的にスタートするのは2才代が目安ですが、早めに情報収集&心構えをしておくと、あとがラクです。親と子どもの臨床支援センター 代表理事の帆足暁子先生に「1才代にしたいこと」とおむつはずれのギモンについて聞きました。
おむつはずれの準備、1才代は何をすればいいの?
本格的なおむつはずれのスタートは少し先のこと。でも、1才代で準備をしておくことで、2才代のおむつはずれをスムーズに進めることができます。
最も大切なのは、愛着関係を安定させること
心の発達の基礎になるのが、0〜2才代で築かれる親との愛着関係。おむつはずれの時期と重なるイヤイヤ期に「トイレに行こう」という親の声かけを受け入れ、やってみようと思うようになるには、愛着関係が欠かせません。日々のお世話やスキンシップで親の愛情を伝え、信頼感や安心感をはぐくみましょう。
「おしっこはトイレでする」というイメージづくりを
おむつがはずれるには、排尿機能の発達が不可欠。早く始めれば早くできるわけではありません。1才代でしたいのはイメージづくり。0才代から親子の愛着関係をしっかり築き、1才代で「おしっこはトイレでする」というイメージをつけておくと、2才代以降のおむつはずれがスムーズに進みやすいです。
おむつはずれのギモン、もっと知りたいQ&A
ママやパパが気になる、おむつはずれの疑問あれこれについて、帆足先生に答えてもらいました。
Q. おむつはずれって親が働きかけないとダメなの?
A【帆足先生より】
おむつは自然にははずれません。赤ちゃんは生まれてからずっと「おしっこはおむつでするのが当たり前!」で育っています。ママ・パパからの働きかけがなければ、自ら「トイレでおしっこしよう」とは思いません。時期が来たら、親が働きかけておむつはずれをスタートしましょう。
Q. 運動発達が早い子は、おむつはずれも早く始めたほうがいい?
A【帆足先生より】
おむつはずれには排尿機能の発達が不可欠ですが、これは寝返りやあんよなどの運動発達の早さや、背が高いなどの身体的成長とは関係ないので、急がなくてOKです。本格的にトイレに誘うのは、2才代になり、
(1)排尿間隔が1時間半〜2時間空く
(2)トイレまで1人で歩ける
(3)トイレやおしっこに興味を持って伝えようとする
の3つの条件がそろい、心と体の準備が整ってからにしましょう。
Q. おむつはずれは保育園におまかせでいい?
A【帆足先生より】
おむつはずれは生活習慣の一部。親子の愛着関係が安定していて、早起きや早寝など、家庭での生活リズムが整っていると、保育園でのおむつはずれもスムーズに進むことが多いです。逆に生活リズムが乱れているとはずれにくい傾向が。保育園だけにまかせず、連携して進めて。
Q. 男の子と女の子では始める時期や進め方が変わるの?
A【帆足先生より】
おむつはずれのスタート時期に個人差はありますが、男女での違いはありません。進め方も男女同じでOK。男の子も最初は座っておしっこをすることを教えます。小便器で立ってするスタイルは、慣れてから徐々に教えましょう。
Q. 子どものおしっこの間隔、親はどうすればわかる?
A【帆足先生より】
排尿間隔を知りたいときは、起床後、外出前、食事前後など、毎日同じタイミングでおむつのぬれ具合を確認。ぬれていたときは、その後1~2時間くらいして再度確認。またぬれていたら次回は少し短い間隔で、ぬれていなかったら次回は少し長い間隔で確認を繰り返すと、だいたいの間隔がわかります。
Q. うんちのおむつはずれっていつから始めるの?
A【帆足先生より】
うんちはいきまないと出にくいため、「出す・出さない」をある程度コントロールできます。スタートの目安は2才代後半ですが、個人差が大きく、おしっこより先にトイレでうんちができる子も。2才代前半でもいきみ始めたら、トイレに誘っていいですが、無理強いは厳禁。無理強いをすると便意を我慢して便秘になるおそれが。ゴールは5〜6才が目安です。
イラスト/すやまゆうか 文・構成/ひよこクラブ編集部
おむつはずれは早く始めれば早くできるわけではなく、排尿機能の発達が不可欠のため、急がなくても大丈夫。本格的に始める前に、おしっこやうんちはトイレでするもの、というイメージ作りも大切です。
参考/『後期のひよこクラブ』2023年夏号「おむつはずれってどうなるの?」
●記事の内容は2023年6月の情報で、現在と異なる場合があります。
『後期のひよこクラブ』2023年夏号には、1才代で知っておきたい情報収集&心構えのための「おむつはずれってどうなるの?」特集があります。