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0歳児、保育園に預けることをかわいそうと感じてしまう、泣き止まない赤ちゃんにイラつく……ママのお悩みにベテラン助産師がアドバイス

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心臓の物体と母親の手を持つ赤ちゃんの手
takasuu/gettyimages

「たまひよ」アプリユーザーに「子育てのことで、専門家に聞きたいこと、悩んでいることはありますか?」と、質問。たくさんのお悩みが届きました。そこで総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務し、これまでに数千人の母子のケアに携わられた助産師の浜脇文子先生にアドバイスをいただきました。

Q:0歳で保育園に預ける不安のお悩みについて

「生後6ヶ月未満ですが、来月から保育園に預けて仕事に復帰します。保育園に不安はありませんが、預けることがかわいそうに感じてしまいます。お金は大事。でも子どもとの時間を増やしたいし、とグルグル考えてしまいます」(ぷよ)
「生後2ヶ月から保育園に預けることに。親子の信頼関係、絆などの構築が十分にできるか心配しています」(CEANO)

また、共働きのため祖父母にヘルプを頼む場合のこんなお悩みも届きました。

「義母がとてもよく子どもの面倒を見てくれるのですが、そのせいで親に懐かなくなるのではないかと夫が気にしています。そういうことはあるのでしょうか?」(さち12/18)

浜脇先生の回答「かわいそう、なんて思う必要なし。親子の関係はそんなにモロいものではありません」

そもそも愛情は接する時間の長さで決まるものではありません。離れている時間があることで心に余裕ができ、子に対する愛おしさが増して、短い時間でもしっかり関われます。
また乳幼児期に、多くのパーソナリティと関わることは成長においてとても重要なこと。保育園でいろんな人に出会い、祖父母に育まれ、いろんな人に抱っこしてもらうことは、人格形成においてその子の財産となっていきます。
絶対にかわいそうではありません(きっぱり)。

Q:泣き止まない赤ちゃんにイラつく。ストレスのお悩み

「子どものことがすごく可愛くて、大好きなのに、ときどき無性にイラつく。どうしたらイラつかなくなりますか?(泣き止まない時が一番イラつく)」(ちぃ)

浜脇先生の回答「無性にイラついていーんです。それが正直な感情なんです」

イラついたっていいじゃないですか。イラついても愛情が薄れるわけではありません。その感情を否定する必要はないし、罪悪感をもつ必要もないのです。
お母さんは少し疲れていて、心に余裕がないだけ。だからもっといろんな人に助けを求めてください。パートナーを頼って自分の時間を確保しましょう。

Q:授乳や成長に関するお悩み

「3ヶ月の我が子はミルクの飲みが悪くなり体重の増えも悪くなったと思います。これからどかっと飲んでくれる日が来るのでしょうか?」(もんた)

浜脇先生の回答「不安な時は母子手帳の発達曲線をみてみましょう」

赤ちゃんの体重が発達曲線の範囲に入っており、ニコニコとご機嫌ならば問題ありません。
ただ飲みが悪くなった原因は「嚥下(えんげ)」の成長過程かもしれません。
生まれて間もない赤ちゃんに乳首を加えさせると、ちゅぱちゅぱと吸い付きます。これは自分の意志ではなく、無意識の条件反射(原始反射)です。それが成長とともに消失するため、生後3ヶ月頃から自分の意志であごや舌を使って「食物を飲み込もう」とします。これが嚥下です。嚥下機能の覚えたてで、飲み込みがうまくできないのかもしれませんね。
ただ機嫌が悪い、体重が発達曲線より下回ったなど心配な場合は、専門家に相談しましょう。

Q:ついつい泥沼にはまるネット検索のお悩み

「2ヶ月の子どもがいます。初産なのでネットで色々調べてしまいがち。その都度『自閉症』とか『発達障害』と言うワードが見受けられます。どこまで心配すべきか悩み、検索しなきゃいいと思いながらもやめられません」(なー)

浜脇先生の回答「ネットよりも、自分の目と耳で得た情報で視野を広げて」

ネットはとっても便利です。でも一般論しか載っていません。例えば先日、知人が「咳」と検索をしたら「肺がん」と、出てきたそうです(笑) 情報は間違いじゃないけれど、知人には正解ではありません。
子どもが10人いたら10通りの子どもがいます。ネットで検索しても正しい判断にたどり着くのは難しい。
最近は自治体の子育て相談も再開しているので、専門家に相談するのも手段ですが、その前に子育て広場などに参加して、同世代のお子さんを観察してみましょう。赤ちゃんのサンプルが我が子のみ、という状態ではどうしても視野が狭くなってしまうからです。
私たちが専門家としてアドバイスができるのは、たくさんの乳幼児と出会った経験があるからです。よくお母さんに「わが子みたいな言動は珍しいのでは」と、真剣に相談されますが「普通にいますよ~」というのがパターン(笑) 自分の目で見て視野を広げることも、育児をするうえで大事と言えるでしょう。

Q:受診するタイミングがわからないお悩み

「ちょっとした体調不良の時に小児科を受診するか迷う。異変に気付けるのは親と思う一方で、この程度で?と思われたくないし…」(はな)
「子どもの咳をどこまで様子を見たらいいのか、このご時世わからなくなりました。すごくグズるわけでもなく熱もない……という時が一番困る」(NAYU)

浜脇先生の回答「我が子を24時間見守っている母親の勘を優先させましょう」

我が子を24時間見守っている母親が「いつもと違う」「おかしいと感じる」ときは受診してください。受診せず症状が悪化すれば「あの時、病院へ行っていれば」と、後悔することになります。でも受診して早期発見できれば「よかった」になりますし、何もなかったらそれはそれで「よかった」と、安堵できます。どちらにしろ、受診した方が絶対にいいのです。
乳幼児は急変することがよくあります。信頼できる小児科医はわかっているので「これくらいで?」とは思いません。お母さんは自分の勘を大切にしてください。

浜脇文子(はまわき ふみこ)

助産師・保健師・看護師。大阪大学招聘准教授。星薬科大学非常勤講師。総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務。母と赤ちゃんの笑顔が大好きで、数千人の母子のケアに携わります。産前産後ケアセンターの立ち上げに参加したり、民間企業での事業開発など多方面で活躍。自治体の講演や各種メディア執筆では、ひとりひとりのペースにあわせた母に寄り添う姿勢と、明るく軽快な語り口で人気を博します。

文/和兎 尊美

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2023年7月の情報で、現在と異なる場合があります。

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