SHOP

内祝い

  1. トップ
  2. 赤ちゃん・育児
  3. 「赤ちゃんがかわいくて泣いちゃった」二男の出産には4歳の長男も立ち会い、命が生まれる奇跡を家族で体験【イラストレーター・おおのたろう】

「赤ちゃんがかわいくて泣いちゃった」二男の出産には4歳の長男も立ち会い、命が生まれる奇跡を家族で体験【イラストレーター・おおのたろう】

更新

10カ月の赤ちゃんの様子。少しずつ動けるようになってきて、目が離せなくなるころです。

赤ちゃんの日常を描いた作品を多く制作するイラストレーターのおおのたろうさん(36歳)。SNSで発信される、赤ちゃんのふとした表情やしぐさを切り取ったイラストは、多くのママやパパの共感を集めています。7歳と2歳の2人の男の子のパパでもあるおおのさん。このような共感を呼ぶイラスト制作の背景には自身のどのような体験があるのでしょうか。妻の出産や子育てについて話を聞きました。

長男の立ち会い出産は心配すぎて胃痛がすごかった

――赤ちゃんのイラストを多く手がけ、2児の父でもあるおおのさん。長男が生まれたときのことを教えてください。

おおのさん(以下敬称略) 僕は、実家の近所に年下の子がたくさんいたこともあって、子どもと触れ合うことも多い環境で育ったので子どもと接するのは好きでした。妻は保育士で赤ちゃん・子どもの成長を見守る仕事をしていたこともあり、2人とも結婚したころから子どもは2〜3人欲しいなと思っていました。そうしたところ、結婚から3年ほどして妻が長男を妊娠しました。妻が産休・育休に入った時期には香川にある僕の実家で過ごしました。僕の両親とも仲よくしていた妻が「香川で産みたい」と言ったんです。出産も実家近くの産婦人科医院でした。産休に入った妻が先に実家で暮らし、僕はあとから妻の出産の時期に合わせて帰省しました。

長男が生まれたのは2016年3月のこと。出産に立ち会ったんですが、僕も初めてのことでずっとドキドキしっぱなしで、胃が痛くて痛くてしょうがなかったことを記憶しています。陣痛が始まってから1日くらいたっても生まれなかったので、陣痛と闘い続ける妻のことが心配でたまりませんでした。妻が大変な思いをして、長男を出産したときの感動は忘れられません。助産師さんに取り上げられた赤ちゃんは、本当に輝いて、後光がさしているように見えました。素晴らしい時間でした。

――産後もしばらく香川で過ごしたんですか?

おおの はい。フリーランスのいいところで、パソコン一式の作業道具さえあればどこでも仕事ができるので、妻の産後4カ月くらいは香川の実家で過ごしました。僕はそこで仕事をして、僕の両親にも手伝ってもらいながら妻と一緒に長男の子育てを始めました。

子育てが仕事に直結する面も

思わずぷっと笑ってしまう、赤ちゃんのおむつ替えのイラスト。おむつ替えにもさまざまなドラマや事件があります。

――長男が生まれたあと、おおのさんはどんなふうに育児にかかわりましたか?

おおの 家事・育児の分担ははっきりとは決めていませんでしたが、育児のメインは妻がやっていました。僕はフリーランスなので育休という考え方はないんですが、自宅で仕事をしているので、できるだけのことをしていました。長男は完全母乳でほとんどミルクを飲まない子だったので、僕は授乳ができなかったんですけど、家の掃除をしたり、おむつを替えたり、ちょっと手が必要なときに手伝ったり。家で仕事をしていると、妻が大変そうな様子にもすぐ気がつけるところがよかったです。ついつい赤ちゃんが気になって仕事の合間合間にすぐに会いに行っていました。
中でもおふろタイムは僕の担当だったので、はじめてのおふろの緊張感や、だんだん慣れてはじめて一緒にお湯につかったりしたことは、親も子も一日一日一緒に成長している実感がありました。

僕の場合は以前から仕事で赤ちゃんの絵を描くこともあったので、子育て自体が仕事に直結している面もありました。お世話しながら子どもの様子を観察することも仕事のうち、のような意識もあったと思います。

――保育士である奥さんにお世話のしかたを聞いたりしましたか?

おおの はい、僕はもちろんおむつ替えなどのお世話は初めてだったから、「おしりってどうやってふくんだろう?」というところから始まり、抱っこのしかたなども初めのころは妻に教えてもらいながらやっていました。

ただ、妻は子どもとかかわるプロですが、自分の子になるとやっぱり少し違う面もあるようです。仕事では客観的に子どもの様子を観察して冷静に対処できたことが、自分の子どものことになるとどうしたらいいかわからない、と落ち込んでいたときもありました。

――おおのさんは落ち込む奥さんにどんなふうに声をかけたのでしょうか?

おおの 妻はまじめで完璧にしようとすごく頑張っていました。毎日子どものためにやらなくちゃいけないことはいっぱいあって、さらに情報もたくさんある中で、「親だからちゃんと子育てしないといけない」と一生懸命すぎるほどに見えました。妻には「うまくいかなくても、こうして元気に育っているから大丈夫だよ。一緒に少しずつやっていこう」と声をかけていたと思います。

二男の出産は家族みんなで立ち会った

生まれたばかりの二男の様子。新生児の特徴が描かれています。

――おおのさんの二男は現在2歳とのことですが、2回目の出産も立ち会ったのでしょうか?

おおの はい。妻の「次は助産院で産んでみたい」と希望があったのと、僕も長男の立ち会い出産のときの感動から、二男の出産には家族でその瞬間を過ごしたいという思いがありました。そこで二男は東京の自宅近くの助産院で出産することに。当時5歳になる直前だった長男と一緒に立ち会うことにしました。

陣痛が始まってからは妻と助産師さんと2人で助産院で準備をし、お産が進んで「もうすぐ生まれそう」というころに電話で連絡がありました。19時ごろだったと思います。僕は自転車に長男を乗せて、夜道を走って助産院へ向かいました。

――助産院で家族みんなで出産に臨んだのですね。

おおの 長男のときとまったく違って、助産院の6畳くらいの和室での出産でした。妻が陣痛の痛みに叫ぶ様子を見た長男はこわかったようで泣いていたけれど、それでもちゃんと見ようとしていました。

妻は産むことに必死で、僕は妻のサポートに必死、長男はその様子を見ることに必死。二男はもちろん生まれてこようと必死だったと思いますから、家族みんなでそれぞれ一生懸命頑張った時間でした。

――赤ちゃんが生まれたときにはどう感じましたか?

おおの 二男は、僕と長男が助産院に到着した1時間後くらいに生まれました。長男は、シワシワの赤ちゃんが生まれてきたこと、実物の胎盤を見たこと、赤ちゃんのへその緒が切られたことなどの光景を今でも鮮明に覚えているみたいです。二男が生まれてすぐ、長男は「赤ちゃんがかわいくて泣いちゃった」と言っていました。実際は、妻が陣痛で叫んでいるような壮絶な体験に驚いて泣いてしまったのではないかと思うのですが、それだけ感動しての言葉だったと思います。

家族で出産に立ち会って、やっぱり改めて感動しました。命が誕生する奇跡のような瞬間を目にする経験は、子どもにとってもすごくいいなと思います。
まさにじんせいさいしょの瞬間から兄弟ともに生きる感覚。それからずっと長男が弟を大事にしてくれているのも、この経験があったからなのかなあ?と思ったりします。
きっと彼の記憶にこれからも鮮明に残るんじゃないかな。
妻は、家のような助産院でリラックスした雰囲気で、家族と一緒に出産できたことがすごくよかったと言っていました。

きょうだいでまったくタイプが違う2人

ごはんイヤイヤコレクション(おおのたろうさんインスタグラムより)

――子どもが2人になって大変さは増えましたか?

おおの 単純に子どもの数だけお世話することは増えました。年齢が4歳離れているからかきょうだいげんかはほとんどないんですけど、長男は小学生になって環境も変わったり、宿題などのやることも増えたりして、荒れることがあります。そこへ、2歳になって自我が出てきた二男のイヤイヤが重なることも。

妻の保育士の仕事が遅番で帰宅が遅いときには、僕1人で二男の保育園のお迎えと夕食の準備もするので、さらに子どもたちが同時に荒れ始めるとそれぞれへの対応がなかなか大変だと感じます。

――きょうだいの違いを感じるところは?

おおの 長男は繊細で、いろいろものを考えてから行動するタイプで、二男は考える前に体が動くタイプ。2人の個性がまったく違うので、長男で解決できたことが二男では全然解決できないこともあります。

長男は言葉で言えば理解してくれることが多かったです。ただその反面、彼自身もよく考えているから、イヤイヤ期に親子で言い合いになって困りました。たとえば「保育園に行きたくない」という主張をするときには彼なりちゃんと意見を持ってるんです。僕はなんとか保育園に行かせようと話すわけですが、長男が納得のいく言葉を使って伝えることに苦労しました。

――二男はどんなタイプですか?

おおの 二男は、まだまだ言葉では伝わりきらず、自由奔放な宇宙人みたいな人です(笑)。小さい子は食事のときに食べ物をつかんで投げることがあると思うんですが、長男は言葉で食べ物を投げることはよくないことと伝えると、なんとなく理解をしてくれました。でも2歳の二男は何か指摘されたことに反応して泣いちゃったりします。まだまだ理解はしていないようです。

ちょうど今朝も、米粒がテーブルや床やあらゆるところに散乱する大惨事に・・・。米粒ならまだいいんですけど、食事のたびにそんな感じなので、毎日のようにあちこちふき掃除しています。お茶を豪快に投げることもお決まりの技(笑)。飲み物をこぼすことはしかたがないことですが、悪いとわかっていてわざとやっていそうなときには「だめなことなんだよ」と、なぜだめなのかをなるべく言葉に添えて伝えるようにしています。わかってくれないことも多いですが、しだいにわかってくれることも増えていくことに日々の成長を感じます。そんなふうに「言ってもわからないだろうな」とは思わずに、遠回りかもしれませんがなるべく自分の伝えたいことを伝え、受け取ることに気をつけています。試行錯誤の日々です!

お話・イラスト/おおのたろう 取材・文/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部

おおのさんは子育てをする中で「できるだけ見守る」ことを大事にしているそうです。「子どもが何か考えて自分でやろうとしていることがあったら、子どもの気持ちを考えて見守りたいです。それで失敗してみるのも大切なこと。失敗したら『よくやったね、見ていたよ』と声をかけるようにしています」と話してくれました。

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2023年7月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

おおのたろうさん

PROFILE
香川県出身。絵本、イラストレーション、GIFアニメーションなど幅広い作品制作を行う。2児の父。ユニークでやさしい世界観を描く。近年は赤ちゃんの日常を描いた作品を多く制作している。

X(旧Twitter)

Instagram

『じんせいさいしょの』

「うちの子と一緒で和む!」「全部わかりすぎる!」とSNSで大好評の投稿作品が、計160ページの大ボリューム絵本になりました。0歳~1歳半までの赤ちゃんの、じんせいさいしょの愛らしいしぐさやあるあるがぎゅっと詰め込まれた一冊です。おおのたろう著/1650円(KADOKAWA)

赤ちゃん・育児の人気記事ランキング
関連記事
赤ちゃん・育児の人気テーマ
新着記事
ABJマーク 11091000

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第11091000号)です。 ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら→ https://aebs.or.jp/

本サイトに掲載されている記事・写真・イラスト等のコンテンツの無断転載を禁じます。