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赤ちゃんの小さな目の奥に映る私…「私はこの子に生かされている」赤ちゃんからの手紙が泣けると話題の作者usaoさんにインタビュー

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usao インタビュー なんでもない育児日記 赤ちゃんからの手紙

非常勤講師をしながら作家活動をしているusao(うさお)さんは、夫のK氏と0歳の娘と暮らす一児の母。昨年は、自身のうつと向き合った1年間の心境を綴った書籍が話題になったusaoさんですが、現在インスタで発信している“#なんでもない育児日記”にも、たくさんの共感や「癒される」との声が集まっています。

今回はusaoさんに、漫画を描くようになったきっかけや、自身の子育てについてお話を聞きました。

自分はちゃんと赤ちゃんを産めるのか怖くてたまらなかった

――漫画を描き始めたきっかけはなんですか?

usao「大学生の頃、すごく楽しかったときの空気や表情、気持ちを忘れないようにしたいなと思って、ノートに絵日記として描いていました。それから今も定期的に、夜寝る前にコーヒーを飲みながら絵日記を描いて1日を振り返っています」

――妊娠中・出産で大変だったことはなんですか?

usao「“おなかの中に命がある”というのが産まれる瞬間まで実感がなくて、自分はちゃんと赤ちゃんを産めるのかと怖くてたまらなかったです。想像したこともない痛さやしんどさがあって、いわゆる産前うつだったのではないかと思います。いつか会えるわが子のために1日1日を生きるのが必死でした。

産む直前の陣痛はひとりで耐えましたが『身体がちぎれる!』と本気で思いました。そのときはじめて声に出して自分を応援しました。『がんばれ~』って。思い返せば、あのときは今後の未来や、今頑張っている自分を初めて“信じた”瞬間だったのかもしれません」

「私はこの子に生かされている」“子育て”は親の“心育て”

――過去にうつで闘病していたusaoさん、子育てをしている中で不安なこととどう向き合っていますか?

usao「子育てを始めてから、毎日小さな不安や悩みと戦っていますが、乗り越えるというより、『へ~こんなこともあるのか~そうだよなぁ~』と学んでいるっていう感じです。子育てには答えなんてないし、いまの自分が自分らしく生きていれば、きっと何か子どもにもその気持ちが伝わっているんじゃないかなあと思います」

あなたに会いたくて 産まれてきたんだよ

usao インタビュー なんでもない育児日記
<赤ちゃんは生きる意味を与えてくれた>

――子育てをしている中で、今まで感じたことのなかった喜びや不安など様々な感情があったと思いますが、特に心に残っている心情を教えてください。

usao「自分(私)を見て微笑んでくれる存在がいる。赤ちゃんの小さな目の奥に、私の顔が映っている。『私は、この子に生かされているんだな』と思いました。“子育て”というけれど、親の“心育て”だと思います」

赤ちゃんという存在①

usao インタビュー なんでもない育児日記

<赤ちゃんは私たちとは違う別の生き物?>

赤ちゃんという存在②

usao インタビュー なんでもない育児日記

<くしゃみしたり、笑ったり、寂しくなったり…私たちと同じ人間>

育児をひとりで頑張る妹に捧げた“赤ちゃんからの手紙”

――インスタで9.6万いいねがついた、赤ちゃんがママに手紙を書いているお話がありますが、どんな気持ちでこの漫画を描きましたか?

usao「ふだんの絵日記は本当にあった話がほとんどなのですが、この漫画は唯一のつくったお話です。

この話は母親になった妹に向けて描いたものなんです。妹も母になり、赤ちゃんの初めてのお世話に戸惑う毎日。なかなか寝ない赤ちゃんをずっと抱っこしたり、泣いている赤ちゃんをなんとかして泣きやませよう、ご機嫌になってもらおうと授乳や声掛け、オムツを替えたりなど、全部ひとりで頑張っていました。

もちろん周りに支えてくれる人はいたのですが、『“母親だから”なんとかしなきゃ。頑張らなきゃ』と周りの手を借りず、一生懸命に彼女は愛情を赤ちゃんにそそいでいました。『“母親だから”頑張らなくちゃ』という気持ちは、痛いほどわかります。だからこそ、私なりの形で『大丈夫だよ』を伝えたかった。漫画に出てくる赤ちゃんに、代弁してもらいました」

赤ちゃんの心の中①

usao インタビュー なんでもない育児日記 赤ちゃんからの手紙
usao インタビュー なんでもない育児日記 赤ちゃんからの手紙
<たくさん泣いてごめんね…まだ何もわからないの>
usao インタビュー なんでもない育児日記 赤ちゃんからの手紙
<「あ〜」という泣き声は、ありがとうの「あ」の練習>

――育児を通してusaoさんの考え方や気持ちに変化はありましたか?

usao「自分が命を大切にしたから、今のわが子の命がある。そして自分の命も、親が大切にしてくれたもの。こうやって命はつながっていくんだなぁと、改めて命の尊さ、大切さ、親のありがたさを感じることができました」

母親になって3カ月

usao インタビュー なんでもない育児日記 母親3カ月
<これって子育てあるある?>

――最後にたまひよの読者のみなさんとこれから出産・育児を経験するパパ・ママたちにひと言お願いします。

usao「あなただけが、苦しむ世界じゃない。同じような気持ちの人もここにいますよ。みんなで一緒に赤ちゃんを育てていきましょう。そして、赤ちゃんも大事だけど、親である自分自身も大切にしてくださいね」

産前はちゃんと赤ちゃんを産めるのか怖くてたまらなかった……けれど、産後は赤ちゃんの存在に自分が生かされていると感じるようになったと心境の変化を話してくれたusaoさん。いざ小さな命を目の前にすると「私が生きなきゃ!」「守らなきゃ!」と奮い立つ気持ち、痛いほどよくわかります。

はじめて育児をしているママは「これでいいのだろうか…」と悩んだり、なんで泣いているのかわからなくて戸惑ったり疲れてしまうこともあると思います。そんなときusaoさんの“#なんでもない育児絵日記”の優しくやわらかい日常に触れると、張り詰めていた気持ちがちょっぴりほぐれそうです。(文・清川優美)

プロフィール /usao

福岡県在住の小学校教員(非常勤)。Instagram(@_usa_ooo)やX(旧Twitter)(@_usa_ooo)に「usao漫画」や日常生活を描いた「なんでもない絵日記」を掲載。書籍「はじめましてあかちゃん~赤ちゃんより泣いちゃう母親の絵日記~」(幻冬舎コミックス)10月30日(月)発売予定。

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2023年9月の情報で、現在と異なる場合があります。
※記事の内容を一部修正いたしました(2023年9月15日)

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