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子どもの脳の発達に重要なのは、順序とバランス!日常の言葉かけを変えるだけで、大脳新皮質を育て、賢い脳が育つ!?【小児脳科学者】

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●写真はイメージです
key05/gettyimages

子どもの脳の発達には、順序とバランスが大切です。言語機能や手指を使うようなこまやかな運動、思考などを司る「おりこうさんの脳」は、1歳ごろから発達し始めます。
「おりこうさんの脳」というと、早期教育のような勉強をするとぐんぐん育つと考えるママ・パパもいるかもしれませんが、小児脳科学者 成田奈緒子先生は「おりこうさんの脳を育てるには、早期教育よりも大切なことがある」と言います。成田先生がすすめるのが「ペアレンティング・トレーニング」という考え方です。
家庭でできるペアレンティング・トレーニングの方法と、おりこうさんの脳の育て方について、成田奈緒子先生に聞きました。「脳育て」3回シリーズの2回目です。

ぺアレンティング・トレーニングを日課にして、おりこうさんの脳を育てよう

成田先生が「おりこうさんの脳」と言っているのは、主に大脳新皮質のことで、言語や手指を器用に使うようなこまやかな動き、勉強、スポーツなどにかかわる人間らしい脳のことです。
この脳は1~18歳ごろに発達し、最も発達するのが小学生~中学生(6~14歳ごろ)です。幼児期は、おりこうさんの脳の土台を作る時期にあたります。

――「おりこうさんの脳」について教えてください。

成田先生(以下敬称略) おりこうさんの脳は、主に大脳新皮質を指しています。大脳新皮質は、進化が進んだ動物ほど機能が高度化しています。

――おりこうさんの脳は、1歳ごろから発達するということは、早期教育のプログラムなどを考える必要があるのでしょうか。

成田 おりこうさんの脳は、早期教育で育つものではありません。週1~2回、早期教育教室などに通うならば、家庭で毎日「ペアレンティング・トレーニング(以下ペア練)」をしたほうが、おりこうさんの脳は育ちます。
ペア練とは私が代表を務める、子育て支援事業「子育て科学アクシス」でも実践している考え方で、ママ・パパが正しい知識を身につけて生活習慣などを改善することで、子どもがよりよく発達していくことをめざしているものです。

ママ・パパの言葉かけで、おりこうさんの脳はぐんぐん育つ

成田先生がすすめる、おりこうさんの脳を育てるペア練は、家庭でできるのでぜひチャレンジしてみましょう。

――幼児期からできる、おりこうさんの脳を育てるペア練について教えてください。

成田 ペア練で必要なのは、まずはママ・パパの意識を変えることです。おりこうさんの脳を育てるには、子どもに話しかける言葉の意識を変えましょう。
たとえば、子どもを連れてスーパーで買い物をするとき、何も言わずに黙ってスーパーに入って、買い物をしていては、おりこうさんの脳は育ちません。
「〇〇ちゃん、ママはこれからスーパーで牛乳とパンとバナナを買おうと思います」と、主語、述語を入れてきちんと伝えます。買うものがたくさんあるときは、「次に、お肉屋さんに行ってお肉とハムを買います。一緒に行きましょう」などと伝えましょう。

こうした会話を習慣化すると、子どもはしだいに見通しが持てるようになります。またママ・パパが何も言わずに買い物を始めると、幼い子ほど「いつ帰れるんだろう?」「ここで何をするんだろう?」と不安になりやすいものですが、そうした不安も軽減できます。

またチェーン店のドラッグストアなど、お店の外観に特徴があるときは「ここの〇〇(お店の名前)で、ティッシュを買うから待っていてください」と伝えることで、子どもは「このお店は、〇〇っていうんだ」「ここでは、ティッシュが売っているんだ」ということを学びます。そのうち「あれ? この間は、シャンプーを買ったよ。このお店では、そういうものが売っているんだ」ということに気づき始めます。

このように見通しが持てるようになると、子どもは苦手なことや嫌なことに直面したとき見通しを立てて、気持ちを整理することができるようになっていきます。
たとえば「運動会の練習が嫌だな」と思っても「でも、あと5日で運動会だから、もうすぐこの練習は終わる!」と考えられるようになるのです。
いつまでも「運動会の練習嫌だ!」と言い続けるのは、見通しをもつ力が未熟だからです。こうした力は、幼児期からぜひ養ってほしいと思います。

――ほかには、幼児にはどのような言葉かけを意識するといいでしょうか。

成田 幼児ならば、「赤いお花が咲いているよ」「赤いポストがあるね」「赤い車が止まっているよ」など、実物や絵本など見たりしながら、あれも赤、これも赤ということを教えてください。色は、濃淡があり、赤といっても1色ではありません。いろいろな赤があるということを日々の親子の会話から教えてあげると、おりこうさんの脳は育ちやすくなります。

また遊びの中で、子どもと言葉を出し合うゲームをするのもおすすめです。たとえば「か」がつく言葉を出し合います。「かき」「からす」「かに」など、子どもがスラスラ言えるならば、1分間に12個出し合うことを目標にしましょう。クリアできたら12個から15個に増やすなど目標をアップします。「ざ」「ぎ」「ね」など、難易度を上げると、おりこうさんの脳はまずます発達します。
このような言葉のペア練のポイントは、親子で楽しく、毎日続けることです。お勉強モードではなく、ゲーム感覚で楽しんでください。

子どもを感情的にしかるのは逆効果! ダメなものは、端的に理由を説明する

おりこうさんの脳が発達する時期は、イヤイヤ期とも重なります。かんしゃくが続いたりすると、つい感情的になってしかってしまうこともあるかもしれませんが、それは逆効果。ママ・パパの冷静な対応が、おりこうさんの脳を育てます。

――イヤイヤ期などで、子どもとコミュニケーションがうまくとれないときは、ペア練はどうしたらいいでしょうか。

成田 ペア練では、「混乱を受け止める会話」も必要です。
イヤイヤ期でちょっとしたことでかんしゃくを起こしたりする場合は、ママ・パパが「いつまで泣いているの!」「わがままは言わないの!」などと、感情的にしかったりしても、悪循環を招くだけです。
たとえばスーパーで「お菓子がほしい」と駄々をこねるときは、まずは「そっか、このお菓子ほしいのか~」と気持ちを受け止めてあげましょう。そして「でもママ、今日は100円しか持ってないの。このお菓子は216円もするから買えません」と、買えない理由を端的に説明すると、しだいにわかってくれるようになります。こうした言葉による説明は、おりこうさんの脳を育てるのに有効です。

また乳幼児期は、原始人と同じで本能のままに行動する時期です。喜怒哀楽の感情を豊かに表現するのは、健やかに育っている証拠と思って、おおらかに見守りましょう。この時期は、本能のままに「イヤ~」と泣いたりすることが、子どもの本来の姿です。ママ・パパの顔色をうかがったりして、感情を押し殺しているようでは、かえって心配です。

――おりこうさんの脳は、ペア練だけで育つものでしょうか。

成田 子どもの脳は発達する順序があります。まず初めに発達するのが「からだの脳」です。
からだの脳は0~5歳ごろに発達し、家でたとえるならば基礎の部分です。基礎がグラグラだと、いくらその上に立派な家を建てようとしてもくずれてしまいます。脳も同じです。
からだの脳がきちんと発達していないのに、おりこうさんの脳をいくら一生懸命育てようとしても効果はありません。
からだの脳は、①早起き・早寝、②3食しっかり食べる、③体を動かして遊ぶことで発達します。「うちの子、からだの脳が育っていないかも」と思うならば、今日からからだの脳を育てることにトライしてください。からだの脳は0~5歳ごろで発達する脳ですが、何歳からでも立て直しはできます。

お話・監修/成田奈緒子先生

取材・文/麻生珠恵 たまひよONLINE編集部

紹介したペア練を見て「普段の親子の会話が、おりこうさんの脳を育てるなんて意外!」と思ったママ・パパもいるのではないでしょうか。しかし成田先生は「子どもの脳を育てるには、毎日、楽しく継続して行うことが大事。それができるのはママ・パパです。早期教育など他人に任せているだけで、脳は育つものではありません」と言います。
シリーズの3回目は「こころの脳」を育てるペア練について紹介します。

●記事の内容は2023年11月の情報であり、現在と異なる場合があります。

『改訂新装版 子どもの脳を発達させる ペアレンティング・トレーニング』

子どもの「からだの脳」「おりこうさんの脳」「こころの脳」を育てる、6つのペアレンティグ・メソッドを紹介。成田奈緒子、上岡勇二著 子育て科学アクシス編/1870円(合同出版)

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